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断罪された悪役令嬢、拾ってくれたもふもふに餌付けされて過保護に育てられています
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ひんやりとした土の感触と、湿った苔の匂いで、意識がゆっくりと浮上した。
目を開けると、見慣れない鬱蒼とした森の中だった。
木々の隙間から差し込む月明かりだけが頼りだ。
(……ここは、どこ? わたくしは……誰?)
頭が割れるように痛む。
自分が誰で、なぜこんな場所にいるのか、全く思い出せない。
覚えているのは、「エリアーヌ」という自分の名前らしき響きと、貴族としての基本的な作法、そして、胸の奥底にこびりついた、言いようのない喪失感と恐怖だけだった。
身体を起こそうとして、全身に走る痛みに顔をしかめる。
服は泥と葉で汚れ、あちこち破れていた。
どうやら、どこかから突き落とされたか、あるいは放り出されたらしい。
(誰が……わたくしを……?)
断片的な映像が脳裏をよぎる。
豪華なドレス、きらびやかな広間、冷たい視線、誰かの罵る声……。
しかし、それが何を意味するのか、どうしても思い出せない。
途方に暮れ、冷え切った身体を抱きしめて震えていると、不意に、背後の茂みがガサリと音を立てた。
びくりとして振り返ると、暗闇の中に、月光を浴びて銀色に輝く、巨大な獣のシルエットが浮かび上がっていた。
狼……? いや、狼にしてはあまりにも大きい。
体長は大型の馬ほどもあり、全身がふさふさとした、雪のように白い毛で覆われている。
そして、暗闇の中で爛々と光る、知性を感じさせる金色の瞳が、真っ直ぐにこちらを見つめていた。
(け、獣……!? た、食べられる……!?)
エリアーヌは恐怖に竦み上がり、声も出せずに固まった。
もうおしまいだ。
こんな森の奥で、巨大な獣に喰われて死ぬなんて……。
しかし、その巨大な獣――もふもふ、と呼ぶにはあまりにも威厳がありすぎたが、他に表現が見当たらない――は、エリアーヌに襲いかかる様子はなかった。
それどころか、ゆっくりと彼女に近づくと、ふんふんと匂いを嗅いだ後、大きな鼻先で彼女の頬を優しく小突いた。
そして、どこからか取り出したのか、艶やかな赤い木の実を、エリアーヌの目の前にそっと置いたのだ。
「……え?」
エリアーヌは、目の前の木の実と、巨大なもふもふの顔を交互に見比べた。
これは……もしかして、わたくしに、これを食べろと……?
恐る恐る木の実を手に取ってみる。
甘酸っぱい、いい香りがした。
空腹だったこともあり、エリアーヌは思い切ってそれを口にした。
途端に、芳醇な甘みと瑞々しさが口いっぱいに広がる。
今まで食べたどんな果物よりも美味しいかもしれない。
身体の芯から、力が湧いてくるような気がした。
エリアーヌが夢中で木の実を食べていると、もふもふは満足そうに喉を鳴らし、彼女の隣にごろりと横になった。
そして、その巨大な体で、冷えたエリアーヌの身体を温めるように寄り添ってきたのだ。
その毛は驚くほど柔らかく、温かくて、心地よかった。
恐怖心は、いつの間にかどこかへ消え去り、代わりに不思議な安心感がエリアーヌを包み込んでいた。
(このもふもふさん……優しい……)
エリアーヌは、その温かい毛皮に顔をうずめながら、いつの間にか深い眠りに落ちていた。
***
それから、エリアーヌと巨大なもふもふとの、奇妙な同居生活が始まった。
