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第四話 夜の密会

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 魔法学院の案内を大体終えると、解散することなった。

 レミアは、第1王女に、頭を下げ、お礼を言っていた。

 第1王女と別れたレミアは、自室に戻り、夕食を食べ、お風呂に入っていた。

 俺は、お風呂と着替えを覗かないように、護衛している。

 これは、大司教様との条件でもあるしな。

 まぁ、俺自身もレミアのことを覗くことなんて、したくないからな。

 お風呂を出たレミアは、外の護衛達に、今日は、もう部屋を出ないことを伝え、自室に戻った。

 護衛達は、2人は、休憩に行き、もう2人は、レミアの自室のドアの前で、護衛している。

 レミアは、紅茶と茶菓子を机の上に準備した。

 「ラルク、来て」と言い、レミアは、壁に向かって、微笑んだ。

 俺は、その壁から姿を現し、頭に巻いている布を取って、椅子に座った。

 俺は、その時に、影を薄く張り、外に声が漏れないようにした。

 レミアは、「ラルク、私の護衛、お疲れ様」

 俺は、「俺は、レミアの護衛だから、気にしないでくれ」

 レミアは、嬉しそうな表情を浮かべて、「ラルクが、私の護衛で、良かった」

 「あ、そうだ。忘れてた。これを起動しないと」と言い、レミアは、時計型の魔法具を起動させた。

 あの魔法具は、設定した時間になると、アーラムが鳴り、時間を報せるものだ。

 「お父様は、何で、時間を制限するんだろう?」と、レミアが、聞いて来た。

 「それは、レミアと2人きりの時間をあまり長くさせたくないからだよ」と、答えた。

 「私は、ラルクと、もっと一緒に居たいのに」と言い、レミアは、リスみたいに頬を膨らませた。

 俺は、「まぁ、大司教様の過保護は、今に始まったことでは無いから、仕方ないよ」

 その後は、紅茶を飲みながら、レミアと話をした。

 ある程度、話した時に、アーラムが鳴った。

 アーラムが鳴った時、レミアは、残念そうな表情を浮かべていた。

 俺は、黒い布を頭に巻き、椅子から立ち上がった。

 レミアは、立ち上がった俺に近付き、「おやすみ、ラルク」

 俺は、「おやすみ、レミア」

 俺は、そのまま、影の中に入った。

 俺が去った後、レミアは、寝る準備を始めた。

 10分ぐらいで、終わり、ベッドの中に入った。

 ベッドの中に入ってから、30分ぐらいで、レミアの可愛らしい寝息が聞こえて来た。

 俺は、レミアが完全に寝たことを確認した後、ある影を作り出した。

 その影に、レミアの護衛をさせた。

 俺の影は、日が出てない時は、強化され、俺と同等ぐらいの強さになる。

 その代わり、日が出ているときは、弱体化し、ゴブリンぐらいの強さしか無い。

 俺は、影移動を使い、ある場所に移動した。

 そこは、大司教様の部屋だ。

 大司教様が、「報告を」

 俺は、今日、あったことを全て報告した。

 大司教様は、小さく、「そうか」

 「大司教様、これを」と言い、レミアの手紙を手渡した。

 その手紙を見た大司教様は、明らかに嬉しそうな表情を浮かべていた。

 その手紙を受け取り、「ご苦労。レミアの護衛に戻れ、ラルクよ」

 俺は、頭を下げ、レミアの護衛に戻るため、影移動を使った。

 レミアの護衛は、影に任せ、俺は、近くの家に向かった。

 その家は、俺が金で買った家だ。

 まぁ、寝るときしか、使わないけど。

 それでも、家の中は、綺麗にしている。

 最悪の場合は、ここが、レミアの避難場所になるからな。

 俺は、簡単に掃除をしてから、ベッドの中に入り、寝た。
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