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ワイバーンと野営飯ふたたび
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翌朝、ランスは酷い顔で朝食の用意をしていた。
「おはよう、ランスロット君」
「おはようございます、ダリウスさん」
「いや、私のことはダリウスと呼んでくれたまえ。きみが二級の冒険者たる存在と、私も認めたのでね。冒険者は冒険者らしく、対等でいこうではないか」
「そりゃどーも」
──気安い態度のつもりだろうが、やっぱり高飛車だな……。
「これは、なんの実だ?」
「ドーンベリー。岩場の、しかも早朝、朝日がさす時間帯にしか取れないベリーです」
一つつまんで口に入れ、ダリウスは顔をしかめた。
「酸っぱすぎないかね?」
「ハニービーの蜜も混ぜますから、旨いですよ」
「そんな貴重なもの、持ってきたのかね?」
「いや、あそこに巣があったんで」
ランスが指差すと、振り返ったダリウスは一瞬目を眇め、それから感心したように頷いた。
「ランスロット君は、気配察知もなかなかのものだね。朝から、蜜の採取をした……と」
「冒険者としての一通りの〝嗜み〟は持ってますよ。戦闘スキルがないから、実戦には役に立ちませんけど」
「ふうむ。ランスロット君、昨晩から考えてみたんだが──」
「はあ?」
「訂正しよう。きみは確かに、ユーリイのラバーだね」
「そんな訂正はいりませんっ!」
思わず叫んだ。
──朝からなんちゅー話題だよっ!
だがダリウスは、むしろきょとんとした顔をしている。
「だが昨晩、きみたちのテントから、それらしい気配を感じたが?」
「違うしっ! してないしっ! 俺はただのバックアップ担当!」
「そうか。……では、私がきみを口説いても構わないということだね?」
「はっ?」
ダリウスの発言の意味が、伯爵家がパトロンになる件なのか、ダリウスがランスを〝個人的に〟囲い込む話なのか、ランスには判断できなかった。
「ちょっと! 僕が少しばかり寝坊をしている間に、なにをしてるんですか!」
テントから、未だ下着姿のままで、ユーリイが飛び出してくる。
「ランス! ダリウスに変なことされてませんか? 触られてませんか? 舐められてませんか?」
「されてないし。てか、パンツの中を見ようとするなっ!」
ランスは慌てて、掴まれたベルトからユーリイの手を払い落とした。
「ほら! 朝飯!」
今朝は、昨晩の残りのパンケーキに、ドーンベリーとハニービーのソース掛け。
ロックリザードのささみ肉を茹でて裂いたものを、ヴァイタリーフの柔らかい若芽に添えたサラダ。
それにこちらも昨晩の残りのスープに、レモングラスを浮かべたものを出した。
「うーむ。あの酸っぱい味が、蜜と混ざるとアクセントとして素晴らしいな」
パンケーキを口に運んで、ダリウスが言った。
「だから、黙って食べてください。ランスの料理を味わうのに、あなたのお喋りは害悪です」
「ヴァイタリーフは、ポーションの材料と思っていたが……。こうして若芽を塩で食べるのも、意外に旨いものだな。苦みと青臭さがむしろ肉と相まって旨い」
「野営の時、野草は全然食べないのか?」
あらゆることに感心されて、むしろランスのほうが不思議に思って問う。
「そも野営とは、討伐時の移動の一つの形態にすぎん。次の戦いのために力を温存し、生きて帰るために消耗を最小限にする。野営に快適さを求めるのは、少々贅沢であろう」
──まぁ、確かに余分な人間を連れて行けるのは、なかなか出来ないしな。
自分で自分の命を守れない者を連れて行くとなれば、周りがその者の援護をしなければならない。
ランスは戦闘スキルが壊滅的だと知った時、冒険者となることを諦めて、田舎に帰ろうかと考えたこともある。
せっかく一緒に都に出てきた、友人たちのお荷物になりたくなかったから──。
それでも引き止めてくれた友のために、自分は最小限の自衛を学び、最大限パーティーに貢献できるように、野営の雑用を一手に引き受けた。
旨い旨いと朝食を絶賛するダリウスと、争うように食べているユーリイを眺め、ふと──そんな過去のことを思い出した。
§
岩場はやがて、渓谷へと様相を変えた。
騎竜に乗った三人は、商人たちが使っている道を警戒しながら進む。
「これは確かに、上から来られたらたまったもんじゃねぇな」
「うむ。ランスロット君は、この辺りで待っていたほうが安全かもしれんな」
「いえ。本当に危険になったら帰還の魔道具を使ってもらいます。離れた場所で襲われるほうが危険です」
しばらく進むと、倒れた荷車が見えた。
破れた幌、壊れた車輪、散乱した木箱。
「こりゃひどい……」
「人も竜もいませんね」
「つまり〝食べられるもの〟は全部、巣に持ち帰ったんだろう」
血痕はあるが、肉も骨もない。
高価な品はほとんど手つかずで、安価な果物の木箱だけが空っぽだった。
ギョワアアアアアッ!
