434 / 493
番外編 この世界で唯一前世の記憶を持つダークエルフ編
宿とこの街にて その7
しおりを挟む
鉱石の採掘現場の地下六階。
今回の依頼の目標は、この下の地下七階にいるスライム。
「この下の階層に、確かに一体、どでかいのがいるな」
「魔力も相当強そう。耐毒の魔法は丸二日くらい持つから、戦闘になっても大丈夫」
カスミビとメーイが言うように、確かにそんな感じはする。
けど、村の外でドラゴンの首を落とした時の、あのドラゴンの迫力とは比べるまでもない。
ただ、ドラゴンは頭も首もあったから、そこが急所ってのは分かった。
けどスライムの場合は、弱点は分かるけど急所は分からない。
心配な点はそこよね。
「熱、燃焼、それに……爆発……うーん」
「ウォードル、どうした?」
ウォードルが腕組みをして考え込んだ。
何か問題でもあるんだろうか?
「爆発……要は飛散させることだよな? 高熱になればそんな現象は起きやすくなるから、爆発させやすいってのは分かるんだが、爆発自体に効果はあるのか?」
……イメージとしては、確かに中心から外側の全方向に向けて、力が飛び出るって感じよね。
その力をどうやって生み出すか……。
熱が起きると、周りの液体……水とかがぽこぽこいう。
そのポコポコの力が強くなると、バーンって感じかな。
「爆発したら、それは細かく飛び散る。細かくなればなるほど、燃えたら燃え尽きやすくなる。完全に焼失するまでそんなに時間はかからないってことね」
なるほど。
同じ攻撃をしても、それでも相手には活動時間はある。
その時間をいかに与えないようにするか、ね。
「つまり、高熱は破裂させる力も持ってるってことか。なら、火炎……業火と灼熱の呪符を用意してっと……」
あたしも、いざとなったら光の弓矢で……。
周りに誰もいなかったら、温度も一緒に上げられるようにできたらいいよね。
とりあえず温度については、スライムの体温を急上昇させられればいっか。
※※※※※ ※※※※※
全員、準備万端で、慎重に階段を降りていく。
今のあたし達に必要なのは、討伐目標であるスライムの種族、位置、形状や大きさ。
大胆に進んでいって不意打ちを食らったら、間違いなく全滅する。
各階層は、天井を支える柱となるように掘り残し、あとはただただ広い空間になっている。
だから下の階に降りるときには、死角となるのは上の階層の床になっている、下の階層の天井くらい。
「待った。照明がないな」
「てことは、誰もここに来ていない?」
それはおかしいな。
だって、引き受けた冒険者のパーティは八組じゃなかった?
そのうちの二組がリタイアしたんだよね。
残りの六組は?
ここに来るまですれ違ったり合流したりはしなかったよね?
「……引き受けた連中は……はっきり言えば安否不明。ひょっとしたらうかつに降りて犠牲になった可能性もある」
ウォードルの一言は、思いついた誰もが言い出したくない最悪の事態。
けど、だからこそ同じ轍を踏まない、という強い気構えにも見えた。
「まずは照明ね。明るくすると目が眩むから、強くはない灯りをつけて……」
メーイが適当に、照明の代わりになる魔石を投げた。
カスミビが階段で腹ばいになって覗き込んでいる。
「いねぇな。……柱の陰になってるんなら、大きくはないサイズだし……」
「擬態してる可能性があるぞ」
タテビトの指摘は、あたしには思いつかないことだった。
けどカスミビは、そのことも頭にあったらしい。
「壁や床に、違和感はない。見えてる範囲限定だけどよ」
「気配はあるのよね? 動いてたりしてるかどうかまでは……分からないかな?」
「……待ち構えてる感じはあるな。なんせ、灯りの元がない階層にいきなり照明がついたんだ。何者かが来ると感じ取ってんじゃねぇか?」
あたし達が侵入してくる、と察知されるのは仕方のないことだ。
明るくないと周りが見えない。
周りが見えないと動きづらくなるし、スライムがどこにどう言う状態でいるのか分からないままだから。
「床、壁にはないんだな?」
「天井……つか、床の裏側っつーか……見える範囲に限り、異常なし。毒気を持ってるスライムなら、どか腐食させてるとこもあるだろうしな。けどそんな様子も見えねぇし……進んでよくねぇか?」
「……このままここに滞在したって、何の進展もないしな。だが何があるか分からん。タテビト、カスミビに何かあってもすぐに守れるようについて行ってくれ。俺としろがねはその後ろに。マッキーは弓で何とかできるなら俺らの後ろに、一番最後はメーイの順で、慎重に突入な」
ウォードルの指示に従って、ゆっくりと階段を降りていく。
相手は魔物。
多分スライムもあたし達の気配に気が付いている。
当然、音をなるべく立てずに進んでいることも分かってるんだろうけど、それでも相手にはこちらの余計な情報は与えたくはない。
こちらが、未だに毒系のスライム以外の情報を知らないように。
「……がらんどう、だな」
「つるはしとかは放置されたまま、ね……」
「気ぃつけろよ。気配はある。ここにいる」
「けど……どこにもいない……。照明の魔石、奥に投げ込む?」
注意深く周りを見渡す。
けど、何も見つからない。
しばらくその場にとどまって、目を皿のようにして見まわすけれど、やっぱり何も見つからない。
「ん? 水滴?」
「どうしたの? ウォードル」
「水滴?」
天井から落ちてきたらしい。
上を見てみる。
けど何もない……いや。これって……まさか!
