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まずは懐から箸ぐらいの長さの極細の鉄針を取り出す。これはわざわざ特注で造ってもらったもので、通常の針よりも魔力が通りやすいように、特殊なコーティング加工がなされている。
それを、横たわる鹿の首筋に勢いよく刺して、魔力を少し注ぐ。
針を刺された鹿はビクンと跳ねた後、そのまま力が抜けて動かなくなった。
これで鹿は仮死状態になった。
次にこの仮死状態のまま、回復魔法で体表の傷を癒す。
死後に浄化すると旨味が損なわれることがあるので、回復するなら、この瞬間がベストなのだ。
そうしたらここでの処置は終了。
そのまま鹿を運搬していく。
横たわる鹿に【浮遊】をかけて、ほんの少しだけ宙に浮かす。
その後にもう一度【浮遊】をかけて、獲物を運ぶ。
この二度がけがポイントなのだ。
解説は後でするから。
3人に守られながら移動し、程なくして休憩地点に到着。
泉の近くの開けた場所で、爽やかな風が吹く風光明媚な場所だ。
はじめてきた3人も歓声をあげている。
うんうん、気持ちはわかる。
でもまずは、先に解体からだ。気を取り直して獲物の処理に入ろう。
泉から流れる沢の近くに軽く穴を掘り、桶に水を汲む。
ここで重要なのは、どこを使ってもいいというわけではない。
飲料用、作業用、廃水用、など用途によって使っていい場所が決まっている。
なので、獲物の解体に使っていい沢をまず見つけるところから。
そこにはきちんと冒険者や狩人の間で使うしるしがあった。
「休憩場所には、必ずこういうのあるからちゃんと見逃さないように」
そう言うルールを破ったら、よくて出禁だからね。
破ったら……? ははは、山はよく人が迷ってしまうから、気をつけなきゃね。
そういうことを教えながら、テキパキと場を均し、小石などを除けていく。
後は、すぐ近くに解体した肉を置くために耐水性の高いシートを敷き、よく研いだ解体用のナイフをしたら準備完了だ。
よし、これより解体作業に入る。
■
山の中腹に位置する泉のある開けた場所。
古くからイーモス山脈で生きる冒険者たちによって利用されており、所々で人の手が入って整備されていたりする。
時刻は午前の9時すぎ。
気温も徐々に上がってきており、木々の合間から吹く風は、登山で火照った身体に爽やかにしみてくる。
そんな場所で今、4人は先ほど捕った獲物を囲んでいる。
「さて、まずはトドメをさして血抜きからいくよ。今回は血は処分しちゃうけど、いい?」
頷く3人を見て、作業開始。
血なんかはすぐに処理すればウインナーとかに使えるみたいだけど、今回はパス。
鹿の首筋に刺したまんまの針に強めの魔力を入れ、強化。そのまま心臓まで深く刺す。
「――――――」
一瞬、仮死状態の解けた鹿の断末魔の叫び。
それに怯むこと無く、心を無にして手を動かす。ここからは時間との勝負なのだ。
俺の解体用秘密道具、先端に尖った金属を着けた管を2本用意し、そのうち1本は金属がついていない側を水を入れた桶に浸しておく。もう1本の方は片側は残滓を入れるために掘った穴のところに。
準備が整ったところで、心臓近くの太そうな動脈に尖った側を2本とも、少し間隔をあけて打ち込む。
「そっちから血が噴き出すから、注意してね」
穴の方の口を指しながら、3人に注意しとく。
管を持ちながら魔力を練って、桶の水に注入。
するとその魔力に反応するようにして、一方の管が水を吸い取りはじめる。
桶の中の水がやがて管を通して、鹿の体内へと侵入、動脈を通るようにして、体内に水が浸透していく。
やがてその水に押し出されるようにして、反対の管を通り、穴のところの口から、勢いよく血が吹き出していく。
「うおー、すげー」
カリンの歓声。残りの2人も食い入るように赤い噴水を見ている。
これ、単に水で押し流しているのではなく、魔法で水を操りながら身体中の血と汚れ(臭みのもと)を吸着し、一緒に流している。だから、普通に血抜きをするよりもより綺麗な状態にすることが可能。
さらに同時に水温も下げることで、内部から肉の温度も下げて、品質の低下を防いでいる。
実はこれ、けっこう複雑で難しいことやってるのだ。
血が流れ出ること、数分。
