母の全てを送るまで

くろすけ

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母の死

腹を決める時

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嫁と一緒に暮らし出して、嫁は父や弟、はたまた母方の祖父母は勿論父方の祖父母にもちゃんと挨拶をしてくれ、私も嫁のお母さんと妹にもご挨拶をさせて貰った。

嫁との時間は本当に無理がなく、居心地の良い時間で、嫁の辛かった過去も踏まえてちゃんと幸せにしてあげないといけないなと思った。

私は基本的に「結婚しようね」とか「ずっと一緒にいようね」とは軽々しく言わない人間なのだが、一緒に住むようになってそれこそすぐの確か母の法事の前日のクリスマスイブだったかな?

嫁からは既にお揃いの指輪を貰っていたが、手作りの指輪を用意し、
「ちゃんと大事にするからずっと側に居て欲しい」
と、家で話してもいいような話を、わざわざ六本木の森ビルの展望台まで嫁を呼び出してキザな言葉を言った。

嫁はすかさずに
「はい、イエス、喜んで!」
とコントみたいに瞬時に返して来て、正直呆気に取られたのを覚えている。

当時私はまだ自分が子供を作れない事やMの事も少なからずは気にしていたので、嫁は今まで私以外とは男性としか付き合ってきた事がない人間だからこそ、自分の事を認めてくれて本当に嬉しい反面、何とも言えない気持ちだったのも本音だ。

でも、自分が変わらないと何も変わらないと思い、付き合って初めてのホワイトデーの日、また嫁を新宿の高層ビルに呼び出し、夜景が綺麗だねーと普通に食事をしながら食後にサプライズで「結婚しよう」のケーキをお店の人に出して貰った。

でもこの時も嫁はすかさずに
「はい!イエス!喜んで!!」
となんだかコントばりに返してきて、笑ってしまった事を覚えている。

私は小さな頃から家庭環境がアレだったし、自分自身も色々乗り越えてもどうしても乗り越えきれない部分があったので、結婚と言うのは夢の夢の先の話だと思っていた。
昔付き合った彼女からの何とも言えない視線も感じていたし、その親からの色々な事もあったし、だからこそ結婚とは現実的な事ではないと思っていた。

え?いざ言葉や行動に移すと、想像と全然違う…
あれ…?こんなに上手く行く事なの…???

あまりにスムーズな展開に驚愕した。
この後に何か落とし穴があるに違いないとも思ったし、これは夢だと思った。

だがそれは全く夢でも何でもなく、今も変わらず嫁は側にいるし、何なら嫁のお母さんは私の事も凄く可愛がってくれるし慮ってくれる。

当時はあまりにもスムーズ過ぎて呆気に取られて、友人に嫁の相談も度々した。
でも皆返す言葉は同じで
「嫁を逃したら✖️ちゃん(私)は一生後悔するよ!!」
との事だった。

当時既に戸籍は訂正していたが、収入は安定していなく、でも嫁は1つ年上なので翌年には30歳になろうとしていた。

今思うと笑ってしまうが、当時、純白のドレスは20代しか着られないジンクスを聞き、これは…急がなければならない…と思った。

だからこそ付き合って1年後には入籍をし、私と嫁の誕生日は2週間くらいしか変わらない春生まれなので入籍してから半年後くらいかな。お互いに29歳の時にちょっと派手な無事結婚式を挙げる事になる。
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