214 / 493
店の日常編
緩衝材なんて真っ平ご免 その7
しおりを挟む
女性の顔に傷をつけるようなことはすべきではない、などとはよく聞く話だ。
だがこの女性、額、両頬、鼻と、とにかくいろんな所に傷を負ってる。
蔦によってできたものじゃあなさそうだ。
傷、というか、傷跡か。
ケガをしたのはかなり昔の事って感じだ。
蔦が皮膚を圧迫して、その跡が残っているが、その傷はどこにもなさそうだ。
「……聞きたいことが色々あって、どこから聞いたらいいのやら」
聞きたいことと聞かなきゃならないことは必ずしも一致しねぇからな。
まず……危害を加えようとする相手は誰かってことか?
「貴様……人間のくせに、人に仇なす魔物の主としてふんぞり返っているとは……人間の風上にも置けぬ奴め!」
……なんか大層な事言われたぞ?
主……ってなぁ……。
それに、人間の風上にも置けない、なんて、小説、漫画、ドラマ、映画の中でしか聞いたことがないぞ?
リアルに言われるとは思わなかった。
「……どこのどなたか存じませんがね、あんた、ここに何しに来たの?」
ンーゴが、命を狙われたっつってたな。
んでそいつが俺に暴言……とは違うな。
憎まれ口?
まぁ身動きできないんだから、できることと言えばそんなことを吐くくらいか。
「敵を討ちに来た! 当たり前だろう!」
こいつもこいつで、自分の分かっていることは誰もが知ってるっていう妄想に浸かってやがんなあ。
「終始これ一辺倒だったや。どないする?」
「どないするも何も……どうしよう?」
刃物を振りかぶって襲いかかってきたという。
この世界、冒険者ってのも普通に職業として存在する。
彼らだってでかい刃物や鈍器を携えて、そこら辺をうろうろしてる。
ましてやここは、人を襲う魔物の行動範囲のギリギリ外。
俺やヨウミ、村人達を守るための行動と言われたら、それを否定しようがない。
保安官に引き渡したところで、即釈放。
もしくは、こっちの言い分も聞いてもらえたところで、こいつにちょっと説教して釈放、だろうなぁ。
「どうしようって、何頼りないこと言ってんの! ねぇちょっと! あたしはともかくあんたの仇がンーゴってことっ? ンーゴがいつどこにあんたに何をしたってのよ!」
コーティのこんな気丈な性格は、こういう時は有り難いな。
けど、そんな風に振る舞える根拠はどこにあるんだか。
「あたしの……っ……。あたしの……村が……五百人くらいの村だったけど……。村人のほとんどが……そいつに食い殺されたっ! 生きたままな!」
こっちを睨んだ目から涙が流れてる。
思ったより残酷な話だった。
けどンーゴは、聞くたびごとに言ってたな。
「イキタママ?」
「あぁ! あのワームは、村の中で暴れながら、近くにいた村人達を手あたり次第……っ」
「……ヨククエタナ、ソイツ」
「あぁ?! 他人事のようによく言えたものだ!」
「ニンゲンダロ? シタイナラタベタコトアルガ、マズカッタ」
「貴様ああぁ!」
「ダカラ、イキタニンゲン……ヒトハ、ムリシテタベタイトハオモワン」
「何っ?!」
ンーゴには人間とかエルフとかドワーフとかのような顔はない。
が、その口調は実にのんびりしたもんだ。
そしてその言葉に、蔦に囚われる女は激高。
しかも微妙に会話がずれている。
「あー……っと、お嬢さん。まず、あんたの身の上についてはお気の毒としか言いようがない。これ以上不幸なこともないとも思う」
いや、憎悪がこもった目で睨まれてもな。
「で、当然その魔物に恨み憎しみしかないってのも分かるし、その思いを晴らしたいというのも分かる。あ、感情を理解するというよりも、物事の流れ的な意味でな」
「ならば」
「ただ、その思いを晴らす相手はこいつってところには異議を申し立てた……」
「貴様にッ! この思いが分かってたまるかっ!」
何と言いますか……。
自分に正当な理由がありゃ何でも許される、みたいな感じだなこりゃ。
「ここ数日、ずっとお前らのことを観察していた」
やはり俺が感じていた気配は、こいつからのものだったんか。
どこにいるかまではちょっと分からなかったから、随分遠い所にいるとも思ってた。
だが観察できるくらいには近かったのか。
「……私の村を全滅させておいて、ここでは談笑ときたもんだ。随分と身勝手な魔物じゃないか。だがここに集まっていた全員が、その魔物の仲間ならば理屈は通る。私の村を全滅させたのはその魔物じゃない。お前ら全員だ!」
こじらせてんなぁ。
どうすりゃいいんだこれ?
