482 / 493
邪なるモノか聖なるモノか
アラタ、法廷にて その3
しおりを挟む
確かに感じる気配だけで判断するなら、この少年には害意はない。
というか……現実逃避というか、現実を無視してるというか。
胸板の防具は古めかしいもの。
古い傷跡はたくさんあり、修繕された形跡はない。
かといって、新しい傷もない。
「……あれ?」
「どうしました? アラタさん」
そう言えば……。
現象を引き起こした黒幕の連中が、店に来た時のこと思い出した。
嫌悪感というか何というか……。
とにかく不快極まりなかった。
その場からすぐに立ち去りたかった。
だが、今目の前にいるこいつからは、装備からは……呪いの防具という割には……。
そんな嫌悪感は欠片も感じられない。
となると、それはそれで問題が生じる。
「……アークス」
「どうしました?」
……何か……お前、やっぱ敬語にすごく違和感あるんだが。
まぁそれはいいか。
「傷害事件を起こしたっつったな?」
「はい」
「理由なき犯行した奴らからだって、そんなことをしそうな気配は感じる。だがこいつからは、全くそんなものは感じないんだが?」
「何?」
こいつからは好感も得られない。
だからといって、そんな奴全て犯罪者になるわけじゃない。
「あんた、何口走ってるのよ! あたし達の息子が大怪我させられたのよ?! そいつが悪いに決まってるじゃない!」
いきなり傍聴席から、女性の怒鳴り声が飛んできた。
鉄柵の最前列にいる一人。
その言葉をそのまま受け止めるなら、その女性は被害者の母親ってことになるな。
と、すぐさま裁判長からの大声が。
「静粛に! かの者の言葉が聞こえたということは、その言葉は、かの者の感情に振り回されることなき言葉であり、真実を語っている証明ですっ!」
再び厳かな雰囲気がその場を覆う。
だが、その雰囲気についていけてない。
そんな実感はないし、ただ感じたまま、オークスに喋ってるだけなんだがなぁ。
いや、そんなことよりも。
「そもそも呪いって……どんな効果……というか……影響を、誰に及ぼしてんだ? つか、傷害事件が起きる前に、前兆みたいなことはなかったのか?」
「いや……そんな報告は受けてはいませんが……」
「あのさ……この人物の様子を見て、誰も何も不審に思わなかったと?」
呆れて何も言えん。
明らかにおかしいだろ。
「養成所に入る子供らの健康状態は、みんなまともなんじゃねぇの? 見ろよ、こいつの体型。どちらかというとやせ衰えてるだろ。ガリガリに痩せてるわけじゃねぇけど、一日や二日でこんなに痩せないだろ」
「それは……呪いの効果……」
「なら傷害事件が起きる前に、その異様さで騒ぎになって、改善策を取るもんじゃねぇの?」
所属している組織や団体が、大騒動になる前にまず動くだろ。
そうなるまでにほったらかしにしてたんじゃねぇの?
それが、そんな大事になるまで何もせず、か。
養成所全体が、やましいことがあってそれを隠蔽しようとしてる、などということも考えられなくもない。
「……傷害事件の全貌は分からんが、何かをきっかけに起きたことは間違いねぇだろう。何がきっかけだったかくらいの調査はしたんじゃねぇの?」
「いきなり暴れ出した、ということ以外の情報はありません」
「どっからの情報だ?」
先生か養成所からの証言ならかなり怪しいが……。
「被害者とその目撃者からの……」
聞きたい事はそういうことじゃないんだがな。
ということは、俺の質問の仕方がよくなかったか。
「……被害者と加害者の関係は、今回の事件が起きる前から、他の生徒……訓練生よりも強い関係を持ってたか? 例えば同級生……」
確か全寮制って言ったなかったか?
となれば、だ。
「寮で同部屋だったとか」
「同部屋、そして、実践の授業では同じ班という報告があります」
「ということは、この状態になった後も、物理的に接触したことはあった?」
「証言をまとめると、そういうことは何度かあったものと推察されます。同じ班の訓練生達は、接触ばかりではなく何度か話しかけた、ということも。ですが、一々触ったかどうかの質問をするというのも……」
まぁ、そうなんだが。
とりあえず、仲間を無視しないこともあった、とは言えるな。
だが待て。
「呪いの確認がどうのとかで接触した奴らがいるっつったな? 俺と同じような奴が、と」
「はい。解呪のための作業中に」
「何でそいつらは被害に遭わなかった?」
「……被告人が暴れなかったから、という答えでよろしいでしょうか?」
何というか……。
そりゃ確かにその通りだろうさ。
……とんち比べやってるわけじゃねんだがな。
にしても、だ。
接触の仕方に違いがあったのか?
