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web版設定第二章
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部屋の中は異様な空気に包まれていた。
テーブルとソファーが置かれた部屋に何人か白い服を着た人達がいて、司教様が入って行った途端一斉に話しかけていた。どれもどこ行っていたんだ、的な事だ。
でもすぐに抱えられているおれと巨大な花束に動揺が走る。
誰も予想していなかった存在にざわざわしていたが、1人の勇気ある男の人が声を出した。
「司教様…その子供はどうされたのですか?」
「拾いました」
場が凍り付いた。
そこにいた司教様以外、全ての人間が思った。
そんな訳無いと。
またざわざわし出す。
もしかしたらこの変人はいつもこうなんだろうか。
だとしたらここにおれを助けてくれる人はいないのかもしれない。
だってみんな口々に「イグニス様を待とう」って言ってる。
多分おれを助けてくれそうなのは“イグニス様”なんだろう。そしてその人は今居ないみたい。
…詰んだ。
「貴方、花を元気にして頂けませんか」
「う…かしこまりました…」
唯一話しかけてきた男の人に花束を渡して司教様がソファーに座る。
…抱えられていたおれはなぜか当然の様に膝に座らされた。しかも向き合う形で…。
「これで花は元気になりますよ。僕達はお茶にしましょう。クッキーはお好きですか?」
「あの…取り敢えず降ろして…」
「はい、あーん」
「いやだから、降ろして…むぐぅ…っ!?」
こいつ無理矢理突っ込んできやがった…っ!
「美味しいですか?」
いきなり突っ込まれて上手く噛めずに咽せる。
「ん”…っぐぅ、ごほ…っごほ…っ」
「ああ、いけません。紅茶です。ゆっくり飲んで下さい」
「んんぅ…っんく、ん”っん”~~ぅっ!!」
あ、熱いーっ!
まるで淹れたばかりの様な熱さに悶える。
口のものをすぐにでも出したい衝動に駆られたが、いくら変人といっても他人の膝の上だ。ここでぶちまける訳にはいかない。
生理的な涙が滲みながらも必死で口元を押さえて耐える。
何なんだよこの人ーっ!
「おや熱かったですか、すみません。お水ですよ」
目の前に差し出された水の入ったコップを奪い取るようにして飲む。
冷たい水が口の中を冷やしていく。ついでに水分でふやけたクッキーを何とか飲み込んだ。
「んぐ、ふぅ…っはっ、あ、はー…はー…」
たかだかクッキーひとつで大惨事だ。
「食べカス付いてます」
こっちが必死に息を整えているってのに、呑気に口の端を指で拭われてそのままパクリとされる。
「なにすんだいきなり…っ!危ないだろ!」
「すみません。ついうっかり」
「嘘だ!絶対わざとだった!」
「心外ですね。わざとなわけ無いじゃないですか。あ、もう一枚食べます?」
キーッ!!むかつくーっ!!
にこにこ楽しそうにしやがって…っ!
今だって口も閉じて顔も避けてるのにぐいぐいクッキーを押し付けてくる。
これがわざとじゃ無いって無理じゃね!?
そんなおれ達を周りの人達がハラハラ見ているが誰も止めてくれない。
分かるよ。この人怖いもんね。でも助けて。
「ふふっ、楽しいですね」
ムキーッ!!お前だけだよ!
早く来てくれ“イグニス様”ぁ…っ!!
「おいコラくそ司教ーっ!!」
ばんっ!!と乱暴に扉が開いて現れたのは…、
「兄貴ぃ…っ!!と…カール様ぁ!?」
鬼の形相をした兄貴の後ろになぜかカール様がいて嬉しくなる。
知り合いだ!早く、早くあそこに…っ!カール様のところで安心したい…っ!!
思わず身を乗り出して手を伸ばす。天の助けだー!!
「セシル、マシロ君を放しなさい」
「カール様ぁーっ!助けてーっ!!」
「えぇ?カールの知り合いですか?」
「保護者だ馬鹿。さっさと返してやれ」
「えー、でも拾ったのは僕ですよ?」
頬を膨らませて抱きついてくる変人。だから拾われて無いってば!
「休んでただけです…っ」
「…今すぐマシロ君を離さないとこの部屋が海になるよ」
カール様の目が完全に座ってる。本気だ。
「それは困りますね。では、半分頂けませんか?拾った者の特権で」
「出来る訳ねぇだろ!なんだ半分って…っ。駄々こねてねぇでさっさと返してやれって、この保護者本気だぞ」
自主的に解放される見込みがないからか、兄貴がこっちに近づいてくる。
引き離そうとしてくれるみたいだ。
兄貴ぃーっ!!
「…仕方ないですね。では、今はこれで妥協します」
「へぁ…?ゔぅ~~っ!!??」
「テメェ…っ!やりやがったな…っ!」
急いで兄貴が引き剥がしてくれたけど…。
…今、ちゅーした、この人…。おれ、ちゅーされた…。
「ショックを受けてる顔も可愛いですね」
「おま…っ、流石に犯罪だぞ…っ!」
ショックでボー然としている後ろから静かな声が聞こえた。
「…アクアランス」
瞬間顔のすぐ横を何かが通り過ぎて目の前で弾けた。
おれと兄貴がびしょびしょになる。
なんで?