「みんな……まさか、この天井全体を……スライムが覆ってない?」
あたしは大きな声を出したつもりはなかった。
けど、まるでそれを合図にしたかのように、天井から粘体状のものが落ちてきた。
「退路塞がれた!」
その粘体は通せんぼをするように、階段を天井までその体で埋めた。
「業火の呪……うわっ!」
こんな広い天井を、余すことなく覆うくらいのスライムだなんて誰が想像できたか。
あたしにだって無理だ。
おまけに重量もかなりあり、耐性がありそうなタテビトでも、すり足でないと移動できない。
当然あたしたちみんな、その粘体に床ごと覆いつくされてしまった。
「ま……まさか……」
「他の……パーティ……も……」
みんな、身構える間もなくスライムの下敷きになっている。
メーイは既に気を失っているようで、ピクリとも動かない。
もう、誰にも見られないようにするなんて言ってられない。
耳の中や鼻の中にもスライムが入ってくるけど、気にしてられない。
何とか仰向けになり、光の弓矢を出す。
本数は、この階層の天井を全体を多くくらいの数。
もちろん高熱と燃焼の力も忘れずに。
そして、スライムの体を貫通させず、体内に留まって、その力を発動するように準備。
あたし達も大火傷を負うかもしれないけど、助かる可能性はこっちの方がはるかに高い。
もちろん動けないから、引き絞る動作もできない。
けど、体が動けなくても力を発揮できるようにって、転生する前にお願いもした。
「いっ……けぇ!」
光の矢は、スライムの体に余すところなく留まって、全ての矢が高速で高熱を発し、燃焼。
「うっ……な……何……だ……?」
誰かがあたしの弓矢の力に気付いたらしい。
けど、構ってられない。
スライムが業火に包まれる。
が、このままでは巻き沿いを食らう。
けど問題ない。
光の細かい矢には、爆発の力も込めていた。
みんなの悲鳴も聞こえないほどの轟音。
スライムの体は、燃えながら細かく飛び散った。
壁や天井に張り付いてもなお燃え続ける。
けど、誤算が一つあった。
掘削現場の階層は、さらに下もあった。
そしてその爆発の威力は、強烈に下方向にも向けられ、この階層の床に穴を空けた。
光の矢は、スライムの体全体に行き渡っていたけど、あたしの周りに集中していた。
故に、あたしは、さらに下の階層に落ちていった。
今回の依頼の目標は、この下の地下七階にいるスライム。
「この下の階層に、確かに一体、どでかいのがいるな」
「魔力も相当強そう。耐毒の魔法は丸二日くらい持つから、戦闘になっても大丈夫」
カスミビとメーイが言うように、確かにそんな感じはする。
けど、村の外でドラゴンの首を落とした時の、あのドラゴンの迫力とは比べるまでもない。
ただ、ドラゴンは頭も首もあったから、そこが急所ってのは分かった。
けどスライムの場合は、弱点は分かるけど急所は分からない。
心配な点はそこよね。
「熱、燃焼、それに……爆発……うーん」
「ウォードル、どうした?」
ウォードルが腕組みをして考え込んだ。
何か問題でもあるんだろうか?
