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●第五話
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「だけどきみは、人の感情にすごく敏感だろう。今のところ負の感情に対してが、とりわけすごく。それはね、能力が潜在されていたっていう証拠なんだよ」
望が口を挟む。
「そんな──」
「と、いうわけでっ」
和妃の言葉を無理矢理に区切って、ほのかは話を進める。
「林和妃さん、あなたにはあたし達の仲間になってもらうわ。これはあたし達にとって必然で、あなたにとってもそうよ。潜在者だった時と違って、もう目醒めて能力者になっちゃったんだからそうなのよ」
強引な気がするけど、言葉の裏には確かな真実が感じられる。
「おれは反対」
ふい、と神也が立ち上がる。形のいい眉が心底不機嫌そうに歪んでいた。
「どうしてよ?」
ほのかが驚く。
「味方は多いほうがいいってあんたも分かってるんでしょ? あたし達だってその分楽になるのよ?」
「決定的にいやだ。この女は」
神也は鋭い視線を和妃に向ける。胸の奥まで突き刺すように、それは痛かった。
「和妃って、名前がいやだ」
それだけ言うと、部屋を出て行く。まるで子供の理由だ。
でも、和妃には感じられた。何故かは分からないけど、彼は「和妃」という名前が本当にいやなのだと。和妃の中に入り込んできた彼の負の感情が、それを語っていた。
「いい名前じゃないの、何が気に入らないのよ」
ほのかが眉を吊り上げる。章地が軽いため息をついた。
「まだナギサを引きずっているんだ、あいつは」
その言葉に、ほのかはハッとした。
黙り込んでしまう彼女の代わりに、望が立ち上がる。
「あんなガキのことは、あとでぼく達だけで話し合えばいいでしょう。とりあえず味方は本当に必要なんだから」
微笑んで、和妃を見下ろした。
「ぼくは藤久保望。十六歳、きみと同じく高一」
同い年、と聞いて和妃は軽くショックを受けた。ひとつかふたつは絶対に年上だと思ったのに。
「あたしは白宮ほのか。十六歳、高二よ。よろしくね」
続いて、ほのか。差し出された手を、和妃は慌てて握る。
最後に章地が歩み寄った。
近くで見ると──和妃がベッドにいることを除いても──本当に、背が高かった。百八十センチ以上は絶対にあるだろう。
「さっきのあれは、伊総神也。きみや望と同い年だよ。それからおれがリーダーの、一山章地。十八歳で高三、本当はこんな時期にのんびりしてられないんだけどね」
すっきりと清潔感のある美貌に、優しい伏し目がちの瞳。
見ているうちに、頭がぼうっとしてくる。見惚れているのだろうか?
違った。
どっと緊張が襲ってきて体が耐えられなくなったのだった。
「きゃあ、和妃ちゃん!」
布団に突っ伏しながら和妃は、ほのかの悲鳴をおぼろげに聞いていた。
望が口を挟む。
「そんな──」
「と、いうわけでっ」
和妃の言葉を無理矢理に区切って、ほのかは話を進める。
「林和妃さん、あなたにはあたし達の仲間になってもらうわ。これはあたし達にとって必然で、あなたにとってもそうよ。潜在者だった時と違って、もう目醒めて能力者になっちゃったんだからそうなのよ」
強引な気がするけど、言葉の裏には確かな真実が感じられる。
「おれは反対」
ふい、と神也が立ち上がる。形のいい眉が心底不機嫌そうに歪んでいた。
「どうしてよ?」
ほのかが驚く。
「味方は多いほうがいいってあんたも分かってるんでしょ? あたし達だってその分楽になるのよ?」
「決定的にいやだ。この女は」
神也は鋭い視線を和妃に向ける。胸の奥まで突き刺すように、それは痛かった。
「和妃って、名前がいやだ」
それだけ言うと、部屋を出て行く。まるで子供の理由だ。
でも、和妃には感じられた。何故かは分からないけど、彼は「和妃」という名前が本当にいやなのだと。和妃の中に入り込んできた彼の負の感情が、それを語っていた。
「いい名前じゃないの、何が気に入らないのよ」
ほのかが眉を吊り上げる。章地が軽いため息をついた。
「まだナギサを引きずっているんだ、あいつは」
その言葉に、ほのかはハッとした。
黙り込んでしまう彼女の代わりに、望が立ち上がる。
「あんなガキのことは、あとでぼく達だけで話し合えばいいでしょう。とりあえず味方は本当に必要なんだから」
微笑んで、和妃を見下ろした。
「ぼくは藤久保望。十六歳、きみと同じく高一」
同い年、と聞いて和妃は軽くショックを受けた。ひとつかふたつは絶対に年上だと思ったのに。
「あたしは白宮ほのか。十六歳、高二よ。よろしくね」
続いて、ほのか。差し出された手を、和妃は慌てて握る。
最後に章地が歩み寄った。
近くで見ると──和妃がベッドにいることを除いても──本当に、背が高かった。百八十センチ以上は絶対にあるだろう。
「さっきのあれは、伊総神也。きみや望と同い年だよ。それからおれがリーダーの、一山章地。十八歳で高三、本当はこんな時期にのんびりしてられないんだけどね」
すっきりと清潔感のある美貌に、優しい伏し目がちの瞳。
見ているうちに、頭がぼうっとしてくる。見惚れているのだろうか?
違った。
どっと緊張が襲ってきて体が耐えられなくなったのだった。
「きゃあ、和妃ちゃん!」
布団に突っ伏しながら和妃は、ほのかの悲鳴をおぼろげに聞いていた。
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