まったり異世界観光 ~観光チートで異世界を楽しみつくす~

にしん

文字の大きさ
72 / 96

71

しおりを挟む

「同じ属性は基本的に対面に置くように」
「はい」
「えーと、ここ!」
「風は火を強くするから、隣あわないように」
「はーい」
「次は……、あそこだね」

マリーとカリンに配置の指示を出し、

「水属性、終わりました。チェックお願いします」
「うん、問題ない。お疲れ様」
「おつかれ様、ナツメ」
「おつかれー」

ナツメの作業の最終確認。

「さぁ、もうちょいだ。水の灯籠を3時6時9時12時の方向に」
「あれ、もうおいてあるよ?」
「カリン、ズレてる、ズレてる。土はもう1個となりだよ」
「おー。おっけーおっけー」

自分の身体ぐらいある灯籠を軽々と押し運ぶ2人。流石は冒険者である。

「これで終わり!」
「おわったー」
「お疲れ様でした」

マリーが最後の飾り火を設置して、作業の完了を告げる。
灯籠に火が灯り、そこから中央の祭壇に魔力が緩やかに流れ込んでいくのが感じられる。
それぞれの灯籠を通して、集まった各属性の魔力が中央混ざりあい、やがてそこから溢れ出して、洞窟内の空気に溶けていく。

「なんか空気が濃くなった感じがしますね」
「祭壇を通して、あちらの界に干渉しているからね。つながったあちらの空気がこっちにも流れてきてるんだ」

あちらの空気に近づけるということは、つまり精霊の好みに近づけるということ。
今までやっていたのは、そういう作業だったというわけだ。



「そしたら最後の工程だよ。捧げ物は持ってきてるね」
「もちろんです」

精霊を迎える環境の整った祭壇に、精霊に捧げる供物を用意する。

ケーラル織の反物
御神酒
稲穂と小麦、
干し肉、干し野菜にドライフルーツの盛り合わせ
皿や食器の木工品
盃などの陶器
この地の恵みを受けて、この地の民が作ったものを、感謝の念を込めて精霊に捧げる。
この供物奉納を持って、ギルドからの依頼は完了となるのだ。

「おお、しっかり集めてきたね」
「昨日、ギルドで打ち合わせた後に街をまわって預かってきたんですよ」
「ミクねぇ、ひとづかいがあらい」

俺がまったりしていたときに、彼女らは頑張っていたんだなぁ。

「お酒は当然、マツダイラ酒造、と」
「はい、ジュンマイダイギンジョーを預かってます。それと――」
「それと?」
「お酒ではないのですが、昨日急遽仕上げた果実水も預かってきました。何でもスゴい水が手に入ったから、これも捧げてほしいって」
そういって見せたのは、透明な液体が入ったラベルもないただの一升瓶。

「朝、サイトさんと合流する前に、店に寄って預かってきたんですよ」
「はやかった」
「それはご苦労様だったね」

おそらく、というか間違いなく俺の仕事の影響だろう。
精霊にいいものを捧げたいという信仰心と職人魂が彼らを動かしたのだ。

「じゃあ、さっそく祭壇に並べていこう」

三人が供物をどんどん祭壇に並べていく。何もなかった祭壇の上が色とりどりの供物で華やかに埋まっていく。

「さぁ、最後にこの霊香を焚てて、祈りを捧げよう」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

スキルはコピーして上書き最強でいいですか~改造初級魔法で便利に異世界ライフ~

深田くれと
ファンタジー
【文庫版2が4月8日に発売されます! ありがとうございます!】 異世界に飛ばされたものの、何の能力も得られなかった青年サナト。街で清掃係として働くかたわら、雑魚モンスターを狩る日々が続いていた。しかしある日、突然仕事を首になり、生きる糧を失ってしまう――。 そこで、サナトの人生を変える大事件が発生する!途方に暮れて挑んだダンジョンにて、ダンジョンを支配するドラゴンと遭遇し、自らを破壊するよう頼まれたのだ。その願いを聞きつつも、ダンジョンの後継者にはならず、能力だけを受け継いだサナト。新たな力――ダンジョンコアとともに、スキルを駆使して異世界で成り上がる!