「危ないでしょ。当たったらどうするんですか」
「チッ、次は貫通させる」
どうやらカール様が魔法で攻撃して、変人が何かで防いだらしい。
バチバチになってるところ悪いんだけどさ…。
「へっきゅす…っ!」
「お前ら…っ、いい加減にしろぉぉ!!」
兄貴の怒号で城が揺れた。かもしれない。
テーブルとソファーが置かれた部屋に何人か白い服を着た人達がいて、司教様が入って行った途端一斉に話しかけていた。どれもどこ行っていたんだ、的な事だ。
でもすぐに抱えられているおれと巨大な花束に動揺が走る。
誰も予想していなかった存在にざわざわしていたが、1人の勇気ある男の人が声を出した。
「司教様…その子供はどうされたのですか?」
「拾いました」
場が凍り付いた。
そこにいた司教様以外、全ての人間が思った。
そんな訳無いと。
またざわざわし出す。
もしかしたらこの変人はいつもこうなんだろうか。
だとしたらここにおれを助けてくれる人はいないのかもしれない。
だってみんな口々に「イグニス様を待とう」って言ってる。
多分おれを助けてくれそうなのは“イグニス様”なんだろう。そしてその人は今居ないみたい。
…詰んだ。
「貴方、花を元気にして頂けませんか」
「う…かしこまりました…」
唯一話しかけてきた男の人に花束を渡して司教様がソファーに座る。
…抱えられていたおれはなぜか当然の様に膝に座らされた。しかも向き合う形で…。
「これで花は元気になりますよ。僕達はお茶にしましょう。クッキーはお好きですか?」
「あの…取り敢えず降ろして…」
「はい、あーん」
「いやだから、降ろして…むぐぅ…っ!?」
こいつ無理矢理突っ込んできやがった…っ!
「美味しいですか?」
いきなり突っ込まれて上手く噛めずに咽せる。
「ん”…っぐぅ、ごほ…っごほ…っ」
「ああ、いけません。紅茶です。ゆっくり飲んで下さい」
「んんぅ…っんく、ん”っん”~~ぅっ!!」
あ、熱いーっ!
まるで淹れたばかりの様な熱さに悶える。
口のものをすぐにでも出したい衝動に駆られたが、いくら変人といっても他人の膝の上だ。ここでぶちまける訳にはいかない。
生理的な涙が滲みながらも必死で口元を押さえて耐える。
何なんだよこの人ーっ!
「おや熱かったですか、すみません。お水ですよ」
目の前に差し出された水の入ったコップを奪い取るようにして飲む。
冷たい水が口の中を冷やしていく。ついでに水分でふやけたクッキーを何とか飲み込んだ。
「んぐ、ふぅ…っはっ、あ、はー…はー…」
たかだかクッキーひとつで大惨事だ。
「食べカス付いてます」
こっちが必死に息を整えているってのに、呑気に口の端を指で拭われてそのままパクリとされる。
「なにすんだいきなり…っ!危ないだろ!」
「すみません。ついうっかり」
「嘘だ!絶対わざとだった!」
「心外ですね。わざとなわけ無いじゃないですか。あ、もう一枚食べます?」
キーッ!!むかつくーっ!!
にこにこ楽しそうにしやがって…っ!
今だって口も閉じて顔も避けてるのにぐいぐいクッキーを押し付けてくる。
これがわざとじゃ無いって無理じゃね!?
そんなおれ達を周りの人達がハラハラ見ているが誰も止めてくれない。
分かるよ。この人怖いもんね。でも助けて。
「ふふっ、楽しいですね」
ムキーッ!!お前だけだよ!
早く来てくれ“イグニス様”ぁ…っ!!
「おいコラくそ司教ーっ!!」
ばんっ!!と乱暴に扉が開いて現れたのは…、
「兄貴ぃ…っ!!と…カール様ぁ!?」
鬼の形相をした兄貴の後ろになぜかカール様がいて嬉しくなる。
知り合いだ!早く、早くあそこに…っ!カール様のところで安心したい…っ!!
思わず身を乗り出して手を伸ばす。天の助けだー!!
「セシル、マシロ君を放しなさい」
「カール様ぁーっ!助けてーっ!!」
「えぇ?カールの知り合いですか?」
「保護者だ馬鹿。さっさと返してやれ」
「えー、でも拾ったのは僕ですよ?」
頬を膨らませて抱きついてくる変人。だから拾われて無いってば!
「休んでただけです…っ」
「…今すぐマシロ君を離さないとこの部屋が海になるよ」
カール様の目が完全に座ってる。本気だ。
「それは困りますね。では、半分頂けませんか?拾った者の特権で」
「出来る訳ねぇだろ!なんだ半分って…っ。駄々こねてねぇでさっさと返してやれって、この保護者本気だぞ」
自主的に解放される見込みがないからか、兄貴がこっちに近づいてくる。
引き離そうとしてくれるみたいだ。
兄貴ぃーっ!!
「…仕方ないですね。では、今はこれで妥協します」
「へぁ…?ゔぅ~~っ!!??」
「テメェ…っ!やりやがったな…っ!」
急いで兄貴が引き剥がしてくれたけど…。
…今、ちゅーした、この人…。おれ、ちゅーされた…。
「ショックを受けてる顔も可愛いですね」
「おま…っ、流石に犯罪だぞ…っ!」
ショックでボー然としている後ろから静かな声が聞こえた。
「…アクアランス」
瞬間顔のすぐ横を何かが通り過ぎて目の前で弾けた。
おれと兄貴がびしょびしょになる。
なんで?
「危ないでしょ。当たったらどうするんですか」
「チッ、次は貫通させる」
どうやらカール様が魔法で攻撃して、変人が何かで防いだらしい。
バチバチになってるところ悪いんだけどさ…。
「へっきゅす…っ!」
「お前ら…っ、いい加減にしろぉぉ!!」
兄貴の怒号で城が揺れた。かもしれない。
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