もふもふは、森の奥深くにある、陽光が差し込む苔むした洞窟を住処にしており、エリアーヌをそこへ連れて帰ると、まるで自分の子供か、あるいはペットか何かのように、甲斐甲斐しく世話を焼き始めた。
毎朝、目が覚めると枕元には見たこともないような美しい果物や、栄養価の高そうな木の実が置かれている。
昼には、もふもふがどこからか狩ってきた(らしい)新鮮な魚や鳥を、器用に焼いて食べさせてくれた。(調理方法は不明だが、絶妙な火加減だった)
夜は、いつも隣で眠り、その温かい毛皮でエリアーヌを寒さから守ってくれた。
まさに、至れり尽くせりの「餌付け」状態である。
言葉は通じない(はずだ)。
それでも、エリアーヌが何かを欲しそうにしていると、もふもふは不思議とそれを察して用意してくれたし、エリアーヌが断片的な悪夢(断罪シーンのフラッシュバックだろうか)にうなされていると、大きな前足で優しく頭を撫でてくれた。
エリアーヌは、記憶がない不安を抱えながらも、この言葉を話さない(?)優しい保護者の存在に、日に日に懐いていった。
もふもふの背中に乗って森を散歩したり、その柔らかい毛並みを撫でながらうたた寝したりするのが、彼女のささやかな楽しみとなっていた。
一方、もふもふ――その正体は、この森を守護する伝説の神獣、聖白銀狼(セントシルバーウルフ)のアルテミス(ただしエリアーヌはまだ知らない)――もまた、この記憶を失った人間の娘に、日に日に強い庇護欲を感じ始めていた。
最初は、森に捨てられた哀れな存在への気まぐれな同情だったはずが、彼女の無垢な笑顔や、自分に完全に信頼を寄せてくる姿を見るうちに、どうしようもなく愛おしくなっていったのだ。
(この娘は、私が守らねばならぬ)
その思いは、もはや単なる庇護欲を超え、もっと別の、独占欲にも似た感情へと変わりつつあった。
アルテミスは、時折人型――月光のような銀髪と、獣と同じ金色の瞳を持つ、神々しいまでの美青年――の姿を取り、森の外へ出て情報を集めていた。
そして、エリアーヌが、有力公爵家の令嬢でありながら、王太子妃の座を狙うライバル令嬢の策略によって「悪役令嬢」の濡れ衣を着せられ、婚約者である王太子からも断罪され、この森に捨てられたという事実を知った。
人間の愚かさと、エリアーヌの受けた仕打ちに、アルテミスは静かな怒りを燃やしていた。
ある日、エリアーヌが洞窟の前で日向ぼっこをしていると、森の奥から複数の人間の気配が近づいてくるのを感じた。
それは、明らかに敵意を持った気配だった。
(追手が来たのか……!)
エリアーヌは、断片的な記憶の中にある恐怖を思い出し、身を固くした。
茂みから現れたのは、武装した数人の男たちだった。
彼らは、エリアーヌを見るなり、下卑た笑みを浮かべた。
「見つけたぜ、あの悪女だ」
「公爵様からのご命令だ。ここで確実に息の根を止めろ、とな」
男たちが、剣を抜いてじりじりと近づいてくる。
エリアーヌは恐怖で声も出せず、ただ震えるしかなかった。
その時だった。
「グルルルルル……ッ!」
低い唸り声と共に、エリアーヌの前に、巨大な白い影が立ちはだかった。
アルテミスだ。
その金色の瞳は怒りに燃え、全身の毛を逆立て、鋭い牙を剥き出しにしている。
その姿は、もはや優しいもふもふではなく、森の怒りを体現したかのような、恐ろしい神獣そのものだった。
「ひいっ! な、なんだ、この魔獣は!?」
男たちは、突然現れた巨大な獣の姿に完全に怯んだ。
アルテミスは、そんな彼らを一瞥すると、一瞬でその間合いを詰め、鋭い爪と牙で次々と薙ぎ払っていく。