「目が曇っちゃってるね。あたしもアラタみたいに、そんなことがあったからこんなふうになって、こんな目に遭ってるってのは分かるけど、何であたし達に攻撃的になってるのかは分かんないな。さっき、分かってたまるかって言ってたけど、分かろうとしてたまるかって感じね」
ヨウミがコーティ以上に辛辣なんだが。
事態が余計にややこしくなるんじゃねぇのかこれ?
「だってさぁ……。ンーゴ、村を襲った魔物と同じ種族だからって、問答無用で襲ってきたんでしょ?」
「チカヅイテキタノハワカッタ。ソノアトハ……」
「間合いに入ったかと思ったらいきなりみんなの仇とか叫びながら飛び掛かってきよったもんなあ」
気持ちに余裕がないんだろうな。
ホントに気の毒だ。
けど……村を襲った奴とンーゴが同一かどうかの確認くらいはしてもいいんじゃなかったか?
「そのような大きな魔物、二つとあるまい! ましてやそこら辺にいる、すぐに見かける種族でもない! もし違っていたとしても、その種族は人を常食して生息しているの違いない!」
「待て待て。俺はよく知らんのだが……村がワームに襲われて全滅した、ってニュースは……みんな聞いたことはあるか?」
こいつに出身の村の名前や場所を聞く方が早いんだろうが……。
「あたしは……聞いたことはあるような。確か十年ほど前の話だよね?」
十年前?
俺が転移してくる前の話だよな?
ってことは、俺が知る由もない。
「ナイナ」
「ねぇよ。俺とンーゴは、ずっとこの辺りの地下で生活してたんだからよお」
「嘘をつくな!」
いや、こいつに嘘と断定されてもな。
「あたしもないな」
「ライムモナイ」
「私も……ありません……」
「あたしだって……」
サミーも言わずもがなだ。
「まずな、まぁ……ちと人に言えない生活をしかけたことがあった奴もいただろうが……」
クリマーは生活に困った末に、クレーマーめいたことをして生活費をせびってた過去があったらしいが、俺らの中で前科持ちってばそれくらいだろ。
「人の命を奪うような、犯罪めいたことをした経歴を持ってる奴はいねぇぞ?」
「嘘をつくな!」
と言われてもな。
まぁ経歴においてはほぼ潔癖だと思うが。
「あ」
「どうした? ヨウミ」
「アラタは手配書二回も」
……あったな、そんなこと。
でも今は……
「やはり親玉か!」
「何のだよ」
ヨウミ、今話題に出すには、ちょっと的外れな話題じゃねぇか?
だがこの女性、額、両頬、鼻と、とにかくいろんな所に傷を負ってる。
蔦によってできたものじゃあなさそうだ。
傷、というか、傷跡か。
ケガをしたのはかなり昔の事って感じだ。
蔦が皮膚を圧迫して、その跡が残っているが、その傷はどこにもなさそうだ。
「……聞きたいことが色々あって、どこから聞いたらいいのやら」
聞きたいことと聞かなきゃならないことは必ずしも一致しねぇからな。
まず……危害を加えようとする相手は誰かってことか?
「貴様……人間のくせに、人に仇なす魔物の主としてふんぞり返っているとは……人間の風上にも置けぬ奴め!」
……なんか大層な事言われたぞ?
主……ってなぁ……。
それに、人間の風上にも置けない、なんて、小説、漫画、ドラマ、映画の中でしか聞いたことがないぞ?
リアルに言われるとは思わなかった。
「……どこのどなたか存じませんがね、あんた、ここに何しに来たの?」
ンーゴが、命を狙われたっつってたな。
んでそいつが俺に暴言……とは違うな。
憎まれ口?