渓谷内に響き渡る、鋭い鳴き声。
ハッとした時には、上から数羽のワイバーンが急降下してくるところだった。
「クリムゾンバースト!」
騎竜の上でダリウスがマントを翻し、炎の帯が鞭のように弧を描く。
真紅の軌跡が、ワイバーンの翼を焼き裂いた。
「僕も行きます!」
ユーリイは剣を抜き、跳躍一つで断崖を駆け上がる。
一閃、二閃──剣が振られるたび、ワイバーンの悲鳴が弾けた。
「あぶねっ!」
落ちてくるワイバーンから逃れるように、ランスはユーリイの騎竜を端へ寄せる。
「ううむ、今日は魔法の〝キレ〟が冴えておる! エアカッター!」
ダリウスはほぼ同じ場所に立ったまま、迫る個体をまとめて薙ぎ払っていた。
──すげえな。つまり、突っ込まれる前に全部撃ち落としてる……ってことだよな?
「当たり前でしょう! あなた昨日、誰に〝もてなして〟もらったと思ってるんですっ!」
背に翼でもあるのかと思うほど、ユーリイは軽やかに宙を奔る。
断崖の岩肌を蹴り、時にワイバーンの背を踏み台にして、優雅な剣筋で正確に急所を裂き続けた。
──これが、一級の戦いってやつだなぁ。
ただただ感心しつつ、ランスは落ちてくる個体のとどめを確実に刺していく。
「これで、最後か?」
「はい。全部で七匹。群れとしては大きいですね」
「革は貴重だが……我々だけで七匹は持って帰れんな」
ダリウスは騎乗したまま、片手で額をかざして周囲を見渡した。
「ああ、さっきな。そこに岩の切れ目を見つけておいた。風通しがいい。あそこに集めて、ダリウスが氷魔法で軽く凍らせておけばいいんじゃないか?」
ランスが示した場所を覗き、ダリウスは満足げに頷いた。
「なるほど。ここならギルドが回収に来るまで腐敗もせんだろう」
ユーリイとダリウスがワイバーンを運ぶ間、ランスは魔獣よけの草を摘んで回った。
それを焚き火で燻せば、雑魚魔獣は近寄らない。
「よし。これでミッションクリアだな」
ふうっと、ランスは息をついた。
「おはよう、ランスロット君」
「おはようございます、ダリウスさん」
「いや、私のことはダリウスと呼んでくれたまえ。きみが二級の冒険者たる存在と、私も認めたのでね。冒険者は冒険者らしく、対等でいこうではないか」
「そりゃどーも」
──気安い態度のつもりだろうが、やっぱり高飛車だな……。
「これは、なんの実だ?」
「ドーンベリー。岩場の、しかも早朝、朝日がさす時間帯にしか取れないベリーです」
一つつまんで口に入れ、ダリウスは顔をしかめた。
「酸っぱすぎないかね?」
「ハニービーの蜜も混ぜますから、旨いですよ」
「そんな貴重なもの、持ってきたのかね?」
「いや、あそこに巣があったんで」
ランスが指差すと、振り返ったダリウスは一瞬目を眇め、それから感心したように頷いた。
「ランスロット君は、気配察知もなかなかのものだね。朝から、蜜の採取をした……と」
「冒険者としての一通りの〝嗜み〟は持ってますよ。戦闘スキルがないから、実戦には役に立ちませんけど」
「ふうむ。ランスロット君、昨晩から考えてみたんだが──」
「はあ?」
「訂正しよう。きみは確かに、ユーリイのラバーだね」
「そんな訂正はいりませんっ!」
思わず叫んだ。
──朝からなんちゅー話題だよっ!