悲鳴を上げる間もなく、男たちは森の奥へと吹き飛ばされ、あるいは地面に叩きつけられ、あっという間に戦闘不能に陥った。
その力は、まさに圧倒的だった。
戦いが終わり、静寂が戻ると、アルテミスは再びエリアーヌの元へ戻ってきた。
その金色の瞳には、先ほどの獰猛さはなく、エリアーヌを心配するような色が浮かんでいる。
彼は、震えるエリアーヌの身体にそっと鼻先を寄せ、大丈夫だ、とでも言うように優しく鳴いた。
エリアーヌは、自分を守ってくれた巨大なもふもふを見上げ、涙を流した。
そして、初めて、はっきりと自分の意志で言葉を発した。
「……ありがとう……ございます。あなた様……」
その言葉に応えるかのように、アルテミスの身体が淡い光に包まれた。
光が収まると、そこに立っていたのは、あの銀髪金眼の美しい青年だった。
彼は、驚くエリアーヌの前に跪くと、彼女の手を優しく取った。
「……驚かせてすまなかった。我が名はアルテミス。この森を守る者だ」
初めて聞く、彼の声。
低く、心地よく響く声だった。
「そして……エリアーヌ。君の過去も、君が受けた仕打ちも、全て知っている」
「え……?」
エリアーヌは、戸惑いながらも彼の瞳を見つめた。
「君が悪役令嬢だったという過去など、私には関係ない。私にとって、君は……か弱く、守るべき、そして……誰よりも愛おしい存在だ」
アルテミスは、エリアーヌの手の甲に、そっと口づけた。
「どうか、恐れないでほしい。これからは私が、必ず君を守り抜く。だから……私のそばにいてくれないか?」
それは、神獣からの、不器用で、しかし真摯な告白だった。
エリアーヌは、涙で濡れた顔で、それでも精一杯の笑顔を作って頷いた。
記憶がなくても、過去がどうであれ、この優しくて強い存在のそばにいたい。
心からそう思った。
こうして、記憶喪失の悪役令嬢と、過保護なもふもふ神獣の、少し不思議で、とびきり甘い物語が始まった。
彼女を陥れた者たちへの「ざまぁ」は、これから神獣様がしっかり果たしてくれるだろう。
エリアーヌの仕事は、もふもふな彼に、これからも美味しい木の実を探してあげること……なのかもしれない。
目を開けると、見慣れない鬱蒼とした森の中だった。
木々の隙間から差し込む月明かりだけが頼りだ。
(……ここは、どこ? わたくしは……誰?)
頭が割れるように痛む。
自分が誰で、なぜこんな場所にいるのか、全く思い出せない。
覚えているのは、「エリアーヌ」という自分の名前らしき響きと、貴族としての基本的な作法、そして、胸の奥底にこびりついた、言いようのない喪失感と恐怖だけだった。
身体を起こそうとして、全身に走る痛みに顔をしかめる。
服は泥と葉で汚れ、あちこち破れていた。
どうやら、どこかから突き落とされたか、あるいは放り出されたらしい。
(誰が……わたくしを……?)
断片的な映像が脳裏をよぎる。
豪華なドレス、きらびやかな広間、冷たい視線、誰かの罵る声……。
しかし、それが何を意味するのか、どうしても思い出せない。
途方に暮れ、冷え切った身体を抱きしめて震えていると、不意に、背後の茂みがガサリと音を立てた。
びくりとして振り返ると、暗闇の中に、月光を浴びて銀色に輝く、巨大な獣のシルエットが浮かび上がっていた。
狼……? いや、狼にしてはあまりにも大きい。
体長は大型の馬ほどもあり、全身がふさふさとした、雪のように白い毛で覆われている。
そして、暗闇の中で爛々と光る、知性を感じさせる金色の瞳が、真っ直ぐにこちらを見つめていた。
(け、獣……!? た、食べられる……!?)