全ての血が抜け、透明な水が出てくる。これで血抜きは完了。
さて、次はモツ抜いて、解体である。
それを、横たわる鹿の首筋に勢いよく刺して、魔力を少し注ぐ。
針を刺された鹿はビクンと跳ねた後、そのまま力が抜けて動かなくなった。
これで鹿は仮死状態になった。
次にこの仮死状態のまま、回復魔法で体表の傷を癒す。
死後に浄化すると旨味が損なわれることがあるので、回復するなら、この瞬間がベストなのだ。
そうしたらここでの処置は終了。
そのまま鹿を運搬していく。
横たわる鹿に【浮遊】をかけて、ほんの少しだけ宙に浮かす。
その後にもう一度【浮遊】をかけて、獲物を運ぶ。
この二度がけがポイントなのだ。
解説は後でするから。
3人に守られながら移動し、程なくして休憩地点に到着。
泉の近くの開けた場所で、爽やかな風が吹く風光明媚な場所だ。
はじめてきた3人も歓声をあげている。
うんうん、気持ちはわかる。
でもまずは、先に解体からだ。気を取り直して獲物の処理に入ろう。
泉から流れる沢の近くに軽く穴を掘り、桶に水を汲む。
ここで重要なのは、どこを使ってもいいというわけではない。
飲料用、作業用、廃水用、など用途によって使っていい場所が決まっている。
なので、獲物の解体に使っていい沢をまず見つけるところから。
そこにはきちんと冒険者や狩人の間で使うしるしがあった。
「休憩場所には、必ずこういうのあるからちゃんと見逃さないように」
そう言うルールを破ったら、よくて出禁だからね。
破ったら……? ははは、山はよく人が迷ってしまうから、気をつけなきゃね。
そういうことを教えながら、テキパキと場を均し、小石などを除けていく。
後は、すぐ近くに解体した肉を置くために耐水性の高いシートを敷き、よく研いだ解体用のナイフをしたら準備完了だ。
よし、これより解体作業に入る。
■
山の中腹に位置する泉のある開けた場所。
古くからイーモス山脈で生きる冒険者たちによって利用されており、所々で人の手が入って整備されていたりする。
時刻は午前の9時すぎ。
気温も徐々に上がってきており、木々の合間から吹く風は、登山で火照った身体に爽やかにしみてくる。
そんな場所で今、4人は先ほど捕った獲物を囲んでいる。
「さて、まずはトドメをさして血抜きからいくよ。今回は血は処分しちゃうけど、いい?」
頷く3人を見て、作業開始。
血なんかはすぐに処理すればウインナーとかに使えるみたいだけど、今回はパス。
鹿の首筋に刺したまんまの針に強めの魔力を入れ、強化。そのまま心臓まで深く刺す。
「――――――」
一瞬、仮死状態の解けた鹿の断末魔の叫び。
それに怯むこと無く、心を無にして手を動かす。ここからは時間との勝負なのだ。
俺の解体用秘密道具、先端に尖った金属を着けた管を2本用意し、そのうち1本は金属がついていない側を水を入れた桶に浸しておく。もう1本の方は片側は残滓を入れるために掘った穴のところに。
準備が整ったところで、心臓近くの太そうな動脈に尖った側を2本とも、少し間隔をあけて打ち込む。
「そっちから血が噴き出すから、注意してね」
穴の方の口を指しながら、3人に注意しとく。
管を持ちながら魔力を練って、桶の水に注入。
するとその魔力に反応するようにして、一方の管が水を吸い取りはじめる。
桶の中の水がやがて管を通して、鹿の体内へと侵入、動脈を通るようにして、体内に水が浸透していく。
やがてその水に押し出されるようにして、反対の管を通り、穴のところの口から、勢いよく血が吹き出していく。
「うおー、すげー」
カリンの歓声。残りの2人も食い入るように赤い噴水を見ている。
これ、単に水で押し流しているのではなく、魔法で水を操りながら身体中の血と汚れ(臭みのもと)を吸着し、一緒に流している。だから、普通に血抜きをするよりもより綺麗な状態にすることが可能。
さらに同時に水温も下げることで、内部から肉の温度も下げて、品質の低下を防いでいる。
実はこれ、けっこう複雑で難しいことやってるのだ。
血が流れ出ること、数分。
全ての血が抜け、透明な水が出てくる。これで血抜きは完了。
さて、次はモツ抜いて、解体である。
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