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●10月_副会長の憂鬱
しおりを挟むここ最近ヒートが近いからか、
甘々な湊さんが増えた気がする。
勉強会の後、お菓子食べて少し休憩しませんかと誘うと僕のお誘いを断ることも減った。
「海斗ぉ…この前のして」
とキスを頼まれるまで時間はかからなかった。
軽い口づけと少し舌を絡ませる甘い口づけを交互にする。
これは医療行為。これは医療行為。そう自分に言い聞かせて、その先に行かないように踏みとどまる。
たぶん踏んでしまったら、もう湊さんからキスのおねだりはなくなってしまうのが怖いから。
キスで僕のフェロモンをたっぷり与えてるからか、だんだん湊さんの目がとろんとして、心が落ち着いたような表情をする。
そう、ご主人様に全ての身を預けてるような、安心しきった態度になる。
そしてほぼ無意識に僕のタオルやパジャマとかを時々持ち帰ろうとするから、すかさずそれは止める。
布切れで満足されては、僕の楽しみが減ってしまうから。
「ヒートが来そうだと思ったら、ちゃんと僕に教えてくださいね」
そう釘を刺すと
「…うん、わかった」
湊さんが嘘をつく時の特有の間合いで返された。
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