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アナザーストーリー・後日談等
、あの時(αサイド)
しおりを挟むひーくん、
橘 ひかるは俺の幼馴染だった。
覚えていない頃から一緒で、
でも少し物心ついた頃には少し意地悪になってて、
それでもそんな彼のことが大好きだった。
意地悪されて、泣かされても
次の日は彼と遊びたくなる。
そんな力関係は中学に上がるまで続いてたと思う。
オメガバース講習の時、みんなの予想通り、僕とひーくんだけだった。
自分は3年間ともαってでていたし、
家族にもたしかにそうじゃないかと言われていて、少しがらにもなく嬉しかった。
これから強くなって、ひーくんと肩を並べられるようになるかなと少し浮かれていた。
だからひーくんに結果を聞かれた時は、素直に伝えた。
それなのに、ひーくんはその答えを気に入らなかったらしく、
それから少しそっけなくされて、避けらられることが増えた。
ちょうどその時期が受験の勉強に集中する時期と被ったから、
なんとなく、彼には触れてはいけない気がして、心が痛んだ。
「橘、Ωだったらしいよ」
そんな時、そんな根も葉もない噂を耳にした。
たしかに、ひーくんも僕もあの講習受けたけど、まさか…まさかね?
そんな疑念が上がるも、泣いてばかりで負けてばかりだった自分がαだったんだ。
意外とあり得なくはない可能性に感じ始めた。
それから、なんとなくひーくんを観察したら、
長期休みの時とか塾を1週間くらい休むことが時々あることに気づいた。
休み明けに大丈夫かと聞いても、「ああ」の2文字で話を終わらせるばかりだった。
◇◇◇◇
やはり卒業まで、同じクラスにいるのに、まるで腫れ物のようにひーくんは僕のことを避けているようだった。
だから入学式の時、彼の姿を見た時少し浮かれたんだ。
「ひーくんもここなの!おめでとう!」
Ωは進学が難しいと言われてるし、ひーくんがΩでもそうじゃなくても、
この県のトップ3には入る俺と同じところに受かったのは喜ぶべきことじゃないかな!
「ああ、陽平もおめでとう!」
久しぶりにひーくん心からの笑顔を見た気がする。
彼は何かに安堵しているようで、少しおもちゃを取り上げられた子供みたいに泣きそうにも見えた。
「あー、クラス違うだね」
彼と久しぶりの会話はあっけなく終わってしまった。
でも彼の悩みの原因に気づくのに、そんなに時間はかからなかった。
4月の終わり頃、廊下でひーくんとすれ違った時わずかなΩのフェロモンを感じた。
でもひーくんも1人で歩いてたわけじゃかったから確証は持てなかった。
ゴールデンウィーク明けも、彼は相変わらず毎日学校に来てたし、
でもなんか少しあの匂いが落ち着いた気がした。
夏休みに入る前には、なんか柄の悪い生徒と怒鳴り合ってたり、
イラついて何かに当たっている姿を見かけることが多くなった。
元々少し乱暴な質ではあったけど、
なんか少し自暴自棄になっているようにも見えた。
それでも、僕なんかが下手に声をかけたら、彼の心をもっと刺激してしまいそうで、動けないでいた。
お正月、彼の家の近くの神社にお参りに行った帰りにたまたまひーくんを見かけた。
近づくにつれ、心地いい、そしてオスの本能を刺激するような匂いが強くなってくる。
やっぱり…。
ひーくんがもしΩなら、僕の番にして一生大事にできるのに。
そんな希望に僕の心は少し晴れた。
結局あの時は声をかけれず、
そのままずるずると彼を見守っている。
下手に近づくと、ツンツンと反抗されてしまうし。
それなのに、夏休みのまだまだ明るい夕暮れに旧校舎に行った時、
体が勝手に動き出したのかもしれない。
最近時々嗅ぎ慣れた、ひーくんのフェロモン。
いつもだだ流しだけど、
ここらへんでαは僕か番がいる人ばっかりだからあんまり心配しないようにしてたんだ。
それでもいつもより濃いその匂いに体は反応した。
そして夢中で探した先に見つけたのは旧図書室で泣いている彼だった。
いつもは冷静でコントロールして行動してるはずなのに、αの本能が暴走して、自分でも止められないくらいだった。
ドアを壊し、先輩たちとひーくんまで威圧して、感情のままに暴走した。
2人っきりになった旧図書館でひーくんの無事を確かめて安堵した。
彼の頸も彼の初めても守られていた。
それでも、あと少しで、彼がもっと悲しい思いをしていたのかもしれないと思ったら、
全てがどうでも良くなって、
彼の笑顔をただ守りたくなったんだ。
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