半透明人間

あかさたな!

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彼らと僕

405.深緋_KOKIHI

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父の部屋へ行ってみたが、
どこかを虚を見つめたまま、
まるで俺が存在してないかのように息をしていた。


先に帰ってきた母に手紙を見せ、
じいちゃんへの手紙を託した。
母は相変わらず強く、
冷静に必要な行動をとった。

そして弟が帰宅する頃には
僕と母がテーブルに座って深刻そうな顔をしていたので、
何かを察したらしく、
いつもの明るい声を消し去り、
「どうしたの」
と静かな第一声を発するにとどめた。


突然の終焉符。
仮初めの形で成り立っていた生活。
いつまでも世間から逃げ続けることはできそうになかった。
世界はあまりにも残酷で、冷たい。

自分たちさえ良ければ他人までに思いを馳せれる人は果たして何人いるだろうか。

自分の地位や安全を捨ててまで、
誰かを守れるほど、強くて勇敢な人はいるのだろうか。


必要なのは守りたい強さじゃない。
それじゃあただの道連れ。

この世界に抗える強さがないと、
それは何の爪痕も残さずに塵になるだけだ。








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