この僧侶、女子高生っぽい女神の助手 仕事は異世界派遣業

網野ホウ

文字の大きさ
14 / 44
第一章 一件目、異世界龍退治

女神なな 邪龍成敗! そして報告

しおりを挟む
 それでも取れた睡眠は五時間くらい。
 まぁそれで十分だろう。
 起きたらすぐに折り紙でぐりを呼び出した。

「出番がないっつって拗ねるかと思ったら。懐っこいのは有難いな」

「あなたが作り主だからね。懐くのも当然だけど、私にも懐いてくれるのはうれしいな。でもそればかりに気を取られていられないわよ?」

 龍がいる現場の一番近い酒場に行った時と同じ格好で教会を出発することになった。
 ぐりを出すということは、ライムは出せないんだよな。
 つまり昨夜のような鎧はつけられない。

「危険なことするんじゃねぇのか? その着物じゃすぐに破けるだろ」

「なあんにも問題ないわよ? さ、早く乗って乗って」

 また俺よりも先にぐりの背中に乗りやがる。
 やれやれ。
 またあの大空を羽ばたいてくれるのかね。高いとこ勘弁してほしいよな。

 ※※※※※ ※※※※※ ※※※※※

「昨日の夜、あれだけちやほやされたからすぐに向かわなきゃ効果がないのよ」

「え? なんだって?」

 こっちは高い所にいる恐怖と戦ってる最中だってのに、ななのやつが話しかけるもんだからよく聞こえねぇ。

「さっさと片を付けるってこと。あの龍の頭の上空で滞空出来るかしら?」

「だそうだ。ななの言う通りやってみ? ぐり」

 ぐりの背中の中央でうつぶせの俺。ぐりの顔どころか耳まで遠いがそれでもぐりの体毛で籠る俺の声は聞こえたらしい。
 言うことを理解した反応を見せてくれるのを見ると、やっぱ可愛いもんだよな。
 高い所は怖いけど。

「で、ななよ、そろそろ教えてくれてもいいんじゃね? どうやって龍退治するのよ?」

「この世界にない魔法を使うの。分かりやすく言うと、時間の加速。って、説明は後。ちょっと静かにしててね。いろいろ魔法使うから」

 静かにするなんてお手の物だ。
 横や下を見ないようにして、ぐりの背中のど真ん中で動かないままでいりゃいいんだから。
 それにしても、下にいる魔術師とやらは俺達の存在に気が付かないのかね。
 ……ななの体の周りが何やら発光してるっぽいけど、集中してるんだろうな。
 まぁ出来れば早く終わってほしいんだが……。

「うん。南君、高いところ嫌いなんだよね? じゃあ着地してもらっていいよ。魔術師達は何も反応ないはずだから」

 何も反応がないって……天罰でも下したのか?
 まぁいいや。
 ぐりにななの言う通りのことを頼むと、ゆっくりと旋回しながら龍の足元に向けて高度を下げていった。
 地面に近くなるにつれ、地面の様子がはっきりと分かる。
 飛び降りて着地できるとは思えない高さは怖い。
 それでも視界に入る地面は、どこもかしこも氷漬け。
 そればかりではない。
 氷の厚さがかなりある。
 地面の何メートルも上を歩くことになりそうだ。

「魔術師達も随分ここを冷やしたもんだな。降りていいのか?」

 今回もななが術で、ぐりの体を中心に気圧や気温を適度に調節してくれているらしい。

「このまま乗ってた方が無難ね。魔術師達が龍を呼び出して、勝手に暴れないように氷漬けにしてたらしいけど、私がその力を勝手に何倍も増やしてあげちゃった。龍もだけど、魔術師達の体も氷漬け。テヘ」

 いや、そこはテヘペロする場面じゃねぇ。
 で、冷やしてどうするんだよ。

「魔術師達の処分は住民達に任せるわ。私にかけられた願は、龍を何とかしてくれってことだったからね」

「その龍は……見た目氷漬けのままだな」

「龍は火を吐いていた。そこがミソだったのよ」

 ミソ、好きだね。
 順を追って説明してもらいたいもんだ。

「体内で火を起こせる存在ってことよね。魔術めいたものだと思ったから、その力をさらに引き出して、さらに竜が持つ魔力すべて火の方面に配分させたのよ」

「火力が強くなるわな。それで?」

「おそらくそれだけじゃ足りない。だから私の魔力も送ってあげたのよ」

 そんなに高熱を持たせてどうする気だ? しかも外側は分厚い氷だろ?

