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web版設定第二章
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誰の助けも入らないまま暫くむぎゅむぎゅ団子状態でいたが、おれよりデカくてがっしりしている男共に押し潰されて平気でいられる筈がない。普通に苦しい。
泣きが入ったおれは搾り出すように叫んだ。
「最初に離れた奴とちゅーする…!」
言った瞬間バッと一斉に離れるイケメン達。
口々に自分が1番最初に離れたと主張してくる様子に、おれの中で何かがキレた。
残念なイケメン共を押し分けて、一直線に兄貴の元へ歩いて行く。
驚いている兄貴の胸ぐらを掴んでグッと引き寄せ、勢いのままちゅーしてやった。
後ろで悲鳴が上がるが知るかボケ。
目を白黒させた兄貴が離れて行こうとするのを渾身の力でなんとか押さえつけてちゅーする。
男にちゅーされて嫌だろうけど、助けてくれなかったあんたも同罪だ。
「マシロ止めてくれ!するなら僕に…っ」
必死なレイヴァン様の声に唇を離して振り返る。兄貴の胸ぐらは掴んだままだ。
「来るな!それ以上近づいたらまた兄貴にちゅーするぞ!」
「おい、坊主…っ」
「マシロ君落ち着いて。話せば分かる」
「どいつもこいつも自分勝手にむぎゅむぎゅ潰しやがって!そんなにおれとちゅーしたいのかよ!」
「したい!」
力強く答えるレイヴァン様。
「だったらもっと優しくして!」
「取り敢えず僕が代わりになります。人質を解放して下さい」
「変態は嫌だ!」
パンパンッと手を鳴らす音と一緒にストップが掛かった。
「はい、そこまで。大変面白いのですが、皆様そろそろお仕事の時間ですわよ」
仕事…?
アイリーン様の言葉にみんなが一様に反応する。
「丁度良いのでマシロ様の護衛はそのままイグニス様にお願いしてもよろしくて?」
「あっ、はい。もちろんです。謹んでお受けいたします」
「護衛…?」
「手が空きそうなのはイグニス殿くらいですし、仕方ありませんね」
急にスイッチが変わったみんなについていけなくて1人でキョロキョロしてしまう。
どういうことだってばよ。
「客室を用意しましたのでマシロ様とイグニス様はなるべく部屋から出ないようにお願い致します」
「了解しました」
「客室は騎士棟の近くなので私が案内しよう。ずっと部屋に篭っているのも退屈だろうから、騎士棟内は自由に歩いて貰って構わない。皆に伝えておく」
「ありがとうございます、助かります」
さっきまでキスキス言ってたのに何が起こったの。みんな普通のイケメンに戻ってる。
「気に入らないがマシロの為だ。仕方がない」
「時間が出来たら会いに行くね、マシロちゃん」
「あの…急にどうしたの…?仕事って…?」
「あれ忘れちゃったの?聖女に会う準備だよ」
あ、すっかり忘れてた。
あんなにおちゃらけムードだったのに、そんなの無かったかのような切替に感心する。
「マシロちゃんに怖い思いをさせた償いはしっかり取ってもらうつもりだから安心してね」
「怖い思い…」
あぁ、そうだった。ダメだなおれ。マジですっぽり忘れてる。
忘れてるっていうか…。
真剣にそれぞれで話している様子のレイヴァン様達。
まさに出来る男達って感じ。
忘れがちだけど、ここにいる人全員凄い人なんだよな。
本当、たまに忘れちゃうけど。
「そんなに気にしなくて大丈夫だよ。今はもう怖くないし」
そう言ったおれにアレク王子が眩しいものを見る目を向ける。
「また君はそうやって相手を許してしまうんだね。俺も許された側だけど、優し過ぎは駄目だよ」
「そんなんじゃない。本当にもう怖くないんだ。だってみ…」
「み…?」
不思議そうに聞き返してくるアレク王子にじわじわ顔が熱くなる。
あー、あー…。おれ今なんて言おうとした?
みんながいるからどうでもいい。
なんて、…おれはいつからこんな思考になったんだ恥ずかしい。
あれだ、なんだかんだみんなでわちゃわちゃしてるのが楽しくて、居心地良いっていうか…。
嫌な事考えてる暇がなくなるっていうか…。
だって事あるごとにおれの味方になってくれるし、意地悪だけど根本は優しいし、当然のように頼りになるし、好き好き言ってくるし…あ゛ーっ、もう!だって!だってさぁ…っ!