まぁ身動きできないんだから、できることと言えばそんなことを吐くくらいか。
「敵を討ちに来た! 当たり前だろう!」
こいつもこいつで、自分の分かっていることは誰もが知ってるっていう妄想に浸かってやがんなあ。
「終始これ一辺倒だったや。どないする?」
「どないするも何も……どうしよう?」
刃物を振りかぶって襲いかかってきたという。
この世界、冒険者ってのも普通に職業として存在する。
彼らだってでかい刃物や鈍器を携えて、そこら辺をうろうろしてる。
ましてやここは、人を襲う魔物の行動範囲のギリギリ外。
俺やヨウミ、村人達を守るための行動と言われたら、それを否定しようがない。
保安官に引き渡したところで、即釈放。
もしくは、こっちの言い分も聞いてもらえたところで、こいつにちょっと説教して釈放、だろうなぁ。
「どうしようって、何頼りないこと言ってんの! ねぇちょっと! あたしはともかくあんたの仇がンーゴってことっ? ンーゴがいつどこにあんたに何をしたってのよ!」
コーティのこんな気丈な性格は、こういう時は有り難いな。
けど、そんな風に振る舞える根拠はどこにあるんだか。
「あたしの……っ……。あたしの……村が……五百人くらいの村だったけど……。村人のほとんどが……そいつに食い殺されたっ! 生きたままな!」
こっちを睨んだ目から涙が流れてる。
思ったより残酷な話だった。
けどンーゴは、聞くたびごとに言ってたな。
「イキタママ?」
「あぁ! あのワームは、村の中で暴れながら、近くにいた村人達を手あたり次第……っ」
「……ヨククエタナ、ソイツ」
「あぁ?! 他人事のようによく言えたものだ!」
「ニンゲンダロ? シタイナラタベタコトアルガ、マズカッタ」
「貴様ああぁ!」
「ダカラ、イキタニンゲン……ヒトハ、ムリシテタベタイトハオモワン」
「何っ?!」
ンーゴには人間とかエルフとかドワーフとかのような顔はない。
が、その口調は実にのんびりしたもんだ。
そしてその言葉に、蔦に囚われる女は激高。
しかも微妙に会話がずれている。
「あー……っと、お嬢さん。まず、あんたの身の上についてはお気の毒としか言いようがない。これ以上不幸なこともないとも思う」
いや、憎悪がこもった目で睨まれてもな。
「で、当然その魔物に恨み憎しみしかないってのも分かるし、その思いを晴らしたいというのも分かる。あ、感情を理解するというよりも、物事の流れ的な意味でな」
「ならば」
「ただ、その思いを晴らす相手はこいつってところには異議を申し立てた……」
「貴様にッ! この思いが分かってたまるかっ!」
何と言いますか……。
自分に正当な理由がありゃ何でも許される、みたいな感じだなこりゃ。
「ここ数日、ずっとお前らのことを観察していた」
やはり俺が感じていた気配は、こいつからのものだったんか。
どこにいるかまではちょっと分からなかったから、随分遠い所にいるとも思ってた。
だが観察できるくらいには近かったのか。
「……私の村を全滅させておいて、ここでは談笑ときたもんだ。随分と身勝手な魔物じゃないか。だがここに集まっていた全員が、その魔物の仲間ならば理屈は通る。私の村を全滅させたのはその魔物じゃない。お前ら全員だ!」
こじらせてんなぁ。
どうすりゃいいんだこれ?
「目が曇っちゃってるね。あたしもアラタみたいに、そんなことがあったからこんなふうになって、こんな目に遭ってるってのは分かるけど、何であたし達に攻撃的になってるのかは分かんないな。さっき、分かってたまるかって言ってたけど、分かろうとしてたまるかって感じね」
ヨウミがコーティ以上に辛辣なんだが。
事態が余計にややこしくなるんじゃねぇのかこれ?
