まったり異世界観光 ~観光チートで異世界を楽しみつくす~

にしん

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「そういえば、サイトさん。この先の予定はどうなってるんです?」

2人で色々な酒に手を出しつつ、まったりと喋っていたら、ミクリさんがそう聞いてきた。

「一応、後4日ほど宿はとってるんですけど、中日でケーラル山に入ろうかなと」

ケーラル山というイーモス山脈の入口に位置する、町の由来にもなった山がある。
植生が豊かで、イーモス山脈の中では比較的魔物も大人しい、1日あれば登れるくらいの山である。

「素材採集ですか?」

ケーラル山には、高価で貴重な素材がたくさんある。
地元ギルドの許可が必要だが、俺は以前の貢献もあり、ほぼほぼフリーパスで山に入れるようになっている。

「いえ、今回は純粋に観光で来たんで。山頂で夜を明かして、ご来光を拝むつもりです」
「うわー、なんという趣味人」

まぁ正直、だいぶイージーモードでやっているという自覚はある。
でも前世で死ぬほど働いたんだから、多少はおおめに見てほしい。

「俺は精霊魔法も使うからね。こういうとこで定期的に自然と触れとかないと、感覚が鈍っちゃうから」
「なろほど」
一応、もっともらしいことを言っとく。
精霊魔法は精霊の力を借りる魔法であり、精霊の気まぐれに左右される魔法だと知られている。
なのでこう言っておけば、たいていの人はそういうものなんだと納得してくれるものだ。

実は今回のご来光の目的は、多分にスピリチュアルな感じだったりする。
せっかく前世の記憶が戻ったので、この世界を見守る創造神に感謝の気持ちを伝えたいなと思ったのだ。
なので神秘の濃い山頂で祈りを捧げようかな、なんて思ってる。
イーモスの山々は、神秘が濃く、特に頂上までくると神域といわれるレベルであり、並の人間ではそこに立ち入ることができない。
そういった場所だからこそ、神に感謝を伝えるところにふさわしい。

あともうひとつ、アオイのこともある。
目覚めたての転生者と生まれたての精霊。
この世界にやってきたばかりのもの同士、アオイにはシンパシーの様なものを感じてる。
だからこそ、これから先色々なところに一緒に行くだろうアオイに、まずはケーラルの自然を見せてやりたい。
精霊として生まれたばかりの彼女に、自らのルーツに触れる機会を作ろうと思っているのだ。
それがふたつめの理由。

後、身も蓋もないが、単純にご来光というやつを見てみたかったというのもある。
結局のところ、それが大前提にある。
前世の激務のときにふと映像を見てから、いつかは富士山でご来光をみたいと思っていたのだ。
ご来光を見ながら、コーヒー淹れて飲む。
まさに、THE・観光って感じで憧れる。
そのために俺は、山に挑むのだ。
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