「解呪の時はその……分解とかしようとしたのか?」
「いえ。ただ触れただけです」
「触れただけ?」
「はい。ですが、件の訓練生らも、触っただけ、という証言を得ています」
どっちも触っただけ。
なのに片方は被害が出て、片方は何の被害もなかった。
どういうことだ?
俺、大丈夫かな……。
つか、結局呪いそのものは一体どんなんなんだ?
「で、結局こいつは、この装備を身につけてからどんな悪影響を受けたんだ?」
とりあえず元気がないってことくらいは分かるが、果たして呪いによるものかどうか。
「現実を見ることがほとんどない、ということらしいです。会話もしない。言葉を発しても会話にならない。食欲がない。身体の健康が著しく損ねているのと、成長が遅くなっている。これは冒険者としての修練度も含みます」
いわゆるレベルアップができないってやつか?
……レベルってもんがあるかどうかは分からんが。
「あと、その装備……防具が外れない、と言ったところですか」
「……風呂は……?」
「その格好のまま、お湯や水をかぶる……かぶらせる、と言った方が正確ですか」
なんとまぁ。
あ、あと一つ、忘れてたな。
「……あと、むやみやたらに周囲に暴力をふるう?」
「いえ。それはないようです」
「へ? いや、だって……」
暴力をふるうことがなければ、傷害事件なんて起こらんだろ。
どういうこと?
「普段は、ほとんどぼーっとしてるとか。だから、なぜ急に暴力をふるったのか……」
「分からないから危険人物なんです! さっさと処分を!」
「静粛に!」
またもあのおぼさんの絶叫。
それに続いて裁判官。
やれやれけだ。
「コホン。……そのことも含めて、アラタさんにこの場で解明していただけたら、と」
……そういうの、丸投げって言わない?
扉は開けられたが、中に踏み入るのはちょっと怖い。
だからと言って、檻の外にそいつを出すのはもっと怖い。
「……俺の身に何かが起きたら……」
「警備は怠りません。大丈夫です」
「お……おう……」
俺の背中に、ほぼぴったりな感じで付き添ってくれるのは……。
心強さはなくもないんだが……もう少し離れてほしい。
手を伸ばせば届く距離だから、ちょっと身構えつつ、檻の外から手を伸ばして触れてみる。
が、感じる気配に変化はない。
見える光景に気を囚われ過ぎてるのか。
集中するために、目を閉じてみる。
瞼を閉じると何も見えないのは当たり前。
だが、ぼんやりとした明るさが感じられるようになってきた。
気のせいかもしれないし、瞼の裏の血液の流れの変化かも分からん。
一々報告すべきなんだろうが、こんなことを報告したところで、何の解明にもなりゃしない。
みんなが期待するのは事件の解明であって、俺の身体の変化じゃないだろうしな。
もう少しこのままで様子を伺ってみることにする。
というか……現実逃避というか、現実を無視してるというか。
胸板の防具は古めかしいもの。
古い傷跡はたくさんあり、修繕された形跡はない。
かといって、新しい傷もない。
「……あれ?」
「どうしました? アラタさん」
そう言えば……。
現象を引き起こした黒幕の連中が、店に来た時のこと思い出した。
嫌悪感というか何というか……。
とにかく不快極まりなかった。
その場からすぐに立ち去りたかった。
だが、今目の前にいるこいつからは、装備からは……呪いの防具という割には……。
そんな嫌悪感は欠片も感じられない。
となると、それはそれで問題が生じる。
「……アークス」
「どうしました?」
……何か……お前、やっぱ敬語にすごく違和感あるんだが。
まぁそれはいいか。
「傷害事件を起こしたっつったな?」
「はい」
「理由なき犯行した奴らからだって、そんなことをしそうな気配は感じる。だがこいつからは、全くそんなものは感じないんだが?」
「何?」
こいつからは好感も得られない。
だからといって、そんな奴全て犯罪者になるわけじゃない。
「あんた、何口走ってるのよ! あたし達の息子が大怪我させられたのよ?! そいつが悪いに決まってるじゃない!」
いきなり傍聴席から、女性の怒鳴り声が飛んできた。
