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父と僕
204.鉄紺_TETSUKON
しおりを挟む父の村にも出動令が来た。
戦争に行ったら数年帰ってくる保証がないのは当たり前だった。
数で戦うというより、少ない人数でいかに長く粘れるか、という方針によるものだ。
まあ、生きて帰った例はいまだ聞いたことがなかったらしいけどね。
村では話し合いが行われた。
10人の不透明人間か2人の半透明人間か。
当然少ない方がいいということで、半透明人間の若者から選ぶことが決まった。
父はまだ10代前半だったから今回の出動を免れたそう。
結局話し合いの主席者によって、独断で決められた。
そして反論が出ないよう、一家全員が半透明人間である家族から2人選ばれたという。
いつ終わるかわからない戦争と、
いつ見つかるかわからない透明犯行の犯人。
人々はだんだん分断されていった。
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