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潜む妖怪
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「ただいまー」
「おう、おかえ……うん?なんだそれ」
仕事から帰って来た姉ちゃんを出迎えると、大きな布に包まれたものを横抱きにしていた。
その持ち方になんとなく嫌な予感を覚える。
姉ちゃんが鞄を差し出したのでそれを受け取りながら、おそるおそるそれを覗き込んだ。
「友達んちの赤ちゃん。預かって来た」
「はあ!?」
「友達と旦那さんどっちもインフルになっちゃって、預かれる親戚も近くに居ないって言ってたから。丁度いい事にうちには暇人がいるし、面倒見れるかなって」
「えぇー…いやいやいや」
姉ちゃんが言ってる暇人とはまさに俺の事だろう。
就活でこけてから動画で食っていけないかと欲を出し、室内で撮影をしていたら、騒音被害を訴えられ住んでいた格安アパートを追い出され、姉のマンションに転がり込んでいるのが今の状況である。
動画でちまちま小遣い程度は稼げているが、正社員の姉からしたらバイト以下の不毛な行動に見えるだろう。
「今回だけはあんたがいて助かったわ」
「逆らう権利が無いの承知で言うけど、俺赤ん坊とか面倒見たことねえよ」
「そんなもん、それこそお得意のネットで調べなさいよ」
「えー…こういうのって調べればなんとかなるもん?」
今すぐ叩き出されても文句は言えない身だが、相手の表情を伺いながら最低限の抵抗だけはしておく。
「とにかく、預かるのは絶対だから。消耗品とかお赤ちゃんに使ったお金はレシート残しておいて。友達に請求する用ね。ちょっとだけどベビーシッター代も出るわよ」
「お、マジ?いやでも、大丈夫かなあ」
「もう預かって来ちゃったんだから、不安がってる暇あったらネットで育児方法でも調べなさいよ」
「うぅ…ふええぇーーーっ!!」
玄関前の廊下で言い争ってる間に、赤ん坊が目を覚まし、泣き出した。
「ふえええーーーっふええええーーーっ!!」
「うわ、ど、どうする!?」
「オムツ濡れたのかしら。それともミルク?」
取りあえず一週間分のミルクとオムツは貰って来たらしい。
パッケージの説明によると、オムツの尻側にあるクマのマークが青くなっていればオムツが汚れている印ということなので、慌てて替えてやる。説明通りにやれば簡単にできたので、メーカーも色々工夫してるんだなと変に関心した。
「ふう。なんとかなったわね…」
オムツが綺麗になったら今度は腹が減ったと泣きまくる赤ん坊にミルクをやりながら、疲れたように姉が呟く。
「あんまり人見知りする子じゃないみたい。かわいい」
さっきまで慌てまくってたのに、必死にミルクを飲む赤ん坊を眺めながら呑気なことを言ってる姉。
俺はもうあの甲高い泣き声のせいで疲れ切っていた。
「……そのかわいい赤ちゃん、どっちの部屋で寝かせるの」
「勿論あんたの部屋よ」
「ですよねー」
「私明日も仕事あるんだから当たり前でしょ」
「そうっすよねー」
「ちょっと、その腹立つ返事やめてくんない?」
赤ん坊と言えば夜泣き。
一晩中あの泣き声と戦うのかよ俺…。
夜泣きが酷くない事を祈っていると、なんだか赤ん坊の目が怪しく光った気がした。
「おう、おかえ……うん?なんだそれ」
仕事から帰って来た姉ちゃんを出迎えると、大きな布に包まれたものを横抱きにしていた。
その持ち方になんとなく嫌な予感を覚える。
姉ちゃんが鞄を差し出したのでそれを受け取りながら、おそるおそるそれを覗き込んだ。
「友達んちの赤ちゃん。預かって来た」
「はあ!?」
「友達と旦那さんどっちもインフルになっちゃって、預かれる親戚も近くに居ないって言ってたから。丁度いい事にうちには暇人がいるし、面倒見れるかなって」
「えぇー…いやいやいや」
姉ちゃんが言ってる暇人とはまさに俺の事だろう。
就活でこけてから動画で食っていけないかと欲を出し、室内で撮影をしていたら、騒音被害を訴えられ住んでいた格安アパートを追い出され、姉のマンションに転がり込んでいるのが今の状況である。
動画でちまちま小遣い程度は稼げているが、正社員の姉からしたらバイト以下の不毛な行動に見えるだろう。
「今回だけはあんたがいて助かったわ」
「逆らう権利が無いの承知で言うけど、俺赤ん坊とか面倒見たことねえよ」
「そんなもん、それこそお得意のネットで調べなさいよ」
「えー…こういうのって調べればなんとかなるもん?」
今すぐ叩き出されても文句は言えない身だが、相手の表情を伺いながら最低限の抵抗だけはしておく。
「とにかく、預かるのは絶対だから。消耗品とかお赤ちゃんに使ったお金はレシート残しておいて。友達に請求する用ね。ちょっとだけどベビーシッター代も出るわよ」
「お、マジ?いやでも、大丈夫かなあ」
「もう預かって来ちゃったんだから、不安がってる暇あったらネットで育児方法でも調べなさいよ」
「うぅ…ふええぇーーーっ!!」
玄関前の廊下で言い争ってる間に、赤ん坊が目を覚まし、泣き出した。
「ふえええーーーっふええええーーーっ!!」
「うわ、ど、どうする!?」
「オムツ濡れたのかしら。それともミルク?」
取りあえず一週間分のミルクとオムツは貰って来たらしい。
パッケージの説明によると、オムツの尻側にあるクマのマークが青くなっていればオムツが汚れている印ということなので、慌てて替えてやる。説明通りにやれば簡単にできたので、メーカーも色々工夫してるんだなと変に関心した。
「ふう。なんとかなったわね…」
オムツが綺麗になったら今度は腹が減ったと泣きまくる赤ん坊にミルクをやりながら、疲れたように姉が呟く。
「あんまり人見知りする子じゃないみたい。かわいい」
さっきまで慌てまくってたのに、必死にミルクを飲む赤ん坊を眺めながら呑気なことを言ってる姉。
俺はもうあの甲高い泣き声のせいで疲れ切っていた。
「……そのかわいい赤ちゃん、どっちの部屋で寝かせるの」
「勿論あんたの部屋よ」
「ですよねー」
「私明日も仕事あるんだから当たり前でしょ」
「そうっすよねー」
「ちょっと、その腹立つ返事やめてくんない?」
赤ん坊と言えば夜泣き。
一晩中あの泣き声と戦うのかよ俺…。
夜泣きが酷くない事を祈っていると、なんだか赤ん坊の目が怪しく光った気がした。
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