鉄柵の最前列にいる一人。
その言葉をそのまま受け止めるなら、その女性は被害者の母親ってことになるな。
と、すぐさま裁判長からの大声が。
「静粛に! かの者の言葉が聞こえたということは、その言葉は、かの者の感情に振り回されることなき言葉であり、真実を語っている証明ですっ!」
再び厳かな雰囲気がその場を覆う。
だが、その雰囲気についていけてない。
そんな実感はないし、ただ感じたまま、オークスに喋ってるだけなんだがなぁ。
いや、そんなことよりも。
「そもそも呪いって……どんな効果……というか……影響を、誰に及ぼしてんだ? つか、傷害事件が起きる前に、前兆みたいなことはなかったのか?」
「いや……そんな報告は受けてはいませんが……」
「あのさ……この人物の様子を見て、誰も何も不審に思わなかったと?」
呆れて何も言えん。
明らかにおかしいだろ。
「養成所に入る子供らの健康状態は、みんなまともなんじゃねぇの? 見ろよ、こいつの体型。どちらかというとやせ衰えてるだろ。ガリガリに痩せてるわけじゃねぇけど、一日や二日でこんなに痩せないだろ」
「それは……呪いの効果……」
「なら傷害事件が起きる前に、その異様さで騒ぎになって、改善策を取るもんじゃねぇの?」
所属している組織や団体が、大騒動になる前にまず動くだろ。
そうなるまでにほったらかしにしてたんじゃねぇの?
それが、そんな大事になるまで何もせず、か。
養成所全体が、やましいことがあってそれを隠蔽しようとしてる、などということも考えられなくもない。
「……傷害事件の全貌は分からんが、何かをきっかけに起きたことは間違いねぇだろう。何がきっかけだったかくらいの調査はしたんじゃねぇの?」
「いきなり暴れ出した、ということ以外の情報はありません」
「どっからの情報だ?」
先生か養成所からの証言ならかなり怪しいが……。
「被害者とその目撃者からの……」
聞きたい事はそういうことじゃないんだがな。
ということは、俺の質問の仕方がよくなかったか。
「……被害者と加害者の関係は、今回の事件が起きる前から、他の生徒……訓練生よりも強い関係を持ってたか? 例えば同級生……」
確か全寮制って言ったなかったか?
となれば、だ。
「寮で同部屋だったとか」
「同部屋、そして、実践の授業では同じ班という報告があります」
「ということは、この状態になった後も、物理的に接触したことはあった?」
「証言をまとめると、そういうことは何度かあったものと推察されます。同じ班の訓練生達は、接触ばかりではなく何度か話しかけた、ということも。ですが、一々触ったかどうかの質問をするというのも……」
まぁ、そうなんだが。
とりあえず、仲間を無視しないこともあった、とは言えるな。
だが待て。
「呪いの確認がどうのとかで接触した奴らがいるっつったな? 俺と同じような奴が、と」
「はい。解呪のための作業中に」
「何でそいつらは被害に遭わなかった?」
「……被告人が暴れなかったから、という答えでよろしいでしょうか?」
何というか……。
そりゃ確かにその通りだろうさ。
……とんち比べやってるわけじゃねんだがな。
にしても、だ。
接触の仕方に違いがあったのか?
「解呪の時はその……分解とかしようとしたのか?」
「いえ。ただ触れただけです」
「触れただけ?」
「はい。ですが、件の訓練生らも、触っただけ、という証言を得ています」
どっちも触っただけ。
なのに片方は被害が出て、片方は何の被害もなかった。
どういうことだ?
俺、大丈夫かな……。
つか、結局呪いそのものは一体どんなんなんだ?
「で、結局こいつは、この装備を身につけてからどんな悪影響を受けたんだ?」
とりあえず元気がないってことくらいは分かるが、果たして呪いによるものかどうか。
「現実を見ることがほとんどない、ということらしいです。会話もしない。言葉を発しても会話にならない。食欲がない。身体の健康が著しく損ねているのと、成長が遅くなっている。これは冒険者としての修練度も含みます」
いわゆるレベルアップができないってやつか?