「爆発……要は飛散させることだよな? 高熱になればそんな現象は起きやすくなるから、爆発させやすいってのは分かるんだが、爆発自体に効果はあるのか?」
……イメージとしては、確かに中心から外側の全方向に向けて、力が飛び出るって感じよね。
その力をどうやって生み出すか……。
熱が起きると、周りの液体……水とかがぽこぽこいう。
そのポコポコの力が強くなると、バーンって感じかな。
「爆発したら、それは細かく飛び散る。細かくなればなるほど、燃えたら燃え尽きやすくなる。完全に焼失するまでそんなに時間はかからないってことね」
なるほど。
同じ攻撃をしても、それでも相手には活動時間はある。
その時間をいかに与えないようにするか、ね。
「つまり、高熱は破裂させる力も持ってるってことか。なら、火炎……業火と灼熱の呪符を用意してっと……」
あたしも、いざとなったら光の弓矢で……。
周りに誰もいなかったら、温度も一緒に上げられるようにできたらいいよね。
とりあえず温度については、スライムの体温を急上昇させられればいっか。
※※※※※ ※※※※※
全員、準備万端で、慎重に階段を降りていく。
今のあたし達に必要なのは、討伐目標であるスライムの種族、位置、形状や大きさ。
大胆に進んでいって不意打ちを食らったら、間違いなく全滅する。
各階層は、天井を支える柱となるように掘り残し、あとはただただ広い空間になっている。
だから下の階に降りるときには、死角となるのは上の階層の床になっている、下の階層の天井くらい。
「待った。照明がないな」
「てことは、誰もここに来ていない?」
それはおかしいな。
だって、引き受けた冒険者のパーティは八組じゃなかった?
そのうちの二組がリタイアしたんだよね。
残りの六組は?
ここに来るまですれ違ったり合流したりはしなかったよね?
「……引き受けた連中は……はっきり言えば安否不明。ひょっとしたらうかつに降りて犠牲になった可能性もある」
ウォードルの一言は、思いついた誰もが言い出したくない最悪の事態。
けど、だからこそ同じ轍を踏まない、という強い気構えにも見えた。
「まずは照明ね。明るくすると目が眩むから、強くはない灯りをつけて……」
メーイが適当に、照明の代わりになる魔石を投げた。
カスミビが階段で腹ばいになって覗き込んでいる。
「いねぇな。……柱の陰になってるんなら、大きくはないサイズだし……」
「擬態してる可能性があるぞ」
タテビトの指摘は、あたしには思いつかないことだった。
けどカスミビは、そのことも頭にあったらしい。
「壁や床に、違和感はない。見えてる範囲限定だけどよ」
「気配はあるのよね? 動いてたりしてるかどうかまでは……分からないかな?」
「……待ち構えてる感じはあるな。なんせ、灯りの元がない階層にいきなり照明がついたんだ。何者かが来ると感じ取ってんじゃねぇか?」
あたし達が侵入してくる、と察知されるのは仕方のないことだ。
明るくないと周りが見えない。
周りが見えないと動きづらくなるし、スライムがどこにどう言う状態でいるのか分からないままだから。
「床、壁にはないんだな?」
「天井……つか、床の裏側っつーか……見える範囲に限り、異常なし。毒気を持ってるスライムなら、どか腐食させてるとこもあるだろうしな。けどそんな様子も見えねぇし……進んでよくねぇか?」
「……このままここに滞在したって、何の進展もないしな。だが何があるか分からん。タテビト、カスミビに何かあってもすぐに守れるようについて行ってくれ。俺としろがねはその後ろに。マッキーは弓で何とかできるなら俺らの後ろに、一番最後はメーイの順で、慎重に突入な」
ウォードルの指示に従って、ゆっくりと階段を降りていく。
相手は魔物。
多分スライムもあたし達の気配に気が付いている。
当然、音をなるべく立てずに進んでいることも分かってるんだろうけど、それでも相手にはこちらの余計な情報は与えたくはない。
こちらが、未だに毒系のスライム以外の情報を知らないように。
「……がらんどう、だな」
「つるはしとかは放置されたまま、ね……」
「気ぃつけろよ。気配はある。ここにいる」
「けど……どこにもいない……。照明の魔石、奥に投げ込む?」
注意深く周りを見渡す。
けど、何も見つからない。
しばらくその場にとどまって、目を皿のようにして見まわすけれど、やっぱり何も見つからない。
「ん? 水滴?」
「どうしたの? ウォードル」
「水滴?」
天井から落ちてきたらしい。
上を見てみる。
けど何もない……いや。これって……まさか!
「みんな……まさか、この天井全体を……スライムが覆ってない?」
あたしは大きな声を出したつもりはなかった。
けど、まるでそれを合図にしたかのように、天井から粘体状のものが落ちてきた。
「退路塞がれた!」
その粘体は通せんぼをするように、階段を天井までその体で埋めた。
「業火の呪……うわっ!」
こんな広い天井を、余すことなく覆うくらいのスライムだなんて誰が想像できたか。
あたしにだって無理だ。
おまけに重量もかなりあり、耐性がありそうなタテビトでも、すり足でないと移動できない。
当然あたしたちみんな、その粘体に床ごと覆いつくされてしまった。
「ま……まさか……」
「他の……パーティ……も……」
みんな、身構える間もなくスライムの下敷きになっている。
メーイは既に気を失っているようで、ピクリとも動かない。
もう、誰にも見られないようにするなんて言ってられない。
耳の中や鼻の中にもスライムが入ってくるけど、気にしてられない。
何とか仰向けになり、光の弓矢を出す。
本数は、この階層の天井を全体を多くくらいの数。
もちろん高熱と燃焼の力も忘れずに。
そして、スライムの体を貫通させず、体内に留まって、その力を発動するように準備。
あたし達も大火傷を負うかもしれないけど、助かる可能性はこっちの方がはるかに高い。
もちろん動けないから、引き絞る動作もできない。
けど、体が動けなくても力を発揮できるようにって、転生する前にお願いもした。
「いっ……けぇ!」
光の矢は、スライムの体に余すところなく留まって、全ての矢が高速で高熱を発し、燃焼。
「うっ……な……何……だ……?」
誰かがあたしの弓矢の力に気付いたらしい。
けど、構ってられない。
スライムが業火に包まれる。
が、このままでは巻き沿いを食らう。
けど問題ない。
光の細かい矢には、爆発の力も込めていた。
みんなの悲鳴も聞こえないほどの轟音。
スライムの体は、燃えながら細かく飛び散った。
壁や天井に張り付いてもなお燃え続ける。
けど、誤算が一つあった。
掘削現場の階層は、さらに下もあった。
そしてその爆発の威力は、強烈に下方向にも向けられ、この階層の床に穴を空けた。
光の矢は、スライムの体全体に行き渡っていたけど、あたしの周りに集中していた。
故に、あたしは、さらに下の階層に落ちていった。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】魔物をテイムしたので忌み子と呼ばれ一族から追放された最弱テイマー~今頃、お前の力が必要だと言われても魔王の息子になったのでもう遅い~
柊彼方
ファンタジー
「一族から出ていけ!」「お前は忌み子だ! 俺たちの子じゃない!」
テイマーのエリート一族に生まれた俺は一族の中で最弱だった。
この一族は十二歳になると獣と契約を交わさないといけない。
誰にも期待されていなかった俺は自分で獣を見つけて契約を交わすことに成功した。
しかし、一族のみんなに見せるとそれは『獣』ではなく『魔物』だった。
その瞬間俺は全ての関係を失い、一族、そして村から追放され、野原に捨てられてしまう。
だが、急な展開過ぎて追いつけなくなった俺は最初は夢だと思って行動することに。
「やっと来たか勇者! …………ん、子供?」
「貴方がマオウさんですね! これからお世話になります!」
これは魔物、魔族、そして魔王と一緒に暮らし、いずれ世界最強のテイマー、冒険者として名をとどろかせる俺の物語
2月28日HOTランキング9位!
3月1日HOTランキング6位!
本当にありがとうございます!
貴族令嬢、転生十秒で家出します。目指せ、おひとり様スローライフ
凜
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞にて奨励賞を頂きました。ありがとうございます!
貴族令嬢に転生したリルは、前世の記憶に混乱しつつも今世で恵まれていない環境なことに気が付き、突発で家出してしまう。
前世の社畜生活で疲れていたため、山奥で魔法の才能を生かしスローライフを目指すことにした。しかししょっぱなから魔物に襲われ、元王宮魔法士と出会ったり、はては皇子までやってきてと、なんだかスローライフとは違う毎日で……?
異世界でぼっち生活をしてたら幼女×2を拾ったので養うことにした【改稿版】
きたーの(旧名:せんせい)
ファンタジー
自身のクラスが勇者召喚として呼ばれたのに乗り遅れてお亡くなりになってしまった主人公。
その瞬間を偶然にも神が見ていたことでほぼ不老不死に近い能力を貰い異世界へ!