エリアーヌは恐怖に竦み上がり、声も出せずに固まった。
もうおしまいだ。
こんな森の奥で、巨大な獣に喰われて死ぬなんて……。
しかし、その巨大な獣――もふもふ、と呼ぶにはあまりにも威厳がありすぎたが、他に表現が見当たらない――は、エリアーヌに襲いかかる様子はなかった。
それどころか、ゆっくりと彼女に近づくと、ふんふんと匂いを嗅いだ後、大きな鼻先で彼女の頬を優しく小突いた。
そして、どこからか取り出したのか、艶やかな赤い木の実を、エリアーヌの目の前にそっと置いたのだ。
「……え?」
エリアーヌは、目の前の木の実と、巨大なもふもふの顔を交互に見比べた。
これは……もしかして、わたくしに、これを食べろと……?
恐る恐る木の実を手に取ってみる。
甘酸っぱい、いい香りがした。
空腹だったこともあり、エリアーヌは思い切ってそれを口にした。
途端に、芳醇な甘みと瑞々しさが口いっぱいに広がる。
今まで食べたどんな果物よりも美味しいかもしれない。
身体の芯から、力が湧いてくるような気がした。
エリアーヌが夢中で木の実を食べていると、もふもふは満足そうに喉を鳴らし、彼女の隣にごろりと横になった。
そして、その巨大な体で、冷えたエリアーヌの身体を温めるように寄り添ってきたのだ。
その毛は驚くほど柔らかく、温かくて、心地よかった。
恐怖心は、いつの間にかどこかへ消え去り、代わりに不思議な安心感がエリアーヌを包み込んでいた。
(このもふもふさん……優しい……)
エリアーヌは、その温かい毛皮に顔をうずめながら、いつの間にか深い眠りに落ちていた。
***
それから、エリアーヌと巨大なもふもふとの、奇妙な同居生活が始まった。
もふもふは、森の奥深くにある、陽光が差し込む苔むした洞窟を住処にしており、エリアーヌをそこへ連れて帰ると、まるで自分の子供か、あるいはペットか何かのように、甲斐甲斐しく世話を焼き始めた。
毎朝、目が覚めると枕元には見たこともないような美しい果物や、栄養価の高そうな木の実が置かれている。
昼には、もふもふがどこからか狩ってきた(らしい)新鮮な魚や鳥を、器用に焼いて食べさせてくれた。(調理方法は不明だが、絶妙な火加減だった)
夜は、いつも隣で眠り、その温かい毛皮でエリアーヌを寒さから守ってくれた。
まさに、至れり尽くせりの「餌付け」状態である。
言葉は通じない(はずだ)。
それでも、エリアーヌが何かを欲しそうにしていると、もふもふは不思議とそれを察して用意してくれたし、エリアーヌが断片的な悪夢(断罪シーンのフラッシュバックだろうか)にうなされていると、大きな前足で優しく頭を撫でてくれた。
エリアーヌは、記憶がない不安を抱えながらも、この言葉を話さない(?)優しい保護者の存在に、日に日に懐いていった。
もふもふの背中に乗って森を散歩したり、その柔らかい毛並みを撫でながらうたた寝したりするのが、彼女のささやかな楽しみとなっていた。
一方、もふもふ――その正体は、この森を守護する伝説の神獣、聖白銀狼(セントシルバーウルフ)のアルテミス(ただしエリアーヌはまだ知らない)――もまた、この記憶を失った人間の娘に、日に日に強い庇護欲を感じ始めていた。
最初は、森に捨てられた哀れな存在への気まぐれな同情だったはずが、彼女の無垢な笑顔や、自分に完全に信頼を寄せてくる姿を見るうちに、どうしようもなく愛おしくなっていったのだ。
(この娘は、私が守らねばならぬ)
その思いは、もはや単なる庇護欲を超え、もっと別の、独占欲にも似た感情へと変わりつつあった。
アルテミスは、時折人型――月光のような銀髪と、獣と同じ金色の瞳を持つ、神々しいまでの美青年――の姿を取り、森の外へ出て情報を集めていた。
そして、エリアーヌが、有力公爵家の令嬢でありながら、王太子妃の座を狙うライバル令嬢の策略によって「悪役令嬢」の濡れ衣を着せられ、婚約者である王太子からも断罪され、この森に捨てられたという事実を知った。
人間の愚かさと、エリアーヌの受けた仕打ちに、アルテミスは静かな怒りを燃やしていた。
ある日、エリアーヌが洞窟の前で日向ぼっこをしていると、森の奥から複数の人間の気配が近づいてくるのを感じた。
それは、明らかに敵意を持った気配だった。
(追手が来たのか……!)
