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彼らと僕
404.月白_GEPPAKU
しおりを挟むあの手紙は揺さぶりなのか、
それともいたぶっているだけなのか。
動ける僕はともかく、
こんな明かりが消えない都会から
床に伏せている父はどう逃げれようか。
いや、逃げたところで行き先なんてない。
またじいちゃんのところに戻っても、
あそこは以前より見回りが強化されているから危険らしい。
幼馴染の彼は無事見つかっていないらしいが、
復興が遅れているあの村では、今でも食料が配布制で管理されている。
彼の分はじいちゃんが半分分けてるからぎりぎり誤魔化せているらしいが、
僕と父の分まで捻り出すのは厳しい。
だから都会へ逃げてきたというのに…。
とりあえず、
じいちゃんに例の手紙について筆を走らせた。
弟か母が帰ってきたら、速達便で出してもらおう。
じいちゃんなら、
きっと何かいい方法を見つけてくれるに違いない。
そんな藁にもすがる思いで命を繋ぎ止めようとする自分に少し驚いた。
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