「マシロちゃん…?」
恥ずかしさのあまりキッとアレク王子を睨んでしまう。
「とにかくっ、聖女さんも事情があるかもだし償いとか本当要らないから、女の子には優しくしてあげて!」
「ふふっ、うん、分かったよ」
にこにことおれの頭を撫でるアレク王子。
子供扱いしやがって、ちくしょー。
「アレク、あまりマシロに触るな。減る」
「だって可愛いんだもん」
「駄目だ、減る」
不機嫌そうに寄ってきたレイヴァン様を見て思い出した。
そうだ花、せっかく貰ったのに台無しにしちゃって…。謝らなきゃ。
「レイヴァン様、その…貰った花、なんだけど…あの…」
どう言ったらいいものかまごつくおれに今度はレイヴァン様が優しく頭を撫でてくれる。
「聞いている。マシロのせいじゃない、気にするな。お前が無事で良かった」
「でも…」
「それにあの花はマシロと仲直りするために用意した花だ。役目は終えていた、そうだろう?」
「そうかもだけど、でもおれはもう少し持ってたかったな、て…。レイヴァン様がせっかくくれたから。ごめんね」
「マシロ…。ではこの件が落ち着いたら城下町に菓子を買いに行こう。マシロの好きなものを教えてくれ」
「…うん!ありがとうレイヴァン様」
「あぁ、約束だ」
「いいな、それ。俺も行きたい」
「駄目だ」
ブーブー文句言ってるアレク王子を引っ張ってレイヴァン様達が部屋を出ていった。
変態もしれっと残ろうとしていたけど、カール様とアイリーン様に引きずられていく。
残ったのは俺とグランツ様、兄貴だけ。
メインで騒がしかった人達が一斉に出ていって部屋の中が静かになる。
その緩急に笑ってしまった。
「我々も行こう。部屋に案内する」
「お願いします」
これから色々ありそうだけど、正直おれに出来ることなんてない。
せいぜいみんなの邪魔にならないように気をつけよう。
穏便に事が治りますように。
そんな呑気なことを考えながら、おれ達も部屋を出たのだった。
泣きが入ったおれは搾り出すように叫んだ。
「最初に離れた奴とちゅーする…!」
言った瞬間バッと一斉に離れるイケメン達。
口々に自分が1番最初に離れたと主張してくる様子に、おれの中で何かがキレた。
残念なイケメン共を押し分けて、一直線に兄貴の元へ歩いて行く。
驚いている兄貴の胸ぐらを掴んでグッと引き寄せ、勢いのままちゅーしてやった。
後ろで悲鳴が上がるが知るかボケ。
目を白黒させた兄貴が離れて行こうとするのを渾身の力でなんとか押さえつけてちゅーする。
男にちゅーされて嫌だろうけど、助けてくれなかったあんたも同罪だ。
「マシロ止めてくれ!するなら僕に…っ」
必死なレイヴァン様の声に唇を離して振り返る。兄貴の胸ぐらは掴んだままだ。
「来るな!それ以上近づいたらまた兄貴にちゅーするぞ!」
「おい、坊主…っ」
「マシロ君落ち着いて。話せば分かる」
「どいつもこいつも自分勝手にむぎゅむぎゅ潰しやがって!そんなにおれとちゅーしたいのかよ!」
「したい!」
力強く答えるレイヴァン様。
「だったらもっと優しくして!」
「取り敢えず僕が代わりになります。人質を解放して下さい」
「変態は嫌だ!」
パンパンッと手を鳴らす音と一緒にストップが掛かった。
「はい、そこまで。大変面白いのですが、皆様そろそろお仕事の時間ですわよ」
仕事…?
