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第一話 出会い
しおりを挟むザァーザァーと雨が教会に降り注いでいる。
黒いフードを被った男が、「俺は、闇の中を生きてきた人間だ。まともな生き方なんて、出来るはずがない」
聖女は、「そんな事はありません。人には誰にでも幸せになる権利があります。だから、まともな生き方が出来ないなんて言わないで下さい」
男は、悲しげな表情を浮かべ、「俺は、幼い頃から人間の闇や欲望を間近に見てきた。人間という存在が信じられなくなってしまったんだ」
聖女は男の手を取り、目には涙を溜めながら、「それは、確かに人というのは、弱い生き物です。だからこそ、手と手を取り合って助け合って生きていくのです」
しばらく、教会の中に静寂が続いた。
聖女は、静寂を破り、微笑みを浮かべながら、「でしたら、私からあなたに依頼をします。その依頼内容は、私の手を取って光が当たる場所に一緒に行きましょう」
男は、驚きの表情を浮かべた後に、少しハハと笑いこう返した。「依頼を受けるのはいいんだが、依頼の報酬はどうするんだ?」と、聖女に尋ねた。
聖女は困った顔して、「えーと、どうしましょうまったく考えていませんでした。少し待ってください今考えるので」その後もうーんうーんと悩み続けた。
その様子を見て、男は笑った、大きく笑った。その様子を見て聖女は、「私何か変なことしましたか?」男に問いかけた。
男は、穏やかな表情を浮かべながら、「いやいや、君の悩んでる姿を見て、こんな俺の為に必死になって悩んでくれることが嬉しく、つい笑ってしまった。そうだな、依頼の報酬に関しては、後払いで構わないよ」
聖女は、その返答を聞いて、嬉しそうな表情を浮かべ、握っていた手を引きながら教会の出口に向かいながら男に問いを投げかけた。
「そういえば、あなたのお名前はなんて言うんですか?」
「俺の名前は、ベリスだ。君の名前はなんて言うんだ?」と問いに答え、聖女に問いを投げかけた。
「私の名前は、ナツミと言います。ベリスさんこれからよろしくお願いしますね」と問いに答えた。
話しているうちに教会の出口についてしまった。そして、聖女はドアノブに触り、ドアを開けた。先程まで、降っていた雨はもう止んでいた。そして、雲の間から抜けてくるに光を背にして、男の方へと向いた。
聖女は、男に向かって、「ベリスさん、これから幸せだと思えるように私頑張りますから、期待していてくださいね」と、聖女はこの世のものと思えないほどの美しい笑顔浮かべた。
「ハハ、これからよろしくな」と、笑い慣れてない顔で、笑顔を作った。
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