無能と言われた召喚士は実家から追放されたが、別の属性があるのでどうでもいいです

竹桜

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第六話 プレゼント

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 王都に来てから、1ヶ月が経った。

 私は1人で街を歩いている。

 エーカは歌姫としての仕事で、先輩は王宮で研究している。

 そして、街に来ているのは菓子を買う為だ。

 先輩が夕方に遊びに来るからだ。

 最近は2日に1回は遊びに来ている。

 なので、私は先輩が遊びに来ない日に魔物を狩って、金を稼いでいる。

 王立学園にいた時と違い、充実した毎日を過ごしているな。

 そんなことを考えながら歩いていると、後ろから声が掛かった。

 「そこのお方。歌姫のことを知っていますか?」

 私は後ろを振り向いた。

 「はい、知っていますよ」

 「そうですか。なら、公演チケットはどうですか?昼の公演ですので、直ぐですよ」

 エーカの公演。

 見に行くか。

 何気に観客側で見るのは2回目だな。

 オーディション以来だ。

 「では、1枚お願いします」

 「毎度」

 私は金を払い、チケットを受け取った。

 そのチケットを手に持ち、会場に向かった。

 受付でチケットを渡し、会場の中に入った。

 当日のチケットなので、席は後ろの方だった。

 席に座って待っていると、音楽が鳴り始めた。

 その音楽と共にエーカが入場してきた。

 入場してきたエーカは黄緑色のドレスに身を包んでいた。

 エーカがステージの真ん中まで来ると音楽が止んだ。

 そして、エーカは目を閉じ、胸の辺りで手を握っていた。

 歌い始めた。

 美しい歌を。

 時には音楽と合せて。

 エーカは1時間以上歌いきり、カーテシーした。

 すると、会場中から拍手が起こったのだ。

 中には席から立ち上がり、拍手をしている。

 やっぱり、エーカは歌が上手いな。

 そんなことを思いながら、拍手しながらエーカのことを見ていると、頭を上げたエーカと目があった。

 エーカは小さく手を振ってくれた。

 私は周りに気づかれないように小さく手を振り返した。

 その後、私は会場を出て、街に戻った。

 いつも買っている菓子屋に向かっていると、あるアクセサリー店が目についた。

 気になったので、その店の中に入ると、良さそうなアクセサリーを見つけた。

 緑色の宝石が埋め込まれたイヤリングと黒色の宝石が埋め込まれたイヤリングだった。

 エーカの瞳の色と先輩の瞳の色の宝石が埋め込まれているイヤリング。

 どちらもエーカと先輩に似合いそうだな。

 思い出した。

 確か、先輩の誕生日は少し前だった筈。

 王立学園にいた時は出会ってからは渡していた。

 何故か分らないが、王立学園を卒業したら、会うことが出来なかったから、誕生日プレゼントを渡せて無かった。

 だから、購入してプレゼントするか。

 私はその2つのネックレスを購入し、ラッピングして貰った。

 アクセサリー店を出た後は行きつけの菓子店でエーカと先輩が好きな菓子を購入し、宿に戻った。

 宿に戻り、準備していると、エーカが帰ってきた。

 「主。来るなら、連絡して。特別席を用意したのに」

 「急だったから。それに、久し振りに観客席で見たいと思って」

 エーカと話していると先輩がやってきた。
 
 それからは菓子と紅茶を飲みながら、会話を始めた。

 1時間ぐらい経った時に、私は2人に声を掛けた。

 「どうしたの?主」

 「どうしたんだ?後輩君」

 「2人にプレゼントと思って。先輩は遅めの誕生日プレゼントです」

 そう言い、私はラッピングされた2つの箱を出した。

 2人はラッピングされた箱を開け、箱の中から私が購入したイヤリングを出した。

 「ありがとう、後輩君。僕に誕生日プレゼントをくれるのは君だけだ」

 「そうなの?じゃあ、私も誕生日プレゼントを渡す」

 「いいのか?」

 「ん」

 「ありがとう、エーカ君」

 「気にしないで」

 エーカが先輩に誕生プレゼントを渡すのか。

 いい感じにエーカが成長してくれている。

 歌姫として活動していく中で。

 あの時、オーディションを許して本当に良かった。

 そんなことを思っていると、エーカが私の方を向いてきた。

 「主。ありがとう。私にもネックレスをプレゼントしてくれて。歌う時につける」

 「僕からも改めてありがとう。後輩君」

 「どういたしまして、エーカ、先輩」

 エーカと先輩が喜んでくれるなら良かった。

 
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