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血抜きの済んだ鹿を流水でしっかり洗う。
体表に付く泥や寄生虫を落として綺麗にするためだ。
本来は沢なんかにつけながらやるが、今日は後があるので、魔法で一気に洗浄。
基本的に俺は豊富な魔力に頼んだ便利魔法のゴリ押しでやってる。だけど、これけっこうむちゃくちゃなやつなので、よい子は真似してはいけない。
綺麗になった鹿をシートの上に寝かせ、そこから腹にナイフを入れて縦に裂き、腹膜に被われた内臓を取り出す。
このとき、すでに体内は浄化済みなので、糞尿や胃の残留物などの心配は無し。
「おー、すごいきれいですね」
空っぽになった内側を除きながら、感心した様子のマリー。
「やっぱり狩猟をやってくとするなら、こういう魔法も勉強した方がいいんですか?」
魔法も多少使えるナツメ。
「覚えて損は無いだろうけど、優先度はあんまり高くないんじゃないかな」
「どうして? このほうがほーしゅーがあがるじゃん?」
カリンが首をかしげながら、疑問を口にする。
「洗浄処理するとね、特殊加工したことになって、適用される税率が変わってくるから、ちょっとややこしくて、買い取り側も面倒くさいから、敬遠されることがある。後、少しだけだけど本来よりも味も変わるしね」
「えっ、そうなの?」
「洗浄すると、いっきに汚れとか臭みの原因とかを取り除ける。基本的にはそれでいいんだけど、肉の美味しさの中には、臭みがもたらす野性の慈味なんかもあるんだ。上手に加減できないと味気ない肉ができてしまう」
「そういえば実家も、肉の洗浄はほとんどやりませんでしたね」
肉屋の娘のマリーも追従。
「というわけで、肉の納品依頼なんかは、そういうのをちゃんと確認してからじゃないと使えない。だったら、他に便利で有用な魔法の勉強をした方が、結果としては効率的だと思う」
「確かにそうですね」
ナツメも納得したようだ。
「まぁ自家消費のときとかは、そういうの気にしないでやっちゃうけどねー」
それに俺なら、ほとんど味も損なわないように調節できるしね。
こういうことばっか、研鑽を積んできてた俺。
「あのサイトさん。私たちにも解体を手伝わせてくれませんか」
「ありがとう、助かるよ」
彼女たちの申し出を快く受諾。作業はまだまだあるからね。
「じゃあ、次は皮剥ぎ作業に入るけど、1人はモツの方の腑分けお願いしていい」
「じゃあ、ワタシがやる」
そういってカリンが立候補。
「とりあえず、今日のご飯用はハツとレバーだけでいいかな。後は穴に棄てちゃって」
「わかったー」
「じゃあ、2人はこっち手伝ってね」
「「はいっ」」
まずはナイフで膝下あたりに切り込みを入れて、一周。
その切り込みに向け足の付け根の方から、皮に刃を入れて付け根の切り込みと繋げる。他の足も同様。
そしたらナイフを一端置いて、指の先に魔力を集め水を纏わせる。
「じゃあ水で剥がしていくから、皮引っ張って」
皮の片側を持ってもらいながら、癒着しているところに勢いよく水をあてていく。高圧洗浄機のような水圧を当てることで、面白い様に皮が剥がれていく。
「すごいっ! これほんとはすっごく大変なのに」
実家の手伝いで解体に慣れているマリーも、あまりの簡単さにびっくりしている。
「すごい繊細な魔力操作……、だいぶハードルたかいなぁ」
ナツメは魔法の制御に驚いている。
四つ足が終わったらそのまま胴体の方まで、剥がす。
すると、首のところにマントのように皮が繋がった状態まできた。
ここまで来れば後一息。
再びナイフを手にとって一度魔力を通すと、脂も落ち、刃も鋭さを取り戻す。地味にこれ魔力で切れ味を回復できる魔剣なんよね。
さらにそこから、ナイフを魔力で覆い【魔刃】を発動。
ーーザンッ
ナイフを振り下ろし固い脊柱を一刀両断、首と胴体を切り離した。
頭の方までは面倒なので皮は剥がずにそのまま廃棄する。タンだけは忘れずに取るけど、脳みそは今回はスルー。
ちなみに今回の鹿は牝鹿だったので、角はない。
皮剥ぎはこれで完了!!