エリアーヌは、断片的な記憶の中にある恐怖を思い出し、身を固くした。
茂みから現れたのは、武装した数人の男たちだった。
彼らは、エリアーヌを見るなり、下卑た笑みを浮かべた。
「見つけたぜ、あの悪女だ」
「公爵様からのご命令だ。ここで確実に息の根を止めろ、とな」
男たちが、剣を抜いてじりじりと近づいてくる。
エリアーヌは恐怖で声も出せず、ただ震えるしかなかった。
その時だった。
「グルルルルル……ッ!」
低い唸り声と共に、エリアーヌの前に、巨大な白い影が立ちはだかった。
アルテミスだ。
その金色の瞳は怒りに燃え、全身の毛を逆立て、鋭い牙を剥き出しにしている。
その姿は、もはや優しいもふもふではなく、森の怒りを体現したかのような、恐ろしい神獣そのものだった。
「ひいっ! な、なんだ、この魔獣は!?」
男たちは、突然現れた巨大な獣の姿に完全に怯んだ。
アルテミスは、そんな彼らを一瞥すると、一瞬でその間合いを詰め、鋭い爪と牙で次々と薙ぎ払っていく。
悲鳴を上げる間もなく、男たちは森の奥へと吹き飛ばされ、あるいは地面に叩きつけられ、あっという間に戦闘不能に陥った。
その力は、まさに圧倒的だった。
戦いが終わり、静寂が戻ると、アルテミスは再びエリアーヌの元へ戻ってきた。
その金色の瞳には、先ほどの獰猛さはなく、エリアーヌを心配するような色が浮かんでいる。
彼は、震えるエリアーヌの身体にそっと鼻先を寄せ、大丈夫だ、とでも言うように優しく鳴いた。
エリアーヌは、自分を守ってくれた巨大なもふもふを見上げ、涙を流した。
そして、初めて、はっきりと自分の意志で言葉を発した。
「……ありがとう……ございます。あなた様……」
その言葉に応えるかのように、アルテミスの身体が淡い光に包まれた。
光が収まると、そこに立っていたのは、あの銀髪金眼の美しい青年だった。
彼は、驚くエリアーヌの前に跪くと、彼女の手を優しく取った。
「……驚かせてすまなかった。我が名はアルテミス。この森を守る者だ」
初めて聞く、彼の声。
低く、心地よく響く声だった。
「そして……エリアーヌ。君の過去も、君が受けた仕打ちも、全て知っている」
「え……?」
エリアーヌは、戸惑いながらも彼の瞳を見つめた。
「君が悪役令嬢だったという過去など、私には関係ない。私にとって、君は……か弱く、守るべき、そして……誰よりも愛おしい存在だ」
アルテミスは、エリアーヌの手の甲に、そっと口づけた。
「どうか、恐れないでほしい。これからは私が、必ず君を守り抜く。だから……私のそばにいてくれないか?」
それは、神獣からの、不器用で、しかし真摯な告白だった。
エリアーヌは、涙で濡れた顔で、それでも精一杯の笑顔を作って頷いた。
記憶がなくても、過去がどうであれ、この優しくて強い存在のそばにいたい。
心からそう思った。
こうして、記憶喪失の悪役令嬢と、過保護なもふもふ神獣の、少し不思議で、とびきり甘い物語が始まった。
彼女を陥れた者たちへの「ざまぁ」は、これから神獣様がしっかり果たしてくれるだろう。
エリアーヌの仕事は、もふもふな彼に、これからも美味しい木の実を探してあげること……なのかもしれない。
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