……レベルってもんがあるかどうかは分からんが。
「あと、その装備……防具が外れない、と言ったところですか」
「……風呂は……?」
「その格好のまま、お湯や水をかぶる……かぶらせる、と言った方が正確ですか」
なんとまぁ。
あ、あと一つ、忘れてたな。
「……あと、むやみやたらに周囲に暴力をふるう?」
「いえ。それはないようです」
「へ? いや、だって……」
暴力をふるうことがなければ、傷害事件なんて起こらんだろ。
どういうこと?
「普段は、ほとんどぼーっとしてるとか。だから、なぜ急に暴力をふるったのか……」
「分からないから危険人物なんです! さっさと処分を!」
「静粛に!」
またもあのおぼさんの絶叫。
それに続いて裁判官。
やれやれけだ。
「コホン。……そのことも含めて、アラタさんにこの場で解明していただけたら、と」
……そういうの、丸投げって言わない?
扉は開けられたが、中に踏み入るのはちょっと怖い。
だからと言って、檻の外にそいつを出すのはもっと怖い。
「……俺の身に何かが起きたら……」
「警備は怠りません。大丈夫です」
「お……おう……」
俺の背中に、ほぼぴったりな感じで付き添ってくれるのは……。
心強さはなくもないんだが……もう少し離れてほしい。
手を伸ばせば届く距離だから、ちょっと身構えつつ、檻の外から手を伸ばして触れてみる。
が、感じる気配に変化はない。
見える光景に気を囚われ過ぎてるのか。
集中するために、目を閉じてみる。
瞼を閉じると何も見えないのは当たり前。
だが、ぼんやりとした明るさが感じられるようになってきた。
気のせいかもしれないし、瞼の裏の血液の流れの変化かも分からん。
一々報告すべきなんだろうが、こんなことを報告したところで、何の解明にもなりゃしない。
みんなが期待するのは事件の解明であって、俺の身体の変化じゃないだろうしな。
もう少しこのままで様子を伺ってみることにする。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】魔物をテイムしたので忌み子と呼ばれ一族から追放された最弱テイマー~今頃、お前の力が必要だと言われても魔王の息子になったのでもう遅い~
柊彼方
ファンタジー
「一族から出ていけ!」「お前は忌み子だ! 俺たちの子じゃない!」
テイマーのエリート一族に生まれた俺は一族の中で最弱だった。
この一族は十二歳になると獣と契約を交わさないといけない。
誰にも期待されていなかった俺は自分で獣を見つけて契約を交わすことに成功した。
しかし、一族のみんなに見せるとそれは『獣』ではなく『魔物』だった。
その瞬間俺は全ての関係を失い、一族、そして村から追放され、野原に捨てられてしまう。
だが、急な展開過ぎて追いつけなくなった俺は最初は夢だと思って行動することに。
「やっと来たか勇者! …………ん、子供?」
「貴方がマオウさんですね! これからお世話になります!」
これは魔物、魔族、そして魔王と一緒に暮らし、いずれ世界最強のテイマー、冒険者として名をとどろかせる俺の物語
2月28日HOTランキング9位!
3月1日HOTランキング6位!
本当にありがとうございます!
貴族令嬢、転生十秒で家出します。目指せ、おひとり様スローライフ
凜
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞にて奨励賞を頂きました。ありがとうございます!
貴族令嬢に転生したリルは、前世の記憶に混乱しつつも今世で恵まれていない環境なことに気が付き、突発で家出してしまう。
前世の社畜生活で疲れていたため、山奥で魔法の才能を生かしスローライフを目指すことにした。しかししょっぱなから魔物に襲われ、元王宮魔法士と出会ったり、はては皇子までやってきてと、なんだかスローライフとは違う毎日で……?
異世界でぼっち生活をしてたら幼女×2を拾ったので養うことにした【改稿版】
きたーの(旧名:せんせい)
ファンタジー
自身のクラスが勇者召喚として呼ばれたのに乗り遅れてお亡くなりになってしまった主人公。
その瞬間を偶然にも神が見ていたことでほぼ不老不死に近い能力を貰い異世界へ!
