Serendipity

琉斗六

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「あ………ふ………」

 俺は最初、彼が何を始めたのか全く解らなかった。
 時折、支えている彼の白い身体がビクリと震える。
 前髪を透かして見える表情が、まるで苦悶しているように見えた。

「………ん……ん………」

 クチュクチュと濡れた音がしてくると、彼は俺に寄り添うように体重を掛けてきた。
 そこにいたって、俺は彼が俺を受け入れる為に蕾を自分の指先で押し広げ馴らしている事に気付く。
 支えている方の腕はそのままに、俺はもう片方の指先を自分で舐めると、彼の背後にその手を回した。

「………やっ! ハル………っ!」
「だって、こうするんでしょ?」

 俺は彼の指が入っている場所に強引に自分の指をねじ込み、締め付けてくる肉を押し開いて内部で指を回転させた。

「ああっ!」

 ビクンッと白い肢体が跳ねて、俺の服に飛沫が散る。
 膝ですら立っていられなくなった身体は、俺の腕の中に崩れ落ちた。
 意外にも、彼の身体は俺の両腕にすっぽりと収まってしまうほど華奢で。
 がっちりとして筋張った掌は、とても大きい印象があったのに。
 こうしてみると、手足も身体も骨が浮き出ていてやけに細く見えた。
 蕾はまだ、俺の指先を穿たれたまま。
 体内に潜り込んでいる2本の指を蠢かすと、余韻に呆けていた身体がビクンッと反応する。

「や………ぁ……」

 両足を開かせて先程よりも大胆により深く指を潜り込ませると、彼はやっぱり少し苦悶するような顔をして逃げるように腰を引く。
 放った精液で濡れている尖端を指で擦り、滑った指先で乳首を摘んで強く揉む。

「い………っ! あぁっ!」

 敏感な部位を次々に乱暴されて、彼は痛みに顔を歪めたが。
 一度放って萎えたはずのペニスが、明らかに再び勃ちあがってくるのが解った。

「スッゲ………、東雲サンってばまたおっ勃ってきた……。ねぇ、このぐらいほぐれれば、もういい? 俺、もう我慢の限界」
「や……、まだ……無理……」

 首を横に振る彼に、俺もまた答えを否定する。

「ダメ、もう限界だもん」

 腰を引き寄せ、指で散々慣らした場所に尖端を押し当てる。

「や……だっ! ………まだ、ダ……あああぁ…っ!」

 そこはやっぱり堅く閉じていたけれど、先程と違って俺は彼の中に自分を3分の1程度埋め込む事に成功した。

「スッゲ締まる………、もうちょっと力抜いてよ」
「だ…から、無理……だ……って!」
「ヤダ。東雲サンの体内(なか)、あったけぇ」

 強張る身体を強引に貫き、俺は彼の身体をギュウッと抱きしめる。

「東雲サンの身体もあったけぇ………」

 滑らかな肌が心地よく、俺はその感触を惜しむように口唇と指先で触れて愛撫した。

「あ………あっ! ………ハル………カッ!」

 名前を呼ばれると、胸の奥が痛いほど切なくなる。

「東雲サン…………」

 俺は本能のままに腰を振り立て、彼の体内に何度も何度も射精を繰り返した。
 助けを求めるように空を掻く手を取って、逃げ道は無いのだと言わんばかりに押さえ込む。
 体内に放出された俺の精液が逆流して、挿入を繰り返す場所から溢れた液体が彼の内腿を濡らしていた。
 中出しされた熱が潤滑剤の代わりをするらしく、繰り返すたびにそこは俺を受け入れてくれる。
 腰を打ち付ける度に、彼の身体が震え悩ましげに悶える様子がたまらなかった。

 散々の暴力と陵辱が終わったのは、深夜も回った頃だったろう。
 畳の上に全裸で倒れている彼を、俺は身体を重ねるようにして抱いていた。
 あまりに何度も強いられた所為か、数分前に熱を放った後、彼は昏倒してしまったのだ。
 胸に耳を押し当てると鼓動がしたから、俺は安堵して。
 それから、こんなメチャクチャな事をしてしまっては、もう彼に訴えられるか良くてもここから追い出されてしまうかもしれないと思って、その恐怖に怯えていた。
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