まったり異世界観光 ~観光チートで異世界を楽しみつくす~

にしん

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「お疲れさま」
「「「お疲れさまでしたー」」」

俺たち4人は今、山道の途中の泉のある休憩場所のところにいる。
途中で仕留めた鹿の解体を済ませ、今は俺の容れたコーヒーで休憩中。
さすがにここでは豆から挽かず、用意しておいた自家製インスタントだ。
カリンがすかさずクッキーを所望してきたが、気持ちは解るので、素直に出してあげた。
そりゃこんなシチュエーションで味わうコーヒーとクッキーはうまいし染みる。
他の2人も口には出さずとも頭にはあったはず。差し出したら秒で食いついた。

「はぁ~、しあわせ~」

カリンのつぶやきにみんな頷き、しばし身体を休めた。
現在の時刻がだいたい10時前ぐらいなので、昼過ぎには山頂に着くだろう。
そこで絶景を観ながらの、お弁当かな。
解体した肉の取り分は、俺とパーティとで半々。
人数的に俺の分量が多いが、その代わり今日の夕食は俺の方から提供する。
皮は別にいらないのであげた。そもそも今回はバカンスできてるので、稼ごうとも思ってない。
肉の半分はヤズヤに渡して、調理してもらうつもりだし、残りは保存食にでもしようかなと思っている。
裏技を使えば、干し肉を一晩で作ったりもできるんでね。

「でもサイトさんって、色々とスゴいですよね」
「うんうん、いちいちすげーこだわってるし」
「ギルドの先輩方にも、こんな人いなかったです」

そんなことを三人娘は言ってくる。
たしかに俺のやり方は、他の冒険者とかとスタンスが違いすぎて、基本的に浮いていたりする。
だから、同業者よりもクライアントとかとの方が仲がよかったりするのだ。

「まぁ元々、冒険者っていう意識薄いからね」
「前は公務員だったんですよね?」
「そう。専門職採用で色んな秘境の調査と整備やってた」
「だからこんなに山に慣れてるんですね」
「へたすりゃ1ヶ月山暮らしとかあったからね。そりゃ住環境整えるのに本気出すしかないでしょ」

なんならへたな街の宿とかよりも、いい環境にしてたからね。

「うへー、アタシぜったいムリ」
「そう、そう言って同僚みんな、いつのまにか辞めてった」
「サイトさんもそれで辞めてフリーになったんですか?」
「俺はそういうの元々好きで全然苦じゃ無かったんだけど、同僚減ったせいで余計な仕事回されるようになってね。書類仕事とかで、逆に現場に出れなくなって、それでね」

思えばあの頃が、最大の修羅場だったな。職場の空気もだいぶギスギスしていたし。
そして逃げるようにして、出張先まで向かってた。
結局前の職場は、俺がフリーになった後、そういったやっかいな仕事の外注先ができたお陰で、逆に職場がまわるようになっていったそうだ。
元上司なんかはそれにいたく感謝してくれて、今も御歳暮とか贈ってくれる。
世にも珍しいWin-Winの退職だったなと思う。

たしかに公務員という安定的な立場は魅力的だけど、あのまま続けてたらどっかで嫌気がさしていただろうし、前世の記憶も戻ってなかったんじゃないかな。
そう考えると、俺の潜在意識が、あのときの退職という決断を選ばせたのかもな。
今は色んなとこに行きつつやりたいことだけやれて、手取りも増えたし、概ね満足している。
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