アイリーン様の言葉にみんなが一様に反応する。
「丁度良いのでマシロ様の護衛はそのままイグニス様にお願いしてもよろしくて?」
「あっ、はい。もちろんです。謹んでお受けいたします」
「護衛…?」
「手が空きそうなのはイグニス殿くらいですし、仕方ありませんね」
急にスイッチが変わったみんなについていけなくて1人でキョロキョロしてしまう。
どういうことだってばよ。
「客室を用意しましたのでマシロ様とイグニス様はなるべく部屋から出ないようにお願い致します」
「了解しました」
「客室は騎士棟の近くなので私が案内しよう。ずっと部屋に篭っているのも退屈だろうから、騎士棟内は自由に歩いて貰って構わない。皆に伝えておく」
「ありがとうございます、助かります」
さっきまでキスキス言ってたのに何が起こったの。みんな普通のイケメンに戻ってる。
「気に入らないがマシロの為だ。仕方がない」
「時間が出来たら会いに行くね、マシロちゃん」
「あの…急にどうしたの…?仕事って…?」
「あれ忘れちゃったの?聖女に会う準備だよ」
あ、すっかり忘れてた。
あんなにおちゃらけムードだったのに、そんなの無かったかのような切替に感心する。
「マシロちゃんに怖い思いをさせた償いはしっかり取ってもらうつもりだから安心してね」
「怖い思い…」
あぁ、そうだった。ダメだなおれ。マジですっぽり忘れてる。
忘れてるっていうか…。
真剣にそれぞれで話している様子のレイヴァン様達。
まさに出来る男達って感じ。
忘れがちだけど、ここにいる人全員凄い人なんだよな。
本当、たまに忘れちゃうけど。
「そんなに気にしなくて大丈夫だよ。今はもう怖くないし」
そう言ったおれにアレク王子が眩しいものを見る目を向ける。
「また君はそうやって相手を許してしまうんだね。俺も許された側だけど、優し過ぎは駄目だよ」
「そんなんじゃない。本当にもう怖くないんだ。だってみ…」
「み…?」
不思議そうに聞き返してくるアレク王子にじわじわ顔が熱くなる。
あー、あー…。おれ今なんて言おうとした?
みんながいるからどうでもいい。
なんて、…おれはいつからこんな思考になったんだ恥ずかしい。
あれだ、なんだかんだみんなでわちゃわちゃしてるのが楽しくて、居心地良いっていうか…。
嫌な事考えてる暇がなくなるっていうか…。
だって事あるごとにおれの味方になってくれるし、意地悪だけど根本は優しいし、当然のように頼りになるし、好き好き言ってくるし…あ゛ーっ、もう!だって!だってさぁ…っ!
「マシロちゃん…?」
恥ずかしさのあまりキッとアレク王子を睨んでしまう。
「とにかくっ、聖女さんも事情があるかもだし償いとか本当要らないから、女の子には優しくしてあげて!」
「ふふっ、うん、分かったよ」
にこにことおれの頭を撫でるアレク王子。
子供扱いしやがって、ちくしょー。
「アレク、あまりマシロに触るな。減る」
「だって可愛いんだもん」
「駄目だ、減る」
不機嫌そうに寄ってきたレイヴァン様を見て思い出した。
そうだ花、せっかく貰ったのに台無しにしちゃって…。謝らなきゃ。
「レイヴァン様、その…貰った花、なんだけど…あの…」
どう言ったらいいものかまごつくおれに今度はレイヴァン様が優しく頭を撫でてくれる。
「聞いている。マシロのせいじゃない、気にするな。お前が無事で良かった」
「でも…」
「それにあの花はマシロと仲直りするために用意した花だ。役目は終えていた、そうだろう?」
「そうかもだけど、でもおれはもう少し持ってたかったな、て…。レイヴァン様がせっかくくれたから。ごめんね」
「マシロ…。ではこの件が落ち着いたら城下町に菓子を買いに行こう。マシロの好きなものを教えてくれ」
「…うん!ありがとうレイヴァン様」
「あぁ、約束だ」
「いいな、それ。俺も行きたい」
「駄目だ」
ブーブー文句言ってるアレク王子を引っ張ってレイヴァン様達が部屋を出ていった。
変態もしれっと残ろうとしていたけど、カール様とアイリーン様に引きずられていく。
残ったのは俺とグランツ様、兄貴だけ。
メインで騒がしかった人達が一斉に出ていって部屋の中が静かになる。
その緩急に笑ってしまった。
「我々も行こう。部屋に案内する」
「お願いします」
これから色々ありそうだけど、正直おれに出来ることなんてない。
せいぜいみんなの邪魔にならないように気をつけよう。
穏便に事が治りますように。
そんな呑気なことを考えながら、おれ達も部屋を出たのだった。
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