母ちゃんとオレ

ヨッシー

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母ちゃんと三度目のオレと二度目のユウトくん

15話

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翌日
学校に着くと、例のとりまきだった2人が下駄箱のところで待っていた

「あ、カオルくん…はいこれ…」
「ああ、ありがとうw…早速履くよ」
「うん!」

オレは新品の上履きを出して、履いてみた
大きなサイズを頼んだからブカブカだったけど、嬉しい

「カオルくん…あと、教科書と雑巾とか?」
「うん…そうだね」
「けど…教科書ってどこで買えるんだろ…」
「それな…先生に頼めば買えるかな」
「…先生かぁ…言いにくいな…怒られるもん」
「いや…それは逆に、先生に正直に言ってみ?」
「怒られないかな…」
「怒られるかもしれない…でもそれは、自分たちのした事が間違ってたからだよ…だけど、そこから逃げるのはさらに間違ってる…正直に自分の悪さを話してみ?…絶対に悪い事にはならないから」
「ほんと?…なんか…すごいねカオルくんて…」
「ね…」
「オレはね、悪い事は嫌いだけどね…それよりもっと嫌なのは、誠実でないことだよ」
「せいじつ?」
「なに?…それ」
「ああ…卑怯だったり、他人のせいにしたりとか…だましたり傷つけてなんにも思わないとか…」
「…ああ…そっか…」
「お前たちはアイツについたよね?」
「う、うん…」
「それはアイツが怖かったから?」
「…それもあるけど…仲良くしてたし…不良がちょっとカッコいいし…」
「お前も?」
「う、うん…」
「それでお前たちは、どうしてオレにつこうと思ったの?」
「カ、カオルくんが…その…」
「怖くなったから?」
「う…」
「アイツよりオレの方が強いと思ったから?」
「そ、そうかも…」
「そしたらオレがアイツより弱かったら、そのままイジメを続けてたな?」
「う、うん…ウル…ごめん…」
「そういうとこ…すげえカッコ悪い事だと思わない?…卑怯だってわからない?」
「うん…グス…」
「そんな自分は嫌じゃない?」
「うん…」
「そんな奴、友達ができると思う?…お前たちはそんな奴を友達にしたいと思う?」
「お…思わない…」
「そうだろ?…だったら怖くても戦えよ…カオルくんが怖いからカオルくんをイジメるのやめよう…じゃなくて、イジメをするのも、イジメをしてる自分もダサいからやめようって思わないとさ…」
「…うん…」
「ごめん…」
「オレと友達になりたいなら、戦う時に戦える奴になれよ…そしたらオレは一緒に戦ってやる」
「う、うん!」
「それが誠実さってやつだよ…オレはすぐにこの上履きを買ってきてくれたお前らを信じてやる…これからはオレを裏切るなよ…その時は本当に許さないからな」
「わかった…グス」
「オレ…がんばる」
「うんw…それでいい…じゃあ、先生に正直に話しに行きな?…先生は信用できる人だからさ…思ったより悪くならないから」
「うん…行こうぜ」
「うん」
「価値ある奴になれ」
「うん!」

2人は早速、職員室に向かって行った

そして、1時間目が終わると、またオレのとこに来た

「カオルくん…これ、教科書」
「え?…もう?」
「うんw…正直に話して謝ったら、先生がくれたんだ」
「そっかw…良かったねw」
「うん!…逃げないで良かった…ウル」
「でもさ…買って返す約束…守れてない」
「いいよそれはw…ちょっとはわかったんだろ?…誠実の良さが」
「うん…わかった!」
「ならいい」
「カオルくんかっけえ」
「ありがとw…で、オレは休み時間はこのノート書くの大切だからさ…悪いけど、話しかけるのは給食の時にして?w」
「うん…わかった!」
「でも今日はほんとに一緒にトイザらス行く?」
「ああ、いいよ…約束は守る」
「よーしw…じゃあまたあとでね!」
「うん」

「カオルくん…今の…」
「ああw…あの2人はアイツよりオレがいいんだってさw」
「イジメてたのに!」
「ムカつく?」
「ムカつく」
「あははw…ありがと…でもね、間違いとか悪い事がわかったらさ…許してやるのも大切だよ」
「カオルくん優しい…」
「それに、リクちゃんは優しいんだから、もうこれ以上はムカついたりはしないで?…オレは大丈夫だから」
「うん…」
「でもありがと」
「うん///」
「じゃあ…ごめん、ノート書くね…」
「うん…ごめんね邪魔して」
「ううんw…ありがと」

最近、イマイチ、ノートに集中できなくなってるけど、前ほどイライラはしなくなった
特にリクちゃんに話しかけられるのは全然だ
知らないうちにオレは、この女の子から勇気をもらっていたのかもしれない

給食の時間になると、とりまきくんたちは2人で給食を食べていて、イジメたアイツはハブられていた

ちょっとかわいそうに思うけど、オレは許す気はない

給食が終わると、オレはまた先生を屋上に連れ出した

「先生すいません…お話しがあって」
「うんうん…イジメの事?」
「そう…その前に、あの2人は先生に正直に話しましたか?」
「そう!…ビックリしたよw…自分からちゃんと『今までカオルくんをイジメていました…すいませんでした』ってさ…オレ感動しちゃったよ…カオルくんには悪いけど」
「いえw…悪くないですよw…じゃあもうオレはあの2人は許します」
「そうw…良かった…なんかホッとした…あの2人がオレのとこに来て、自分から罪を認めてるの見てたらさ…オレもあの子たちが好きになったから」
「それは良かったですw」
「そうさせたのはカオルくん…?」
「オレは先生を信じてたので、正直に言えと助言できました」
「また…ウル…そんな…」
「それでですね…」
「う、うん」
「オレは父さんに話を通したので…近いうちに父さんと弁護士と…アイツの親とか…関係者で面談の話が先生に来るはずです」
「うん…」
「それで…オレは先生には処罰がないようにしたいと思ってますが…」
「…いや、それは本当にいいよ…その気持ちで十分だよ」
「あ、いや…その時にオレが何も…所詮は子供のオレが先生を助ける事が出来なかったとしても」
「う、うん」
「…それで先生が先生でいられなくなった場合なんですけど」
「うん…覚悟はしてるよ」
「ありがとうございます…でも、その時はその…あまり確実とは言えないのですが、父さんの会社で働けるよう…父さんが動いてくれるって…約束してくれました…先生が良ければの話ですが…」
「カ、カオルくん…ジワ…そんな…」
「オレは…でも…先生がこの先もずっと、卒業するまで…たとえ担任でいられるのがこの学年だけだったとしても…先生はこの学校にいて欲しいです…」
「カオルくん…うう~…グス」
「本当にそう思ってます…それでもやっぱり現実に上手く行かなかったら…オレの父さんを頼りにしてください…」
「うん…ズズ…ありがとう…」
「いえ…オレはなんにも力になれてないですから…」
「そんな事ない!…全然そんな事ない…」
「その…だから…本当にこんな事生意気ですけど…希望を持っていてください」
「…うん!…わかった!…それにもしそうなったらさ…カオルくんの父さんと一緒の会社で働けたら…学校よりずっとカオルくんとの繋がりがあるねw…それもいいかも…なんちゃってw」
「あははw…そう考えるとオレも嬉しいかもw」
「あはははw…本当にありがとうね…カオルくん…君に会えて良かった」
「オレもそう思います…」

先生はオレに手を差し出してきた
オレは先生と握手をした
奇妙な友情がある

「先生…あと、ほら…あの2人はオレに上履きを買ってきてくれました…だけど、このスリッパは返さないとダメですか?」
「おお、良かったね!…スリッパは…いちおう学校の物だからなあ…欲しいの?」
「はい…先生の優しさがこれにはあるから」
「またそんな…」
「黙ってればバレないですかね?」
「うんw」
「じゃあ…もらいますねw…オレと先生の秘密です」
「うんw…わかったw」
「あ、あとこれ…」
「それ!…実はさっきからずっと気になってたけど…続き?」
「はいw」
「やった!…よっしゃw」
「嬉しいですw」
「いや~w嬉しいw」
「あはははw」
「これ今日持って帰ってもいい?」
「はいw」
「ありがとw」
「じゃあそろそろ戻りましょう」
「ああ、だねw…ほんと、どっちが大人だかw」
「あはははw」

そうして、この日の放課後は、先生は呼び出されていた

オレは2人と一緒にトイザらスに行った

めちゃくちゃ久しぶりに行く

前の時にベイブレードとかミニ四駆を買いに行った以来だ

しかし、ベイブレードはともかく、ミニ四駆は案外あんまり置いてないんだな…あそこ

でも、前の時よりベイブレードは何世代か古くて、それは興味深かった

2人は『教科書買えなかったから』…と言って、オレにベイブレードを一つずつ買ってくれた

それから、1人の方の家に行き、久しぶりにベイブレードで遊んだ

バーストしないやつだから、余計にスタミナやディフェンスが有利で、アタックタイプのオレはほぼ負けた

2人がアタックタイプはあんま強くないって言ってきたけど、オレは前の時の父さんの言った『回転が終わるまで待つのはセコい』というのを言うと、その2人もアタックタイプにして、『これからオレらでやる時はアタックかバランスだけな?』ってルールが出来上がったw
でも、2人は実際にアタックタイプだけで戦う楽しさがわかったようだったw
断然面白いのだ
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感想 2

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みんなの感想(2件)

花雨
2021.09.17 花雨

何か、人気のある小説より心にしみると言うか、分かりやすくて何とも言えない切なさ?とにかく好きです。下手に難しい言葉を使わないで個性が光る作品だと思いました。とても参考になりますm(_ _)m

2021.09.18 ヨッシー

ありがとうございます

この作品はあえてセリフの「」の前に名前をつけませんでした

母ちゃんや父さんもこんだけ出ているのに、名前すら出してません

それでも『わかりやすい』と言ってもらえたの嬉しいです///

解除
ひじき
2021.09.07 ひじき

いい話ですね!マイクロ=コール=オンライン読んでみてください。

解除

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