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第十話 制圧

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 ツキミの実家に到着する頃には既に日が落ちていた。

 移動の途中に俺がグリーンソルジャーを召喚できることを伝えた。

 そのことにツキミは驚いていた。

 その時にツキミは本家の者だということも聞いた。

 「偵察隊、偵察を開始しろ」

 緑色の霧で構成された偵察隊が現れた。

 偵察隊は歩兵や偵察ヘリやバイクやドローンなどで構成されている。

 情報は10分ぐらいで集まった。

 まず、ツキミの実家は和風の屋敷だった。

 ツキミには兄がいるのだが、どうやら地下室に囚われているようだ。

 まずはツキミの兄を助けるか。

 輸送ヘリを実家の近くに着陸させた。

 「特殊部隊、ツキミの兄を助けろ」

 すると、輸送ヘリの外に深緑色の霧で構成された特殊部隊が出来てきた。

 特殊部隊が屋敷に侵入してから10分が経った。

 報告は来なかったが、分かった。

 ツキミの兄を無事助けたことを。

 そのことを確信した俺はツキミの方を向いた。

 「ツキミ、お兄さんは、無事に助けられたよ」

 「良かった」

 ツキミは安心したような表情を浮かべていた。

 さて、後は屋敷にいるのは本家を裏切ったクソ野郎だけだ。

 だが、ツキミの実家を汚いクソ野郎で汚すわけには行かないな。

 なら、制圧するか。

 「歩兵隊、屋敷にいる獣人達を制圧しろ。ただしゴム弾を使用しろ」

 すると、ショットガンを装備した緑色の霧で構成された兵士達が現れた。

 歩兵隊は俺の指示に従い、ツキミの実家に攻撃を始めた。

 三手に分かれ、正面、裏口、東側の縁側から突入するようだ。

 正面と裏口はドアを蹴破り、ゴム弾が装填されているショットガンで制圧した。

 東側の縁側は襖を蹴破り、スタングレネードを投げ込んだ。

 数秒後にスタングレネードが投げ込まれた部屋は眩しい光に包まれた。

 光った後、歩兵隊は直ぐに突撃し、ゴム弾が装填されているショットガンで制圧した。

 制圧された獣人達は直ぐに結束バンドで手足を拘束し、猿轡を付けた。

 その後、部屋を1つ1つクリアリングを行いながら、制圧を始めた。

 偶に部屋に籠っている獣人もいたがドアを蹴破られ、制圧されていた。

 約1時間ぐらいでツキミの実家を完全制圧が完了した。

 ちなみに、特殊部隊は地下室でツキミの兄と元々の使用人達を護衛していた。

 「拘束した獣人は1つに集めろ。輸送ヘリにいる獣人もだ」

 歩兵隊と制圧隊は指示に従い、獣人達を1つに集め始めた。

 俺はツキミの手を取って、地下室に向かった。

 地下室に向かうと、特殊部隊が俺達に気付き、姿勢を正し、一斉に敬礼をした。

 「ご苦労」

 そう言いながら、俺は敬礼をした。

 そのやり取りにツキミも地下室にいる獣人達も驚いていた。

 ツキミは驚きながらも自分の兄を探した。

 自分の兄を見つけたツキミは「お兄様」と言いながら走って行った。

 「ツキミ、無事で良かった」

 そう言いながら、ツキミの兄はツキミを抱きしめた。
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