約2万年の時を、ぼっちで過ごしていたある日、いつも通り森を闊歩していると2人の子供(幼女)に遭遇し、そこから主人公の物語が始まって行く……。
―――
当作品は過去作品の改稿版です。情景描写等を厚くしております。
なお、投稿規約に基づき既存作品に関しては非公開としておりますためご理解のほどよろしくお願いいたします。
アワセワザ! ~異世界乳幼女と父は、二人で強く生きていく~
eggy
ファンタジー
もと魔狩人《まかりびと》ライナルトは大雪の中、乳飲み子を抱いて村に入った。
村では魔獣や獣に被害を受けることが多く、村人たちが生活と育児に協力する代わりとして、害獣狩りを依頼される。
ライナルトは村人たちの威力の低い攻撃魔法と協力して大剣を振るうことで、害獣狩りに挑む。
しかし年々増加、凶暴化してくる害獣に、低威力の魔法では対処しきれなくなってくる。
まだ赤ん坊の娘イェッタは何処からか降りてくる『知識』に従い、魔法の威力増加、複数合わせた使用法を工夫して、父親を援助しようと考えた。
幼い娘と父親が力を合わせて害獣や強敵に挑む、冒険ファンタジー。
「カクヨム」「小説家になろう」にも掲載しています。
お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~
志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」
この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。
父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。
ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。
今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。
その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。
幼女はリペア(修復魔法)で無双……しない
しろこねこ
ファンタジー
田舎の小さな村・セデル村に生まれた貧乏貴族のリナ5歳はある日魔法にめざめる。それは貧乏村にとって最強の魔法、リペア、修復の魔法だった。ちょっと説明がつかないでたらめチートな魔法でリナは覇王を目指……さない。だって平凡が1番だもん。騙され上手な父ヘンリーと脳筋な兄カイル、スーパー執事のゴフじいさんと乙女なおかんマール婆さんとの平和で凹凸な日々の話。
「お前の戦い方は地味すぎる」とギルドをクビになったおっさん、その正体は大陸を震撼させた伝説の暗殺者。
夏見ナイ
ファンタジー
「地味すぎる」とギルドをクビになったおっさん冒険者アラン(40)。彼はこれを機に、血塗られた過去を捨てて辺境の村で静かに暮らすことを決意する。その正体は、10年前に姿を消した伝説の暗殺者“神の影”。
もう戦いはこりごりなのだが、体に染みついた暗殺術が無意識に発動。気配だけでチンピラを黙らせ、小石で魔物を一撃で仕留める姿が「神業」だと勘違いされ、噂が噂を呼ぶ。
純粋な少女には師匠と慕われ、元騎士には神と崇められ、挙句の果てには王女や諸国の密偵まで押しかけてくる始末。本人は畑仕事に精を出したいだけなのに、彼の周りでは勝手に伝説が更新されていく!
最強の元暗殺者による、勘違いスローライフファンタジー、開幕!
10歳で記憶喪失になったけど、チート従魔たちと異世界ライフを楽しみます(リメイク版)
犬社護
ファンタジー
10歳の咲耶(さや)は家族とのキャンプ旅行で就寝中、豪雨の影響で発生した土石流に巻き込まれてしまう。
意識が浮上して目覚めると、そこは森の中。
彼女は10歳の見知らぬ少女となっており、その子の記憶も喪失していたことで、自分が異世界に転生していることにも気づかず、何故深い森の中にいるのかもわからないまま途方に暮れてしまう。
そんな状況の中、森で知り合った冒険者ベイツと霊鳥ルウリと出会ったことで、彼女は徐々に自分の置かれている状況を把握していく。持ち前の明るくてのほほんとしたマイペースな性格もあって、咲耶は前世の知識を駆使して、徐々に異世界にも慣れていくのだが、そんな彼女に転機が訪れる。それ以降、これまで不明だった咲耶自身の力も解放され、様々な人々や精霊、魔物たちと出会い愛されていく。
これは、ちょっぴり天然な《咲耶》とチート従魔たちとのまったり異世界物語。
○○○
旧版を基に再編集しています。
第二章(16話付近)以降、完全オリジナルとなります。
旧版に関しては、8月1日に削除予定なのでご注意ください。
この作品は、ノベルアップ+にも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる