エルフと忘れられた呪文

赤眉鷲羽-washusekibi-

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エルフと忘れられた呪文

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 世界樹の根元深く、古代の血を引くエルフだけが知る大図書館があった。
 そこには、大昔にエルフが使っていた忘れ去られた魔法の言葉を記した「ささやき貝」が数え切れないほど並んでいる。
 大昔のエルフたちは貝を使って魔法を使っていたらしい。
 司書のエルフは、貝殻から漏れ出す微かな声を拾い集め、失われかけた呪文を書物に内容をまとめていた。

 ある日、一際大きな「ささやき貝」から、「愛しい人の心を癒す」という、あまりに単純で強力な呪文が見つかった。
 エルフは驚いた。
 これほど強力な魔法がなぜ忘れられていたのか?

 好奇心が焚き付けられた彼が呪文を唱えようとしたその時、貝殻のささやきが止まった。
 その時エルフは理解した。
 最も強力な魔法は、弱く脆いものだと。
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