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MUTTER 3
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《「見よ! 見よ!」と誰かが叫んだ。
その日から空は黒く覆われ、
二度と人々は太陽を見ることはなくなった。
何かが間違っているのなら、
嵐すらない不気味なほど森閑とした砂だろう。
世界よ、麗しい光彩をもう一度見せてくれ。
せめて白く澄み切った雪を、我々の元に!
ああ………
天は萌えることなく、
人間(ひと)の住まうこの小さな神の手毬も、
ただ何者かの慈悲によりてだろうか?
──謎のままの雪と共に、
死滅の時を待っていたのだ。
また誰かが叫んだ、
──天使よ、我々を赦したまえ!
と。
「創世記・『流離う罪人』より抜粋[作者不詳]」》
その日から空は黒く覆われ、
二度と人々は太陽を見ることはなくなった。
何かが間違っているのなら、
嵐すらない不気味なほど森閑とした砂だろう。
世界よ、麗しい光彩をもう一度見せてくれ。
せめて白く澄み切った雪を、我々の元に!
ああ………
天は萌えることなく、
人間(ひと)の住まうこの小さな神の手毬も、
ただ何者かの慈悲によりてだろうか?
──謎のままの雪と共に、
死滅の時を待っていたのだ。
また誰かが叫んだ、
──天使よ、我々を赦したまえ!
と。
「創世記・『流離う罪人』より抜粋[作者不詳]」》
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