この星でいきぬく!

來帝

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夢と蒼天と出会いと②

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艦内に再びアラートが鳴りはじめる。神龍が龍の息吹き(ドラゴ・スピリートナ)を撃とうとしていたのだ。

『敵のエネルギーの再上昇を確認。亜空間フィールド展開いつでも可能です。どのようにしますか?』
サポートAIユキが警告メッセージを展開しつつ私の指示を待つ。

「攻撃がきたら亜空間フィールドを本艦全体に展開!展開レベルは最大で!私が気絶して攻撃を受ける前までの戦闘データを解析しつつ敵(ドラゴン)との対話ができないかを試みる!!全域パターンでの通信回線をオープンチャンネルへ!」
ユキに指示をしつつドラゴンとの対話及び戦闘データの解析をしながら現状を維持することにした。

『戦闘データの解析完了。戦闘開始前にこちらへの呼びかけがあったことが判明。全域通信パターンに一致するデータは該当なし。以上』
「呼びかけがあったということは画像データは残っているのだな?メインモニターへ回してくれ同時翻訳も可能なら頼む。」
『了解。同時翻訳開始、メインモニターへ回します。』

「ぎゃー!ギャアギャア!ぐるぅ!ぐるぅぎゃあぐぎゃあああ!!」
《我の神聖なる領域を侵す者よ!汝は何者か!!応えよ!!さもなくばこの神龍ラナ・ライズ・レイダーが裁きを下す!!》

え・・・ナニコレ?同時翻訳が可能なのね。敵はギャアギャア言ってるだけじゃん??つか、この翻訳データどこで入手したんだ。移民船団恐るべし。

「敵の名前は神龍ラナ・ライズ・レイダー。そして、攻撃をしてきた理由が領域侵犯によるとこちらが反応がなかったからという訳か。」
「ユキ、ラナ・ライズ・レイダーの翻訳で使われている固有パターンを算出後こちらの翻訳パターンと同期してくれ、対話を試みる。」

『データ解析開始。・・・・・固有パターンの算出完了。同期設定完了。いつでも艦外放送を使っての対話が可能です。』

「それでは異種間対話といきますか!《あー!あー!マイクのテスト中。こちら第47宇宙移民船団YAMADA所属特殊作戦隊チームイージーナンバー。聞こえますか?聞こえたら応答お願いします。》」

《む・・・この後に及んで命ごいか。我の聖域を侵した上に無礼ではないかの。何か言い分でもあるつもりか?》
神龍ラナ・ライズ・レイダーがこちらの対話に応じた。それもかなりご立腹のご様子。これはとてもよろしくない方向で全力にやばい!

「《対話におうじて頂いてありがとうございます。まず、領域侵犯についてこちらも想定外の状況に陥って対処しきれなかったこと謝罪します。動きたくても動けない事情があることをどうかご理解頂きたい。そして話の席を設けたい》」

《ふむ、このまま応えないようであれば更に威力をあげた攻撃を加えるつもりではあったが興がそがれた。
そちらの話とやら聞いてやろうではないか。》

「《ご理解頂き大変助かります。話の席は本艦の中で行いたいのですが・・・ラナ・ライズ・レイダー殿いかがでしょうか?》」

《よかろう、その話乗った。汝は船の中でと言っておったが・・・我が人の形をとれば良いかの?》

「《はい、それで結構です。こちらから迎えに上がりますのでそのままお待ちください。》」

ふう・・・何とか対話の席に着いてもらえるのはありがたい。お互いに敵対するよりも有益な関係を築けるように努力せねば。
「ユキ、私の"体(ボディ)"を用意してくれ、脳殻だけではできる事が制限されてしまうのでね。」
『了解。使用可能なボディを用意します』

そして、数分後に船をでて神龍ラナ・ライズ・レイダーを迎えに行く。

「む?迎えにくるとは聞いたがお主は何者じゃ?」

迎えにいった先に居たのは・・・これまたテンプレな幼女というより少女近く、清んだ青色の髪にオッドアイの目にワンピースを着た少女の神龍がいた。

「はい、先ほど本艦の放送にてお話させていただきました。No.36と申します。このボディは訳ありまして特殊な金属でできております。お気に召しませんでしたら申し訳ない。」

「別にそのようなことはない・・・ただ、珍しかったのでな。お主はゴーレムの類か?お主の契約者はどこにおる?」

「現時点ではゴーレムの類という認識でよいかと思います。また、私に契約者という存在はおりません」

「何?契約者がおらず動けるゴーレムは初耳じゃ。まぁ色々と聞きたいことはあるが早うあないせい」

「御意に」
神龍に最大の配慮をしつつ船に彼女を会議室へと通す。神龍は物珍しさに「あれはなんじゃ?」「これは一体なにに使うのだ!」と始終興奮しっぱなしであった。何故かその様子がとても微笑ましくも思えた。

会議室ではなぜここに落ちてきたのかその経緯を話したり、未だに自分の名前が思え出せないのでNO.36と名のっている事など。神龍からは名前が長いのでラナと呼ぶように言われたり、この星について色々と聞いたりして親睦を深めていった。
そして、次の朝が明けるころまで意見交換をしたのだった。

ラナが親睦を深める中で一番気にいったのが食事であった。何でも今までは獲物をそのまま丸かぶりついたり魔力を変換して栄養にしてたそうで、簡単に作ったサンドイッチを食べた瞬間目をキラキラと輝いていたのだ。頬を膨らませて頬張っているのは小動物のリスみたいでとても可愛かった。

これがきっかけとなりラナと私の信頼関係は順調に深まっていった。
月日が流れ移民船時間で2週間が経とうとしているときにラナからとる提案を受けた。その提案とは私の永住を認めること、戦艦の修理が終わったら一緒に搭乗する権利を認めること。の2つであった。こちらにとっては願ってもない申し出であったので二言返事で許可を出した。

これからはこの星が私の生活の場所になるのだと改めて考えさせられたのだった。
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