異世界から帰還したが、元の世界もファンタジーでした

竹桜

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第六話 外国に

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 由奈は1時間ぐらい泣き続けた。

 目は少し腫れてしまっていた。

 俺は由奈の涙を拭き、今後の予定を伝えた。

 俺達は今から電車で空港近くの街に移動し、外国に行く準備を揃える。

 それが終わったら、この国から出よう。

 由奈は俺の提案に乗ってくれた。

 今の国は信用することが出来ない。

 なら、外国に行くだけだ。

 俺達は電車に乗って、空港近くの街に移動した。

 まずは海外旅行用のスーツケースを購入した。

 次は服を購入した。

 下着や普段着などを購入した。

 最後は他に必要な物を購入した。

 購入した物を全て、スーツケースや手荷物に詰めた。

 よし、これで外国に行くことができる。

 結構時間が経ったので、お腹が空いてしまった。

 そう言えば、昨日から何も食べてなかったな。

 「由奈、何か少し食べるか。何を食べたい?」

 「うーん。あ、うどんが食べたいかも。外国に行ったら、殆ど食べられなくなるから」

 うどんか。

 良いな。

 俺は由奈と一緒にうどん屋に向かった。

 俺は野菜のかき揚げを乗せたうどんを、由奈はキツネうどんを頼んでいた。

 俺達はうどんを美味しく食べ終えた。

 俺は食後のお茶を飲みながら、由奈の方を向いた。

 「そう言えば、由奈は何処の国に行きたいとかある?」

 「行きたい国?うーん。あ、イギリスに行ってみたいかな。昔から、機会があればイギリスには旅行に行きたいと思っていたんだ」

 「俺は特に行きたい国とか無いから、イギリスにするか」
  
 「やった」

 由奈は嬉しそうな表情を浮かべた。

 俺は会計を済ませて、うどん屋を出た。

 その後は電車に乗って、空港に向かった。

 空港でイギリス行きの飛行機を取ることにした。

 ちょうど良い時間に飛行機があったので、そのチケットを2枚取った。

 チケットを取ったら、日本円をポンドに変えた。

 その後、手荷物を預け、保安検査を受け、出国審査を受けてから搭乗ゲートに向かった。

 途中の売店で、飲み物なども購入した。

 飛行機の出発時刻が近付き、俺達は飛行機に乗り込んだ。

 窓側の席は由奈に座って貰い、通路側の席には俺が座った。

 「僕、海外に行くなんて初めだよ。しかもその初めてが朋也と一緒なんて嬉しいよ」

 由奈は嬉しそうな表情を浮かべた。

 「ああ、俺もそう思うよ。由奈、1年ぐらい海外でゆっくり過ごそう。そうすれば、いつも通り、家に帰ることができるよ」

 「うん、家に帰ったら、お父さんとお母さんと妹に自慢するから、いっぱいお土産話作ろうね」

 由奈は嬉しそうな笑顔を浮かべていた。

 その笑顔は逃げるために海外に行く者のものではなかった。

 海外を純粋に楽しみにしている少女の笑顔だった。



 
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