「中はこの上ない高温。外は逆にこの上ない冷凍。どうなると思う?」

「それだけで分かるかよ」

「さらに龍の体内へは、時間の加速の魔法も書けました。一秒を一秒の長さではなく年単位で時間を経過させるの。一秒が一年や十年なんて長さじゃないわよ?」

 そんなことまでできんのか、この女神様。
 するってーと……。
 長い長―い年月をかけて、高温と低温を繰り返された龍……。

 いや。

 この場合は龍じゃねぇ。

 そうか……そういうことか!

「巨大な龍の体内の話じゃねぇな? 火を生み出せる巨大な岩盤の話だ」

 結構ななもキレるじゃねぇか。
 そのドヤ顔、今は許してやる。女神相手に上から目線だがな。

「そ。小さな地球みたいな感じね。そこで生み出されるものは、希少価値を持つ岩ってこと。人がどんどん少なくなって、生活するにも厳しくて、国からの援助も少なくて、それでも生まれ故郷にいる人達に、これからの生活を少しでも楽にしてあげられるかなって」

 本来ならばこの地域に住む者達が所有権を主張できるだろう。
 だが全住民が町や村ごと焼失されたんじゃ、その権利を主張する者もいない。

「いろんなお話し聞かせてもらったから、そのお礼にこのことを伝えてあげようかなって。その後どう扱うかは、それは私の知ったことではないわね。でもこれで私が介入できる範囲で出来ることはすべて出来たつもり。魔術師達のことは彼らの審判に任せることにするわ」

 ななは話を終えると龍の様子を見届ける。
 俺も氷の中の龍の変化を見る。
 巨大な龍を象った宝石、鉱物。
 これを財源にすりゃ、あの酒場がある町も復興できるだろうな。
 龍の体は、溶解と冷却の激しい温度差を、とてつもない長い時間を経て体験している。
 地球誕生から俺の生きている時代までを短い時間で駆け抜けているんだろう。
 ななの「そろそろいいかな」という声と共に、その変化は終了した。

「あとは龍の部分だけ氷を溶かして完成。さ、あの町に行きましょうか」

 ※※※※※※ ※※※※※ ※※※※※

 時間はお昼頃。
 一秒間にあの龍はどれくらいの年月を体験したんだろうか。
 龍の上空へは朝の九時ごろに到着したはずだ。
 三時間たったとして、秒に言い換えると一万八百秒。
 一秒を一年や十年程度の長さにはしないとななは言っていた。
 百年? ならば百八万年も経験したということになる。
 が、おそらくそれ以上長い時間を経過したんじゃないかと思う。
 地球の歴史規模の時間を経過させたと言っていた。

 いずれ氷を溶かした後のあの龍は、全然動きようがない、まさしく巨大な宝石と鉱物のオブジェだった。

「でも昼から酒場やってるわきゃねぇだろうよ」

「宿泊所も兼ねてたんじゃなかった? あの三人きっといるわよ」

 ななは構わずドアを押し開ける。

「いらっ……なんだ、幽霊サンじゃねぇか。どうした? まだ彷徨ってたのか?」

 用心棒の二人は既に昼ご飯を食べていた。

「んー、その事なんだけど……」

「幽霊がこの世で迷い事を抱えてるだけじゃなく、言い方も迷ってんのか。笑えるなぁオイ」

 用心棒のマッスって言ったっけか。そいつの毒にもう一人の用心棒ユーゴーが力なく笑ってる。
 仕事に張り合いもなきゃそうなるか。

「私達が何者なのかを調べてたんだけど、あの龍にも恨みはあってさ。私達が何者かを調べるのは、もう諦めたのよ」

「へぇ。ま、俺らには興味ねぇな。協力も出来ねぇし。そんな奇抜な服着てる奴ぁ見た事ぁねぇからよ」

「それはいいんだけど、龍の方は退治したから、それを報せに来ただけ」

 いきなり三人が目を丸くしてんぞ。

「た、退治した?」

「氷漬けのまんまだろ? それで退治したってのか?」

「口から出まかせだろ? 落ち着けよ、ユーゴー、ザイナー」

 ななが一部始終を詳しく説明する。
 勿論どうやって退治したかという話じゃない。
 今龍はどうなっているかってことと、魔術師の存在。

「宝石、鉱物取り放題かよ……」

「俺ら三人で、何とか……ならんか」

「ルイセイに残ってるやつら全員駆り出したらいいだろうよ。だがその前に、現状の確認が先だ。幽霊サンよ、こいつらに確認させたいんだがいいか?」

 それもそうだ。
 口先ばかりの話しかしていない。
 信用してもらうには現場に同行してもらうのが一番手っ取り早い。

 ※※※※※ ※※※※※ ※※※※※

 流石に初めて魔獣の背中に乗る二人を、大空に連れていくには危なすぎる。
 速度を抑えた低空飛行で移動する。
 大空を高速で移動するよりも時間は取られたが、それでも馬車などの交通手段よりは、到着までには大分早かった。

