命短し、Hせよ乙女。

並河コネル

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第一回 エッチな小説を書いてみた

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 明日、私の拙作であります成人向け恋愛小説、『土曜の夜に、また来ます。』が完結予定です。『土曜の夜~』から来てくださった方、お立ち寄り頂き有難うございます。

 そもそも、私がこのようなエッチな小説を書こうと思ったのは、「自分が読みたいエッチな小説が、見つからなかったから」なのです。

 ある日、「昨今、女性向けの官能小説が、密かな盛り上がりを見せている」という記事を読み、これは私も是非読んでみたいと興味本位で検索してみました。

 出てくる、出てくる。サラッとしたモノから、どぎついモノまで。BL、GL、NL何でもアリです。

 買いました。読みました。何冊か。現代モノの他に、時代モノも読みました。
 ちなみに、私はNLオンリーです。BLもGLも興味はなくはないですが、共感できるのは、やっぱりノーマルな恋愛です。

 時代モノは良いですよね。えげつない部分が美化されていて。女郎のお話とか、切ないです。切ない恋愛って、やっぱり引きつけられます。結構泣きました。

 現代モノはえげつないです。不倫のオンパレード。
 世の中の男女は、結婚したら全員不倫しているんじゃないかってぐらい、不倫ネタばっかです。まぁでも、結婚したら不倫ぐらいじゃないと盛り上がらないことも、確かですが。

 私が読んだ小説の傾向は、
 エロいシーンが露骨な小説は、内容があまりない、もしくは下らない。
 ストーリーや設定がしっかりしている小説は、エロが非常に淡泊。

 自分は後者の方が好きです。
 感情移入しないと、セックスシーンも他人事みたいになっちゃう。他人事だけど。
 逆に前者はエッチな場面しか印象に残らない。

 とりあえず、なんとなく実態は分かった。
 じゃあ自分でいっちょ、書いてみるかと。

 内容はちゃんとあるけど、エロもしっかり濃厚なやつを。
 自分が読みたいと思える作品を。そういうことになりました。

 最初に書いたのが、『花火の音』です(アルファポリスにて公開中)。
 ファンタジー設定の、巫女さんと剣士の恋愛話。
 とりあえず今まで読んだ作品を参考にしつつ、筆をとりました。

 心がけたのは、しないこと。出来るだけ淡泊に。リアルなセックスは延々と時間をかけてやるものですが、そんなことを実況みたいに書いていたら、確実に飽きます。
 男性を攻める場面はハードル高いと思ったんで、一切なしで。自分を含めて、世の女性がやられたら嬉しかろうと思うことばっかり、詰めました。

 実は『花火の音』に、一流大学を出た高級官僚の男性が、ちょっとだけ出てきます。
 菅原大輔、三十七歳(初期設定)。真面目で、頭が良くて、髪は七三で、言葉遣いはガチガチだけど、頭は柔らかいエリート官僚。

 彼を書いていて思ったんです。
「こういう男の人がセックス上手かったら、燃える」って。
 大輔を相手役として、現代設定でエロ小説を書いてみたいと。そう思いました。
 それが『土曜の夜に、また来ます。』です。

 掴みのキーワードは【セフレ】、セックス・フレンド。 
 ヒロインの明日香が【年齢=彼女いない歴】のような大輔のセフレとなり、【大輔をセックスで虜にしようと思ったら、自分が虜にされてしまった】というストーリーにしました。

 たまたまこの時期、女性のセックスの悩みに答えるツイッターアカウントを発見しました。そのタイムラインを見ていて、ふと思ったんですよね。
「時代は変わっても、世の女性の悩みなんてものは、たいして変わってないんだな」と。

 セックスに自信がない。
 セックスでイケない、もしくはイッたことがない。
 嫌われるのが怖くて、言いたいことが言えない。
 たいして気持ち良くない、それどころかひたすら痛い。
 避妊をしてくれない。
 
 私が若かりし頃も、セックスに悩みを持つ女性は自分を含めて、周りにゴロゴロいました。
 その頃は、なんでもググれば答えが出る時代ではありませんでした。性の悩みは、友達に相談するしかなかったんです。そしてお互いの拙い経験から、答えを導こうとしていました。

 今は恵まれていますよね。テクニックから話術まで、ネットが教えてくれるのですから。具体的に相手に言いづらいことも、「このツイート読んでみて」とか「●●ってググってみて」と言えば済んでしまう。

 でも、何故か悩める乙女は後を絶たない。
 頭でわかっていても、体がついて来ないのかもしれません。知識ばっかり詰め込んで、頭でっかちになって。それが逆に災いして「失敗したくない」と、臆病になる人もいるのではないでしょうか。

 折角、一念発起して現代R小説を書くのですから、こういった女性の悩みを、明日香を通して表現するのも良いかもしれない。そう思い始めました。

 そこで明日香を思い切って【セックスでイッたことがない、ちょっと頭でっかちの、セックスに自信がない女の子】にしてみました。意外とすんなり、話は書けました。

 賢明な読者の方は、「こんなエロ小説書く女、昔からエロかったに違いない」と想像されるでしょう。はい、その通りです。高校生ぐらいから、割とオープンにエロい話をしていました。

 しかしながら、私もヒロインの明日香同様、大学になってようやく人並みの経験をしました。それまではひたすら、妄想の世界。経験済みのクラスメイトが「めちゃくちゃ痛かった」と話すのを、口をポカンと開けて聞いていたクチです。
 
 私がセックスの話題に抵抗がない性格だと知れ渡ると、男女問わず性の悩みを聞かされるようになりました。はぐらかさずに話を聞いて、答えを言う人間だと信じてくれたのでしょう。

 まぁそれでも、真っ昼間の京王線の車内で、「(彼が)勃たないのよ!」「(私がセックスで)イケないのよ!」と友達に大声で訴えられた時は、流石に電車を降りようと思いましたが。

 最後に蛇足ですが、『土曜の夜~』の三話の解説を少しだけ。

 大輔がケーキ屋で明日香に逢った時、電車の時間を気にしていましたよね。
 あの「電車」ですが、大宮発・八王子行の【むさしの号】のことを指しています。大宮から直接中央線に乗り入れる、特別列車です。
 非常に便利なのですが、一日に数本しかありません。本当は本文に解説を入れたかったのですが、恋愛小説読まれる方が、鉄道なんかに興味ないだろうなと思ってやめました。まぁ、賢明な判断だったと思います。

 次回は『寝た女の数ばっかり自慢するな』を、お届けします。
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