体表に付く泥や寄生虫を落として綺麗にするためだ。
本来は沢なんかにつけながらやるが、今日は後があるので、魔法で一気に洗浄。
基本的に俺は豊富な魔力に頼んだ便利魔法のゴリ押しでやってる。だけど、これけっこうむちゃくちゃなやつなので、よい子は真似してはいけない。
綺麗になった鹿をシートの上に寝かせ、そこから腹にナイフを入れて縦に裂き、腹膜に被われた内臓を取り出す。
このとき、すでに体内は浄化済みなので、糞尿や胃の残留物などの心配は無し。
「おー、すごいきれいですね」
空っぽになった内側を除きながら、感心した様子のマリー。
「やっぱり狩猟をやってくとするなら、こういう魔法も勉強した方がいいんですか?」
魔法も多少使えるナツメ。
「覚えて損は無いだろうけど、優先度はあんまり高くないんじゃないかな」
「どうして? このほうがほーしゅーがあがるじゃん?」
カリンが首をかしげながら、疑問を口にする。
「洗浄処理するとね、特殊加工したことになって、適用される税率が変わってくるから、ちょっとややこしくて、買い取り側も面倒くさいから、敬遠されることがある。後、少しだけだけど本来よりも味も変わるしね」
「えっ、そうなの?」
「洗浄すると、いっきに汚れとか臭みの原因とかを取り除ける。基本的にはそれでいいんだけど、肉の美味しさの中には、臭みがもたらす野性の慈味なんかもあるんだ。上手に加減できないと味気ない肉ができてしまう」
「そういえば実家も、肉の洗浄はほとんどやりませんでしたね」
肉屋の娘のマリーも追従。
「というわけで、肉の納品依頼なんかは、そういうのをちゃんと確認してからじゃないと使えない。だったら、他に便利で有用な魔法の勉強をした方が、結果としては効率的だと思う」
「確かにそうですね」
ナツメも納得したようだ。
「まぁ自家消費のときとかは、そういうの気にしないでやっちゃうけどねー」
それに俺なら、ほとんど味も損なわないように調節できるしね。
こういうことばっか、研鑽を積んできてた俺。
「あのサイトさん。私たちにも解体を手伝わせてくれませんか」
「ありがとう、助かるよ」
彼女たちの申し出を快く受諾。作業はまだまだあるからね。
「じゃあ、次は皮剥ぎ作業に入るけど、1人はモツの方の腑分けお願いしていい」
「じゃあ、ワタシがやる」
そういってカリンが立候補。
「とりあえず、今日のご飯用はハツとレバーだけでいいかな。後は穴に棄てちゃって」
「わかったー」
「じゃあ、2人はこっち手伝ってね」
「「はいっ」」
まずはナイフで膝下あたりに切り込みを入れて、一周。
その切り込みに向け足の付け根の方から、皮に刃を入れて付け根の切り込みと繋げる。他の足も同様。
そしたらナイフを一端置いて、指の先に魔力を集め水を纏わせる。
「じゃあ水で剥がしていくから、皮引っ張って」
皮の片側を持ってもらいながら、癒着しているところに勢いよく水をあてていく。高圧洗浄機のような水圧を当てることで、面白い様に皮が剥がれていく。
「すごいっ! これほんとはすっごく大変なのに」
実家の手伝いで解体に慣れているマリーも、あまりの簡単さにびっくりしている。
「すごい繊細な魔力操作……、だいぶハードルたかいなぁ」
ナツメは魔法の制御に驚いている。
四つ足が終わったらそのまま胴体の方まで、剥がす。
すると、首のところにマントのように皮が繋がった状態まできた。
ここまで来れば後一息。
再びナイフを手にとって一度魔力を通すと、脂も落ち、刃も鋭さを取り戻す。地味にこれ魔力で切れ味を回復できる魔剣なんよね。
さらにそこから、ナイフを魔力で覆い【魔刃】を発動。
ーーザンッ
ナイフを振り下ろし固い脊柱を一刀両断、首と胴体を切り離した。
頭の方までは面倒なので皮は剥がずにそのまま廃棄する。タンだけは忘れずに取るけど、脳みそは今回はスルー。
ちなみに今回の鹿は牝鹿だったので、角はない。
皮剥ぎはこれで完了!!
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