「……もともと寒い地域だから厚着する必要はあるが、氷漬けされてた時はとても来れたもんじゃなかった」

「間違いねぇな。レアもんだぜ、これ。国の連中動き出す前に運び出そうや。……なぁ、あんたら。あんたらにも何か……」

「何言ってんの。私達幽霊が何を欲しがるっての。私達に関する話以外は興味ないのよ。新しい情報がなきゃこの土地から離れて別の所で探すけど、まずあなた達を酒場に帰さないといけないわよね?」

 ※※※※※ ※※※※※ ※※※※※

 酒場に戻り、用心棒たちは主のザイナーに報告をしている。

「……結局龍退治はあんたらがやったってことだよな?」

「そういうことになるわね」

「幽霊がただ龍に付きまとうだけってんなら、こっちは知らぬ存ぜぬで済ませられる。だが宝石に鉱物を手に入れられるってんなら、あんたらのことを俺らは」

「実体化した幽霊だって昨日言ったはずだろ? それに得体のしれない俺達にいろんな話を聞かせてくれたそのお礼ということにしとけばいいんじゃないか? ま、俺らのことは好きに誰彼に話しても気にしないよ」

 俺の言葉に三人は見合わせている。
 遠慮する理由はどこにもないだろうに。
 換金したら来神社使いきれないほどの金額になるはずだ。
 個人じゃなく、この街の復興のためだったらちょうどいい額になるんじゃねぇの?
 俺がそんなこと言わずとも、ななも同意見のことを口にしている。
 三人が交わす議論は、次第にななに同調していった。

「じゃ、俺らはまたどこぞに彷徨ってるさ。縁があるとは思えないが、達者でな」

「幽霊から達者でって挨拶されるとは思わなかったな」

 酒場の主、ザイナーのそんな言葉で用心棒二人と共に見送られ、俺とななはぐりの背中に乗って教会に向かった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

おばさんは、ひっそり暮らしたい

波間柏
恋愛
30歳村山直子は、いわゆる勝手に落ちてきた異世界人だった。 たまに物が落ちてくるが人は珍しいものの、牢屋行きにもならず基礎知識を教えてもらい居場所が分かるように、また定期的に国に報告する以外は自由と言われた。 さて、生きるには働かなければならない。 「仕方がない、ご飯屋にするか」 栄養士にはなったものの向いてないと思いながら働いていた私は、また生活のために今日もご飯を作る。 「地味にそこそこ人が入ればいいのに困るなぁ」 意欲が低い直子は、今日もまたテンション低く呟いた。 騎士サイド追加しました。2023/05/23 番外編を不定期ですが始めました。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

チート魔力はお金のために使うもの~守銭奴転移を果たした俺にはチートな仲間が集まるらしい~

桜桃-サクランボ-
ファンタジー
金さえあれば人生はどうにでもなる――そう信じている二十八歳の守銭奴、鏡谷知里。 交通事故で意識が朦朧とする中、目を覚ますと見知らぬ異世界で、目の前には見たことがないドラゴン。 そして、なぜか“チート魔力持ち”になっていた。 その莫大な魔力は、もともと自分が持っていた付与魔力に、封印されていた冒険者の魔力が重なってしまった結果らしい。 だが、それが不幸の始まりだった。 世界を恐怖で支配する集団――「世界を束ねる管理者」。 彼らに目をつけられてしまった知里は、巻き込まれたくないのに狙われる羽目になってしまう。 さらに、人を疑うことを知らない純粋すぎる二人と行動を共にすることになり、望んでもいないのに“冒険者”として動くことになってしまった。 金を稼ごうとすれば邪魔が入り、巻き込まれたくないのに事件に引きずられる。 面倒ごとから逃げたい守銭奴と、世界の頂点に立つ管理者。 本来交わらないはずの二つが、過去の冒険者の残した魔力によってぶつかり合う、異世界ファンタジー。 ※小説家になろう・カクヨムでも更新中 ※表紙:あニキさん ※ ※がタイトルにある話に挿絵アリ ※月、水、金、更新予定!

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

処理中です...