異世界翻訳者の想定外な日々 ~静かに読書生活を送る筈が何故か家がハーレム化し金持ちになったあげく黒覆面の最強怪傑となってしまった~

於田縫紀
ファンタジー
 図書館の奥である本に出合った時、俺は思い出す。『そうだ、俺はかつて日本人だった』と。  その本をつい翻訳してしまった事がきっかけで俺の人生設計は狂い始める。気がつけば美少女3人に囲まれつつ仕事に追われる毎日。そして時々俺は悩む。本当に俺はこんな暮らしをしてていいのだろうかと。ハーレム状態なのだろうか。単に便利に使われているだけなのだろうかと。

異世界転生したおっさんが普通に生きる

カジキカジキ
ファンタジー
 第18回 ファンタジー小説大賞 読者投票93位 応援頂きありがとうございました!  異世界転生したおっさんが唯一のチートだけで生き抜く世界  主人公のゴウは異世界転生した元冒険者  引退して狩をして過ごしていたが、ある日、ギルドで雇った子どもに出会い思い出す。  知識チートで町の食と環境を改善します!! ユルくのんびり過ごしたいのに、何故にこんなに忙しい!?

社畜サラリーマン、異世界でパンと魔法の経営革命

遊鷹太
ファンタジー
過労死寸前の30代サラリーマン・佐藤健は、気づけば中世ヨーロッパ風の異世界に転生していた。与えられたのは「発酵魔法」という謎のスキルと、前世の経営知識。転生先は辺境の寒村ベルガルド――飢えと貧困にあえぐ、希望のない場所。「この世界にパンがない…だと?」健は決意する。美味しいパンで、人々を笑顔にしよう。ブラック企業で培った根性と、発酵魔法の可能性。そして何より、人を幸せにしたいという純粋な想い。小さなパン屋から始まった"食の革命"は、やがて王国を、大陸を、世界を変えていく――。笑いあり、涙あり、そして温かい人間ドラマ。仲間たちとの絆、恋の芽生え、強大な敵との戦い。パン一つで世界を救う、心温まる異世界経営ファンタジー。

転生したら最強種の竜人かよ~目立ちたくないので種族隠して学院へ通います~

ゆる弥
ファンタジー
強さをひた隠しにして学院の入学試験を受けるが、強すぎて隠し通せておらず、逆に目立ってしまう。 コイツは何かがおかしい。 本人は気が付かず隠しているが、周りは気付き始める。 目立ちたくないのに国の最高戦力に祭り上げられてしまう可哀想な男の話。

ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語

Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。 チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。 その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。 さぁ、どん底から這い上がろうか そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。 少年は英雄への道を歩き始めるのだった。 ※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。

異世界転生~チート魔法でスローライフ

玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。 43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。 その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」 大型連休を利用して、 穴場スポットへやってきた! テントを建て、BBQコンロに テーブル等用意して……。 近くの川まで散歩しに来たら、 何やら動物か?の気配が…… 木の影からこっそり覗くとそこには…… キラキラと光注ぐように発光した 「え!オオカミ!」 3メートルはありそうな巨大なオオカミが!! 急いでテントまで戻ってくると 「え!ここどこだ??」 都会の生活に疲れた主人公が、 異世界へ転生して 冒険者になって 魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。 恋愛は多分ありません。 基本スローライフを目指してます(笑) ※挿絵有りますが、自作です。 無断転載はしてません。 イラストは、あくまで私のイメージです ※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが 少し趣向を変えて、 若干ですが恋愛有りになります。 ※カクヨム、なろうでも公開しています

異世界ほのぼの牧場生活〜女神の加護でスローライフ始めました〜』

チャチャ
ファンタジー
ブラック企業で心も体もすり減らしていた青年・悠翔(はると)。 日々の疲れを癒してくれていたのは、幼い頃から大好きだったゲーム『ほのぼの牧場ライフ』だけだった。 両親を早くに亡くし、年の離れた妹・ひなのを守りながら、限界寸前の生活を続けていたある日―― 「目を覚ますと、そこは……ゲームの中そっくりの世界だった!?」 女神様いわく、「疲れ果てたあなたに、癒しの世界を贈ります」とのこと。 目の前には、自分がかつて何百時間も遊んだ“あの牧場”が広がっていた。 作物を育て、動物たちと暮らし、時には村人の悩みを解決しながら、のんびりと過ごす毎日。 けれどもこの世界には、ゲームにはなかった“出会い”があった。 ――獣人の少女、恥ずかしがり屋の魔法使い、村の頼れるお姉さん。 誰かと心を通わせるたびに、はるとの日常は少しずつ色づいていく。 そして、残された妹・ひなのにも、ある“転機”が訪れようとしていた……。 ほっこり、のんびり、時々ドキドキ。 癒しと恋と成長の、異世界牧場スローライフ、始まります!

処理中です...