「だってさぁ……。ンーゴ、村を襲った魔物と同じ種族だからって、問答無用で襲ってきたんでしょ?」
「チカヅイテキタノハワカッタ。ソノアトハ……」
「間合いに入ったかと思ったらいきなりみんなの仇とか叫びながら飛び掛かってきよったもんなあ」
気持ちに余裕がないんだろうな。
ホントに気の毒だ。
けど……村を襲った奴とンーゴが同一かどうかの確認くらいはしてもいいんじゃなかったか?
「そのような大きな魔物、二つとあるまい! ましてやそこら辺にいる、すぐに見かける種族でもない! もし違っていたとしても、その種族は人を常食して生息しているの違いない!」
「待て待て。俺はよく知らんのだが……村がワームに襲われて全滅した、ってニュースは……みんな聞いたことはあるか?」
こいつに出身の村の名前や場所を聞く方が早いんだろうが……。
「あたしは……聞いたことはあるような。確か十年ほど前の話だよね?」
十年前?
俺が転移してくる前の話だよな?
ってことは、俺が知る由もない。
「ナイナ」
「ねぇよ。俺とンーゴは、ずっとこの辺りの地下で生活してたんだからよお」
「嘘をつくな!」
いや、こいつに嘘と断定されてもな。
「あたしもないな」
「ライムモナイ」
「私も……ありません……」
「あたしだって……」
サミーも言わずもがなだ。
「まずな、まぁ……ちと人に言えない生活をしかけたことがあった奴もいただろうが……」
クリマーは生活に困った末に、クレーマーめいたことをして生活費をせびってた過去があったらしいが、俺らの中で前科持ちってばそれくらいだろ。
「人の命を奪うような、犯罪めいたことをした経歴を持ってる奴はいねぇぞ?」
「嘘をつくな!」
と言われてもな。
まぁ経歴においてはほぼ潔癖だと思うが。
「あ」
「どうした? ヨウミ」
「アラタは手配書二回も」
……あったな、そんなこと。
でも今は……
「やはり親玉か!」
「何のだよ」
ヨウミ、今話題に出すには、ちょっと的外れな話題じゃねぇか?
0
あなたにおすすめの小説
【完結】魔物をテイムしたので忌み子と呼ばれ一族から追放された最弱テイマー~今頃、お前の力が必要だと言われても魔王の息子になったのでもう遅い~
柊彼方
ファンタジー
「一族から出ていけ!」「お前は忌み子だ! 俺たちの子じゃない!」
テイマーのエリート一族に生まれた俺は一族の中で最弱だった。
この一族は十二歳になると獣と契約を交わさないといけない。
誰にも期待されていなかった俺は自分で獣を見つけて契約を交わすことに成功した。
しかし、一族のみんなに見せるとそれは『獣』ではなく『魔物』だった。
その瞬間俺は全ての関係を失い、一族、そして村から追放され、野原に捨てられてしまう。
だが、急な展開過ぎて追いつけなくなった俺は最初は夢だと思って行動することに。
「やっと来たか勇者! …………ん、子供?」
「貴方がマオウさんですね! これからお世話になります!」
これは魔物、魔族、そして魔王と一緒に暮らし、いずれ世界最強のテイマー、冒険者として名をとどろかせる俺の物語
2月28日HOTランキング9位!
3月1日HOTランキング6位!
本当にありがとうございます!
貴族令嬢、転生十秒で家出します。目指せ、おひとり様スローライフ
凜
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞にて奨励賞を頂きました。ありがとうございます!
貴族令嬢に転生したリルは、前世の記憶に混乱しつつも今世で恵まれていない環境なことに気が付き、突発で家出してしまう。
前世の社畜生活で疲れていたため、山奥で魔法の才能を生かしスローライフを目指すことにした。しかししょっぱなから魔物に襲われ、元王宮魔法士と出会ったり、はては皇子までやってきてと、なんだかスローライフとは違う毎日で……?
異世界でぼっち生活をしてたら幼女×2を拾ったので養うことにした【改稿版】
きたーの(旧名:せんせい)
ファンタジー
自身のクラスが勇者召喚として呼ばれたのに乗り遅れてお亡くなりになってしまった主人公。
その瞬間を偶然にも神が見ていたことでほぼ不老不死に近い能力を貰い異世界へ!
