異世界から帰還したが、元の世界もファンタジーでした

竹桜

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第九話 1日だけ

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 話が纏まったので、俺達は白衣の少女を連れ、ホテルに戻った。

 部屋に戻る時に、気が付いた。

 少女の名前を知らないことに。

 部屋に戻ったら、聞いてみるか。

 「そう言えば、貴方達って、どんな関係なの?」

 「俺達は幼馴染だ」

 少女は納得したような表情を浮かべた。

 「そんなのね。だから、そんなに仲がいいのね」

 そんなことを話していると、部屋に着いた。

 「うん?もしかしてだけど、部屋は1つなの?」

 「うん、そうだよ」

 「ち、ちょっと、貴方。いくら幼馴染だと言っても同じ部屋は」

 少女は由奈の肩を掴んでいた。

 「うん?大丈夫だよ。朋也のことは信頼しているから」

 「貴方達、これで付き合って無いのが、考えられないわ」
 
 少女は呟いていた。

 「少し良いか?」

 「ええ、良いわよ」

 「ありがとう。そろそろ、自己紹介をしたいと思って。俺は檜山 朋也。年は17歳だ」

 俺は由奈の方をみた。

 「僕は永山 由奈。年は朋也と同い年だよ」

 「私はエリー・リッブク。年は16歳だわ。一応、飛び級した大学で研究者をしていたわ。1日だけだけどよろしく、檜山さん、永山さん」

 「エリー、僕達のことは呼び捨てでも良いよ。そこまで、離れてないから。それに、名前で呼んでくれた方が嬉しいし」

 由奈は少し嬉しそうな表情を浮かべ、エリーの手を握った。

 「そ、そう。なら、名前で呼ばさせてもらうわ」
 
 エリーは少し驚いた表情を浮かべていた。

 白衣は少し目立つので、由奈に服を貸して貰って、エリーは着替えていた。

 まぁ、着替える時に少しだけ俺のことを警戒していたが。

 俺は水や軽食を買うために、1回ホテルを出た。

 近くの店で水と軽食を購入した。

 俺は部屋に向かって歩き始めた。

 エリーは元研究者だったと言っていたな。

 そして、自分でこの世に生み出したと言っていた。

 と言うことはあのアタッシュケースの中に入っているのは自分で作った薬品、もしくは何かしらの生物だろう。

 どちらもこの世には存在していなかった物の筈。

 まぁ、アタッシュケースは開けてないから、薬品の方だと思うが。

 そんなことを考えていたら、部屋に着いた。

 夕食はルームサビースで頼んだ。

 3人分を。

 3人で夕食を食べた。

 夕食を食べ終わったら、エリー、由奈の順番で、シャワーを浴びて貰った。

 2人がシャワーを浴びてから、俺がシャワーを浴びた。

 シャワーを浴びて部屋に戻ると、由奈とエリーは紅茶を飲みながら、楽しそうに会話を交わしていた。

 仲良くなったようだ。

 良い事とは言えないが、それでも由奈が楽しそうにしているなら、いいか。

 俺は本当に由奈には甘いな。

 厄介ごとの中心にいる元研究者のエリーを1日だけとはいえ匿っている。

 普通に考えれば、関わらないというのに。

 
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