かき氷

Sion

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かき氷

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…暑い。
むせ返るような暑さ、セミの鳴き声に風鈴の音、風鈴が揺れる程の僅かな風しか入らない休日の僕の部屋の中には勉強会と言っては家に上がり、スマホを持ちながらテーブルにへばりつく幼馴染の姿があった。

こんな暑さじゃ勉強なんて出来ないよーなんて言っているが、ならどうしてエアコンのない家にわざわざ来たのか。諦めて帰って欲しいところだが彼女は微塵とも動こうとしない。何か暑さに効くもの無いのかと聞かれたが、残念ながらこの部屋にはアイスクリームもクーラーも無い。

しかしふと思いついた、アイスクリームはないけど、ならあったはずだ。
彼女に少し待つように伝えると別室の押し入れの奥からハンドルを回すタイプのかき氷機を取り出し氷を持って部屋へと戻る。
彼女はテーブルに顔をくっつけたまま戻ってくる僕を認識するとかき氷機!と目を輝かせ、私が作りたいと飛び起き、意気込んでいた。氷を入れ勢いよくハンドルを回し、あっという間に皿の上に氷の山が出来ていく。かき氷機と一緒に持ってきたイチゴシロップをかけて完成だ。
彼女はかき氷の写真を撮った後、律儀に手を合わせ食べ始めた。
店の物と比べると大分硬いが暑い日には堪らない、そんなかき氷を堪能した。
食べ終えしばらく雑談をした後、勉強会の再会の話題を出すと渋々了承して、ようやく勉強会が始まった。

その後数時間経ち、外はまだ明るいがいい時間だったので帰ることを勧め、彼女の住む近所の家まで付き合った。別れる間際に「今日は楽しかった~見送りもありがとうね、またね!」という感謝の言葉と塩飴を一粒を受け取り別れた。

帰る途中ふと笑顔でかき氷を食べる彼女を思い出し、今度はかき氷屋さんにでも誘ってみようかな
…なんて事を思いながら、まだ暑い一日の終わりにしょっぱい塩飴を舐めながら帰路へ着いた。

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