約2万年の時を、ぼっちで過ごしていたある日、いつも通り森を闊歩していると2人の子供(幼女)に遭遇し、そこから主人公の物語が始まって行く……。
―――
当作品は過去作品の改稿版です。情景描写等を厚くしております。
なお、投稿規約に基づき既存作品に関しては非公開としておりますためご理解のほどよろしくお願いいたします。
アワセワザ! ~異世界乳幼女と父は、二人で強く生きていく~
eggy
ファンタジー
もと魔狩人《まかりびと》ライナルトは大雪の中、乳飲み子を抱いて村に入った。
村では魔獣や獣に被害を受けることが多く、村人たちが生活と育児に協力する代わりとして、害獣狩りを依頼される。
ライナルトは村人たちの威力の低い攻撃魔法と協力して大剣を振るうことで、害獣狩りに挑む。
しかし年々増加、凶暴化してくる害獣に、低威力の魔法では対処しきれなくなってくる。
まだ赤ん坊の娘イェッタは何処からか降りてくる『知識』に従い、魔法の威力増加、複数合わせた使用法を工夫して、父親を援助しようと考えた。
幼い娘と父親が力を合わせて害獣や強敵に挑む、冒険ファンタジー。
「カクヨム」「小説家になろう」にも掲載しています。
お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~
志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」
この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。
父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。
ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。
今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。
その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。
幼女はリペア(修復魔法)で無双……しない
しろこねこ
ファンタジー
田舎の小さな村・セデル村に生まれた貧乏貴族のリナ5歳はある日魔法にめざめる。それは貧乏村にとって最強の魔法、リペア、修復の魔法だった。ちょっと説明がつかないでたらめチートな魔法でリナは覇王を目指……さない。だって平凡が1番だもん。騙され上手な父ヘンリーと脳筋な兄カイル、スーパー執事のゴフじいさんと乙女なおかんマール婆さんとの平和で凹凸な日々の話。
「お前の戦い方は地味すぎる」とギルドをクビになったおっさん、その正体は大陸を震撼させた伝説の暗殺者。
夏見ナイ
ファンタジー
「地味すぎる」とギルドをクビになったおっさん冒険者アラン(40)。彼はこれを機に、血塗られた過去を捨てて辺境の村で静かに暮らすことを決意する。その正体は、10年前に姿を消した伝説の暗殺者“神の影”。
もう戦いはこりごりなのだが、体に染みついた暗殺術が無意識に発動。気配だけでチンピラを黙らせ、小石で魔物を一撃で仕留める姿が「神業」だと勘違いされ、噂が噂を呼ぶ。
純粋な少女には師匠と慕われ、元騎士には神と崇められ、挙句の果てには王女や諸国の密偵まで押しかけてくる始末。本人は畑仕事に精を出したいだけなのに、彼の周りでは勝手に伝説が更新されていく!
最強の元暗殺者による、勘違いスローライフファンタジー、開幕!
10歳で記憶喪失になったけど、チート従魔たちと異世界ライフを楽しみます(リメイク版)
犬社護
ファンタジー
10歳の咲耶(さや)は家族とのキャンプ旅行で就寝中、豪雨の影響で発生した土石流に巻き込まれてしまう。
意識が浮上して目覚めると、そこは森の中。
彼女は10歳の見知らぬ少女となっており、その子の記憶も喪失していたことで、自分が異世界に転生していることにも気づかず、何故深い森の中にいるのかもわからないまま途方に暮れてしまう。
そんな状況の中、森で知り合った冒険者ベイツと霊鳥ルウリと出会ったことで、彼女は徐々に自分の置かれている状況を把握していく。持ち前の明るくてのほほんとしたマイペースな性格もあって、咲耶は前世の知識を駆使して、徐々に異世界にも慣れていくのだが、そんな彼女に転機が訪れる。それ以降、これまで不明だった咲耶自身の力も解放され、様々な人々や精霊、魔物たちと出会い愛されていく。
これは、ちょっぴり天然な《咲耶》とチート従魔たちとのまったり異世界物語。
○○○
旧版を基に再編集しています。
第二章(16話付近)以降、完全オリジナルとなります。
旧版に関しては、8月1日に削除予定なのでご注意ください。
この作品は、ノベルアップ+にも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる