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店の日常編
外の世界に少しずつ その3
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「あたしもペロペロされたーい。ねぇサミーちゃん、今夜はヨウミお姉ちゃんのところで一緒に寝ない?」
「ヨウミぃ、朝っぱらから夜のお誘いってどうなのよっ」
「夜のお誘いゆーなっ!」
朝ご飯の時間も賑やかになった。
まぁ今朝は俺の髪の毛の件があったから尚更だな。
にしても、コーティ……下ネタとうけとっていいのか? それ。
「毛が抜けても構わないってんならいいんじゃないか? サミー、ヨウミが頭全部舐めてもらいたいとさ」
「いやっ! やっぱり勘弁!」
「でもおかしいよ?」
「何がだ? マッキー?」
当然ながら、朝ご飯の時間前に全員起床する。
朝ご飯の時にその日初めて会うミアーノとンーゴはともかく、他の連中は当然その時間に対面する。
その時には気付かなかった何かに気付いたということは、寝起きで感情が先立って、深く考え込めなかったってことなんだろう。
「サミーの舌、そんなに器用に動かせるの? っていうか、結構幅あるよ? ペン先位の幅だったらそんなに器用に舐めることできるのに」
「舌の厚さがないならできるだろ。つか、何かカッコ悪いな。反対側も同じくらい剃ってもらえば、スリットみたいなファッションに見えなくはないか?」
「でも、その地肌にかかってる髪の毛に特に長さの乱れはないからさぁ。夢で何かを食べてたとしても、普通の食べ方だったらわりと行儀悪いよね」
確かにそうだ。
一つの皿に好きな料理と嫌いな料理が盛り付けられたとして、好きな物だけを探って食べるような感じになるんだな。
額にかかってる髪の毛が嫌いな物、額から生えてるのが好きな物、とそれぞれに例えたらの話だが。
雑食性のサミーが好きな食べ物は、基本的には甘い物が多い。
逆に嫌いな物はほとんどない。
だから、そもそも好き嫌いが激しいということはないのだが……。
「あれ? 今朝サミーに聞いたのは、楽しい夢を見たかってことだよね?」
最近テンちゃんはサミーのことを呼び捨てにするようになった。
体が大きくなってきたから、が理由らしい。
「あぁ。それが?」
「食べ物を食べた夢って聞いたの?」
「え?」
「そんな風には聞いてなかったですね」
言われてみれば。
楽しい夢を見たか、という質問に肯定の反応。
楽しくて興奮すると、一緒にいる奴にいつもペロペロしてたからな。
「サミー、ペロペロもするけど、鼻で擦られることあるのよね。可愛いんだけど、時々毛が擦れて落ちちゃうのよ。ひょっとしてそれじゃない?」
言われてみればっ!
サミーの鼻先が猫よりも出っ張っている。
鳴き声が猫っぽいので、猫に似てるかなぁ、という感じ。
鼻先で擦られて毛が削れたり抜けていくというなら、こんな綺麗な長方形の剃り跡にはなるのは納得がいく。
「……お前……相当楽しい夢見てたんだなぁ」
「ミュ?」
食事中のサミーに話しかけると、こっちに顔を向けてきた。
目に入ったのは、一つまみ程のポテトサラダの白にみじん切りのパセリの一切れの緑が付いた黒い鼻先。
サミーの目には入らないのか、何度か普通にパチクリ瞬きするだけ。
「こういう顔見ると……もうね……。キュンとくるっ」
「食べちゃいたいくらい、とかか?」
まったく朝っぱらからヨウミは、ツッコミ入れたくなるようなことを……。
「ヨウミったらホントに……夜のお誘いに、食べちゃいたいくらい可愛いってどうなのよっ」
「だからコーティ、どうしてそっち方面に話が……」
「イツモ、ソンナコト、カンガエテルカラ?」
「ちょっとライム……あんたもそういうこと言うの?」
「イヤ、ヨウミジャナクテ、コーティ」
「どういう意味よっ!」
賑やか通り越してるな。
騒々しいったらありゃしない。
活気があって何よりだがな。
「なぁ、アラタのあんちゃんよぉ」
今度はミアーノか。
何だよ。
「舌先じゃなくて、鼻先じゃねぇのか? 鼻先ならおでこに当ててそのまま刷り上げりゃそうなるし、舌先より細いし形が変わらねぇよな?」
言われてみれば。
舌は自在に動かせる。
でも外からの力でも形は変わるし、それで動く形跡も変わることもある。
鼻先ならその形状は変わらないし、跡は自分の思うように描くことはできる。
けどそれはそれで変じゃねぇか?
「でも刃物のような鋭い物が肌の面に沿って移動しないと、地肌が見えるくらいに剃れはしないだろ」
「擦って削れて粉になって吹き飛んだんとかじゃねぇの? そこら辺までは分からんけどよ」
まぁ……有り得なくはないかもな。
舐められようが撫でられようが、可愛い奴から懐かれるのは……やっぱ嬉しいもんだな。
でも寝てる間にこんな風になるまで鼻でこすりつけられて……。
起きてる間だったら、サミーの感触をもっと楽しめられたんだがなぁ。
「アラタぁ」
「何だよ、テンちゃん」
「そろそろあたしのお腹、恋しくなあい?」
何でこいつ、サミーと張り合おうとするんだ。
それにしても……気になり始めたら止まらなくなったな。
妙にバランス、取れてないよなぁ……。
「ヨウミぃ、朝っぱらから夜のお誘いってどうなのよっ」
「夜のお誘いゆーなっ!」
朝ご飯の時間も賑やかになった。
まぁ今朝は俺の髪の毛の件があったから尚更だな。
にしても、コーティ……下ネタとうけとっていいのか? それ。
「毛が抜けても構わないってんならいいんじゃないか? サミー、ヨウミが頭全部舐めてもらいたいとさ」
「いやっ! やっぱり勘弁!」
「でもおかしいよ?」
「何がだ? マッキー?」
当然ながら、朝ご飯の時間前に全員起床する。
朝ご飯の時にその日初めて会うミアーノとンーゴはともかく、他の連中は当然その時間に対面する。
その時には気付かなかった何かに気付いたということは、寝起きで感情が先立って、深く考え込めなかったってことなんだろう。
「サミーの舌、そんなに器用に動かせるの? っていうか、結構幅あるよ? ペン先位の幅だったらそんなに器用に舐めることできるのに」
「舌の厚さがないならできるだろ。つか、何かカッコ悪いな。反対側も同じくらい剃ってもらえば、スリットみたいなファッションに見えなくはないか?」
「でも、その地肌にかかってる髪の毛に特に長さの乱れはないからさぁ。夢で何かを食べてたとしても、普通の食べ方だったらわりと行儀悪いよね」
確かにそうだ。
一つの皿に好きな料理と嫌いな料理が盛り付けられたとして、好きな物だけを探って食べるような感じになるんだな。
額にかかってる髪の毛が嫌いな物、額から生えてるのが好きな物、とそれぞれに例えたらの話だが。
雑食性のサミーが好きな食べ物は、基本的には甘い物が多い。
逆に嫌いな物はほとんどない。
だから、そもそも好き嫌いが激しいということはないのだが……。
「あれ? 今朝サミーに聞いたのは、楽しい夢を見たかってことだよね?」
最近テンちゃんはサミーのことを呼び捨てにするようになった。
体が大きくなってきたから、が理由らしい。
「あぁ。それが?」
「食べ物を食べた夢って聞いたの?」
「え?」
「そんな風には聞いてなかったですね」
言われてみれば。
楽しい夢を見たか、という質問に肯定の反応。
楽しくて興奮すると、一緒にいる奴にいつもペロペロしてたからな。
「サミー、ペロペロもするけど、鼻で擦られることあるのよね。可愛いんだけど、時々毛が擦れて落ちちゃうのよ。ひょっとしてそれじゃない?」
言われてみればっ!
サミーの鼻先が猫よりも出っ張っている。
鳴き声が猫っぽいので、猫に似てるかなぁ、という感じ。
鼻先で擦られて毛が削れたり抜けていくというなら、こんな綺麗な長方形の剃り跡にはなるのは納得がいく。
「……お前……相当楽しい夢見てたんだなぁ」
「ミュ?」
食事中のサミーに話しかけると、こっちに顔を向けてきた。
目に入ったのは、一つまみ程のポテトサラダの白にみじん切りのパセリの一切れの緑が付いた黒い鼻先。
サミーの目には入らないのか、何度か普通にパチクリ瞬きするだけ。
「こういう顔見ると……もうね……。キュンとくるっ」
「食べちゃいたいくらい、とかか?」
まったく朝っぱらからヨウミは、ツッコミ入れたくなるようなことを……。
「ヨウミったらホントに……夜のお誘いに、食べちゃいたいくらい可愛いってどうなのよっ」
「だからコーティ、どうしてそっち方面に話が……」
「イツモ、ソンナコト、カンガエテルカラ?」
「ちょっとライム……あんたもそういうこと言うの?」
「イヤ、ヨウミジャナクテ、コーティ」
「どういう意味よっ!」
賑やか通り越してるな。
騒々しいったらありゃしない。
活気があって何よりだがな。
「なぁ、アラタのあんちゃんよぉ」
今度はミアーノか。
何だよ。
「舌先じゃなくて、鼻先じゃねぇのか? 鼻先ならおでこに当ててそのまま刷り上げりゃそうなるし、舌先より細いし形が変わらねぇよな?」
言われてみれば。
舌は自在に動かせる。
でも外からの力でも形は変わるし、それで動く形跡も変わることもある。
鼻先ならその形状は変わらないし、跡は自分の思うように描くことはできる。
けどそれはそれで変じゃねぇか?
「でも刃物のような鋭い物が肌の面に沿って移動しないと、地肌が見えるくらいに剃れはしないだろ」
「擦って削れて粉になって吹き飛んだんとかじゃねぇの? そこら辺までは分からんけどよ」
まぁ……有り得なくはないかもな。
舐められようが撫でられようが、可愛い奴から懐かれるのは……やっぱ嬉しいもんだな。
でも寝てる間にこんな風になるまで鼻でこすりつけられて……。
起きてる間だったら、サミーの感触をもっと楽しめられたんだがなぁ。
「アラタぁ」
「何だよ、テンちゃん」
「そろそろあたしのお腹、恋しくなあい?」
何でこいつ、サミーと張り合おうとするんだ。
それにしても……気になり始めたら止まらなくなったな。
妙にバランス、取れてないよなぁ……。
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