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第二十八話 罪人達の処罰

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 僕は、処罰するべき人間が全員集まったことを確認した僕は、「皆さん、お久しぶりですね」と、声を掛けた。

 下にいる罪人達は、暴言を僕に向けて言ってきた。だが、何処と無く心が疲弊している感じがあった。

 「皆さん、どうやらお疲れのようですね。まぁ、それはそうでしょう。悪夢を見続けというのは、精神的苦痛が大きいですから。どうでしたか?私が、絶望の悪夢という魔法で、見せ続けた悪夢は?」と、聞いた。

 僕の言葉を聞いた罪人達は、恐怖の表情を浮かべた。

 「あ、そうだ。実は、貴方方にプレゼントがございまして。これで、ございます」と言い、禍々しい大きい角を取り出した。

 その角を見たヤダラ教の信者達は、驚きと怒りの感情を合わせた表情を浮かべた。

 「き、貴様、何故、ヤダラ様の角を持っている?」と、聞いてきた。

 「うん?ああ、安心してくれ下さい、この角は、貴女方の教会から取った物ではございませんよ」と、答えた。

 「じゃあ、そのヤダラ様の角は、なんなんだ?」と、聞いてきた。

 「この角は、君達が崇めていた邪神ヤダラを倒した時に出た物ですよ」と、答えた。

 「そ、そんな、バカなことがあるか。ヤダラ様が、貴様如きに負けるはずない」と、喚いていた。

 僕は、「そうでもないですよ。なんか、随分しっかりとした儀式をしていたようですけど、邪神ヤダラは、僕の深き闇で、存在ごと包まって頂きました。あ、角を残したのは、貴方方にこのことを信用して頂く為ですよ」

 その言葉を聞いた罪人達は、絶望の表情を浮かべた。

 本当に、邪神ヤダラが倒されたことを理解したからだ。

 「そうそう、背信者の方々、何故、悪夢が8年なのか分かりますか?」と、聞いた。

 声を掛けられた背信者達は、先程のことで頭が一杯だった。自身の命を永遠にして貰えないからだ。

 僕は、「貴方方が、ミレイネを苦しめた期間が、8年だからですよ」

 僕は、そのまま話を続け、「あ、そうだ、貴方方にここに集まって貰ったのは、私からの罰を受けて貰う為です」

 その言葉を聞いた罪人達は、体にも顔にも絶望を浮かべた。

 僕は、「私からの罰は、私の魔法の深き闇の中で過ごして貰うことです。背信者の方々は、8年間しっかりと苦しんで貰います。ヤダラ教の信者の方々は、ヤダラ教を辞めるというまで、苦しんで貰います」

 その言葉を聞いた背信者達は、僕に懇願する声を出した。中には、涙を流しながら懇願する者も居た。

 ヤダラ教の信者達は、自身の信仰が変わるわけないと思っていた。

 「では、皆様、地獄が、生温いと思えるほどの苦しみに苦しんでください。自身から殺してくれと懇願するような体験になりますよ」と言い、僕は、深き闇を唱え、罪人達を包み込んだ。

 
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