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僕と世界
603. 朱殷_SHUAN
しおりを挟む軍の総帥とあの包帯男が写っていた。
何かの話し合いの場だったのか、綺麗な調停品がたくさんある部屋を背景に
たくさんのカメラの前で包帯男は屈強な軍人達に羽交い締めにされ、
あの包帯を取られたのだ。
そして総帥は言った。
「浄化場の処刑人も半透明人間だ」
火傷でほぼ分からないが、まだらに半透明に透けてる赤黒い皮膚が見える。
「もう、この不毛な虐殺をそれでも見過ごし続けますか」
あの男も僕と同じ半透明人間だった。
それなのになんで、
なんであの日…
「にいちゃん…」
意識の遠くで弟に呼ばれた気がする。
それでもやはり半透明人間は欠陥品のようで、
感情を隠すのなんてできなくて。
僕もあの男と同じ色をしていたんだ。
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