だがダリウスは、むしろきょとんとした顔をしている。
「だが昨晩、きみたちのテントから、それらしい気配を感じたが?」
「違うしっ! してないしっ! 俺はただのバックアップ担当!」
「そうか。……では、私がきみを口説いても構わないということだね?」
「はっ?」
ダリウスの発言の意味が、伯爵家がパトロンになる件なのか、ダリウスがランスを〝個人的に〟囲い込む話なのか、ランスには判断できなかった。
「ちょっと! 僕が少しばかり寝坊をしている間に、なにをしてるんですか!」
テントから、未だ下着姿のままで、ユーリイが飛び出してくる。
「ランス! ダリウスに変なことされてませんか? 触られてませんか? 舐められてませんか?」
「されてないし。てか、パンツの中を見ようとするなっ!」
ランスは慌てて、掴まれたベルトからユーリイの手を払い落とした。
「ほら! 朝飯!」
今朝は、昨晩の残りのパンケーキに、ドーンベリーとハニービーのソース掛け。
ロックリザードのささみ肉を茹でて裂いたものを、ヴァイタリーフの柔らかい若芽に添えたサラダ。
それにこちらも昨晩の残りのスープに、レモングラスを浮かべたものを出した。
「うーむ。あの酸っぱい味が、蜜と混ざるとアクセントとして素晴らしいな」
パンケーキを口に運んで、ダリウスが言った。
「だから、黙って食べてください。ランスの料理を味わうのに、あなたのお喋りは害悪です」
「ヴァイタリーフは、ポーションの材料と思っていたが……。こうして若芽を塩で食べるのも、意外に旨いものだな。苦みと青臭さがむしろ肉と相まって旨い」
「野営の時、野草は全然食べないのか?」
あらゆることに感心されて、むしろランスのほうが不思議に思って問う。
「そも野営とは、討伐時の移動の一つの形態にすぎん。次の戦いのために力を温存し、生きて帰るために消耗を最小限にする。野営に快適さを求めるのは、少々贅沢であろう」
──まぁ、確かに余分な人間を連れて行けるのは、なかなか出来ないしな。
自分で自分の命を守れない者を連れて行くとなれば、周りがその者の援護をしなければならない。
ランスは戦闘スキルが壊滅的だと知った時、冒険者となることを諦めて、田舎に帰ろうかと考えたこともある。
せっかく一緒に都に出てきた、友人たちのお荷物になりたくなかったから──。
それでも引き止めてくれた友のために、自分は最小限の自衛を学び、最大限パーティーに貢献できるように、野営の雑用を一手に引き受けた。
旨い旨いと朝食を絶賛するダリウスと、争うように食べているユーリイを眺め、ふと──そんな過去のことを思い出した。
§
岩場はやがて、渓谷へと様相を変えた。
騎竜に乗った三人は、商人たちが使っている道を警戒しながら進む。
「これは確かに、上から来られたらたまったもんじゃねぇな」
「うむ。ランスロット君は、この辺りで待っていたほうが安全かもしれんな」
「いえ。本当に危険になったら帰還の魔道具を使ってもらいます。離れた場所で襲われるほうが危険です」
しばらく進むと、倒れた荷車が見えた。
破れた幌、壊れた車輪、散乱した木箱。
「こりゃひどい……」
「人も竜もいませんね」
「つまり〝食べられるもの〟は全部、巣に持ち帰ったんだろう」
血痕はあるが、肉も骨もない。
高価な品はほとんど手つかずで、安価な果物の木箱だけが空っぽだった。
ギョワアアアアアッ!
渓谷内に響き渡る、鋭い鳴き声。
ハッとした時には、上から数羽のワイバーンが急降下してくるところだった。
「クリムゾンバースト!」
騎竜の上でダリウスがマントを翻し、炎の帯が鞭のように弧を描く。
真紅の軌跡が、ワイバーンの翼を焼き裂いた。
「僕も行きます!」
ユーリイは剣を抜き、跳躍一つで断崖を駆け上がる。
一閃、二閃──剣が振られるたび、ワイバーンの悲鳴が弾けた。
「あぶねっ!」
落ちてくるワイバーンから逃れるように、ランスはユーリイの騎竜を端へ寄せる。
「ううむ、今日は魔法の〝キレ〟が冴えておる! エアカッター!」
ダリウスはほぼ同じ場所に立ったまま、迫る個体をまとめて薙ぎ払っていた。
──すげえな。つまり、突っ込まれる前に全部撃ち落としてる……ってことだよな?
「当たり前でしょう! あなた昨日、誰に〝もてなして〟もらったと思ってるんですっ!」
背に翼でもあるのかと思うほど、ユーリイは軽やかに宙を奔る。
断崖の岩肌を蹴り、時にワイバーンの背を踏み台にして、優雅な剣筋で正確に急所を裂き続けた。
──これが、一級の戦いってやつだなぁ。
ただただ感心しつつ、ランスは落ちてくる個体のとどめを確実に刺していく。
「これで、最後か?」
「はい。全部で七匹。群れとしては大きいですね」
「革は貴重だが……我々だけで七匹は持って帰れんな」
ダリウスは騎乗したまま、片手で額をかざして周囲を見渡した。
「ああ、さっきな。そこに岩の切れ目を見つけておいた。風通しがいい。あそこに集めて、ダリウスが氷魔法で軽く凍らせておけばいいんじゃないか?」
ランスが示した場所を覗き、ダリウスは満足げに頷いた。
「なるほど。ここならギルドが回収に来るまで腐敗もせんだろう」
ユーリイとダリウスがワイバーンを運ぶ間、ランスは魔獣よけの草を摘んで回った。
それを焚き火で燻せば、雑魚魔獣は近寄らない。
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