約2万年の時を、ぼっちで過ごしていたある日、いつも通り森を闊歩していると2人の子供(幼女)に遭遇し、そこから主人公の物語が始まって行く……。
―――
当作品は過去作品の改稿版です。情景描写等を厚くしております。
なお、投稿規約に基づき既存作品に関しては非公開としておりますためご理解のほどよろしくお願いいたします。
アワセワザ! ~異世界乳幼女と父は、二人で強く生きていく~
eggy
ファンタジー
もと魔狩人《まかりびと》ライナルトは大雪の中、乳飲み子を抱いて村に入った。
村では魔獣や獣に被害を受けることが多く、村人たちが生活と育児に協力する代わりとして、害獣狩りを依頼される。
ライナルトは村人たちの威力の低い攻撃魔法と協力して大剣を振るうことで、害獣狩りに挑む。
しかし年々増加、凶暴化してくる害獣に、低威力の魔法では対処しきれなくなってくる。
まだ赤ん坊の娘イェッタは何処からか降りてくる『知識』に従い、魔法の威力増加、複数合わせた使用法を工夫して、父親を援助しようと考えた。
幼い娘と父親が力を合わせて害獣や強敵に挑む、冒険ファンタジー。
「カクヨム」「小説家になろう」にも掲載しています。
お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~
志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」
この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。
父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。
ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。
今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。
その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。
幼女はリペア(修復魔法)で無双……しない
しろこねこ
ファンタジー
田舎の小さな村・セデル村に生まれた貧乏貴族のリナ5歳はある日魔法にめざめる。それは貧乏村にとって最強の魔法、リペア、修復の魔法だった。ちょっと説明がつかないでたらめチートな魔法でリナは覇王を目指……さない。だって平凡が1番だもん。騙され上手な父ヘンリーと脳筋な兄カイル、スーパー執事のゴフじいさんと乙女なおかんマール婆さんとの平和で凹凸な日々の話。
「お前の戦い方は地味すぎる」とギルドをクビになったおっさん、その正体は大陸を震撼させた伝説の暗殺者。
夏見ナイ
ファンタジー
「地味すぎる」とギルドをクビになったおっさん冒険者アラン(40)。彼はこれを機に、血塗られた過去を捨てて辺境の村で静かに暮らすことを決意する。その正体は、10年前に姿を消した伝説の暗殺者“神の影”。
もう戦いはこりごりなのだが、体に染みついた暗殺術が無意識に発動。気配だけでチンピラを黙らせ、小石で魔物を一撃で仕留める姿が「神業」だと勘違いされ、噂が噂を呼ぶ。
純粋な少女には師匠と慕われ、元騎士には神と崇められ、挙句の果てには王女や諸国の密偵まで押しかけてくる始末。本人は畑仕事に精を出したいだけなのに、彼の周りでは勝手に伝説が更新されていく!
最強の元暗殺者による、勘違いスローライフファンタジー、開幕!
10歳で記憶喪失になったけど、チート従魔たちと異世界ライフを楽しみます(リメイク版)
犬社護
ファンタジー
10歳の咲耶(さや)は家族とのキャンプ旅行で就寝中、豪雨の影響で発生した土石流に巻き込まれてしまう。
意識が浮上して目覚めると、そこは森の中。
彼女は10歳の見知らぬ少女となっており、その子の記憶も喪失していたことで、自分が異世界に転生していることにも気づかず、何故深い森の中にいるのかもわからないまま途方に暮れてしまう。
そんな状況の中、森で知り合った冒険者ベイツと霊鳥ルウリと出会ったことで、彼女は徐々に自分の置かれている状況を把握していく。持ち前の明るくてのほほんとしたマイペースな性格もあって、咲耶は前世の知識を駆使して、徐々に異世界にも慣れていくのだが、そんな彼女に転機が訪れる。それ以降、これまで不明だった咲耶自身の力も解放され、様々な人々や精霊、魔物たちと出会い愛されていく。
これは、ちょっぴり天然な《咲耶》とチート従魔たちとのまったり異世界物語。
○○○
旧版を基に再編集しています。
第二章(16話付近)以降、完全オリジナルとなります。
旧版に関しては、8月1日に削除予定なのでご注意ください。
この作品は、ノベルアップ+にも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる