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邂逅
邪神様、専属メイドは心配です
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「あの娘、なかなかやるわね。悠太くんもなんか楽しそうだし、うちに来ないかな」
マルデル様がまた突拍子のない事を。と、心の中で呟いた。
しかし、人間にしては本当に強いですね。
剣を掻い潜って反撃する、あの度胸は認めなくもないです。
「あれ、悠太さんと遊んでる娘、戦技無双じゃないですか。悠太さんも有名どころに目を付けられるなんて、やりますね」
「エイル姉様、知ってるんですか」
「ちょっとロータ。あなた仮にも前領主代行でしょう。当代一と謳われた光の勇者マチルダくらい覚えておきなさいよ」
まったくロータは、これだからダメなんですよ。
自分が関心あるもの以外はからっきしですね。
「エイル、遅かったわね。座って一緒に食事でもしながら観戦しましょう」
「はい、マルデル様。ありがとうございます」
「おお! 悠太様と互角に打ち合ってますよ!」
「悠太、楽しそうですね。あの剣技は当代一と謳われることはありますね」
ロータはまだしも、ブリュンヒルドお姉様まで。
「でも妹に比べると兄は弱いよね。ユータにあっさり負けてたし」
「兄のエドガーは魔術師だよ、クロノア」
「え、そうなの。じゃあなんで剣なんて使ったの」
「たぶん悠太様の力量を妹に伝えるためでしょうか」
「なんか姑息ね。でも嫌いじゃないわ」
あまりヴェールから外に出ない、エルルーンまで知っていたのですか。
まあ私達ワルキューレは未だに勇士の魂を集めたがりますからね。今はそんな事は必要ないというのに。
互いに距離を取りましたか。そろそろ決着をつけるつもりですね。
「ヒルデ、あの娘気に入ったわ。あなたから勧誘してちょうだい」
はあ、やっぱりこうなりましたか……
また悠太様のもとに女性が増えますよ……
◇
勢いで誘っておいてなんだが、マチルダとエドガーが、マルデル達に拒否されないか不安だった。
しかし二人はあっさりと受け入れられて拍子抜けした。
それにヒルデがマチルダをこの街に勧誘していたし、気に入られたのだろう。
ただ、兄エドガーはイケメンにも関わらず、あまり皆に相手をされずにマチルダのおまけ扱いだった。
そんな可哀想なエドガーを、俺が構ってやった。
「はああ、エドガーって魔術師だったの!」
「そうだ。だからお前には負けてないからな。勘違いすんなよ」
「いやいや。俺だって魔法使えるし、本気をだしたらエドガーなんか瞬殺だよ、瞬殺」
「なにっ、悠太てめえ、勝負すっかコラッ!」
俺たちは額を合わせる位に近づいて互いのプライドを賭け、口喧嘩を繰り広げた。
「ユータ、楽しそうだね。これは初めての男友達が誕生するかもね」
「そうだね、クロ。とっても良いことね」
うちの女神様と大妖精様がとんでもない爆弾発言をした。
「失礼なことを言うな、ノア。俺にも男友達は、……いるぞ」
「見栄をはらなくてもいいよ。うんうん、ユータにもやっと男友達ができるのか。良かった良かった」
ダメだ、相変わらず空気を読めない。
なんでクロノアは俺の事を辱めるかなぁ、ほんとに。
大抵は悪気がないから余計にタチが悪い。
「しかし悠太は魔法使えるのか。今度、見せてくれよ」
「お、いいぞ。どんなのがいい」
「そうだなあ、派手なやつがいいな。ドーンと一発で殲滅できるやつ、イテッ!」
「バカですか貴方は。そんな魔法を気軽に使って良い訳がないでしょう。悠太様もです。そんな魔法で大地を焼き尽くすつもりですか」
うっ、スクルドに怒られた。
目が赤くなってるし本気で怒ってるよ。
「お前のメイド怖いな。女にビビったの妹以来だぜ」
「エドガー。最後格好いいこと言ったつもりだろうけど、妹にビビってる時点で情けないな、おまえ」
「あん、おまえだって怒ったマチルダにはションベンちびるぞ。あれはもう人じゃねぇ、鬼だ鬼」
刹那、エドガーの首筋に剣が突きつけられた。
「兄さん、嘘はいけないよ」
おお、黒い瞳に威圧の光。
「そ、そうだな。ちょっと盛りすぎたな」
「……ちょっと?」
「い、いや、盛りすぎた、かなり盛りすぎたな。悠太、マチルダは優しいやつだからな」
兄の威厳をまったく感じさせない。なんか親近感が湧くな。
「俺は知ってたぞ、エドガー。マチルダがとても優しいきれいな人だってな」
「おう、俺の妹は世界一だ」
「兄さん、そういうのはいらない。君もね」
くわっ! 飛び火したじゃねぇか、エドガー!
「わたし、ここでマルデル様に仕えることにしたから。兄さんはどっか行ってもいいよ」
ホッ。どうやら飛び火はしていなかった様だ。
「いやいや、おまえ一人にしておけないだろ! 悠太、お前俺を雇え、な」
「わたしはもう十六歳、兄さんは要らないよ」
「おお! マチルダ、俺と同い年かぁ。親近感わくなぁ」
「おい、悠太! 親近感とかいいから、お前は俺を雇えよな!」
うん、同性と話すのは良いものだ。
こうして楽しく、騒がしく夜が更けていく。
マルデル達の水着姿といい、今日は本当に良い日だ。
そんな事を思いながら、マルデルのコテージへ行った。
とても優しく、とても熱い夜になった
マルデル様がまた突拍子のない事を。と、心の中で呟いた。
しかし、人間にしては本当に強いですね。
剣を掻い潜って反撃する、あの度胸は認めなくもないです。
「あれ、悠太さんと遊んでる娘、戦技無双じゃないですか。悠太さんも有名どころに目を付けられるなんて、やりますね」
「エイル姉様、知ってるんですか」
「ちょっとロータ。あなた仮にも前領主代行でしょう。当代一と謳われた光の勇者マチルダくらい覚えておきなさいよ」
まったくロータは、これだからダメなんですよ。
自分が関心あるもの以外はからっきしですね。
「エイル、遅かったわね。座って一緒に食事でもしながら観戦しましょう」
「はい、マルデル様。ありがとうございます」
「おお! 悠太様と互角に打ち合ってますよ!」
「悠太、楽しそうですね。あの剣技は当代一と謳われることはありますね」
ロータはまだしも、ブリュンヒルドお姉様まで。
「でも妹に比べると兄は弱いよね。ユータにあっさり負けてたし」
「兄のエドガーは魔術師だよ、クロノア」
「え、そうなの。じゃあなんで剣なんて使ったの」
「たぶん悠太様の力量を妹に伝えるためでしょうか」
「なんか姑息ね。でも嫌いじゃないわ」
あまりヴェールから外に出ない、エルルーンまで知っていたのですか。
まあ私達ワルキューレは未だに勇士の魂を集めたがりますからね。今はそんな事は必要ないというのに。
互いに距離を取りましたか。そろそろ決着をつけるつもりですね。
「ヒルデ、あの娘気に入ったわ。あなたから勧誘してちょうだい」
はあ、やっぱりこうなりましたか……
また悠太様のもとに女性が増えますよ……
◇
勢いで誘っておいてなんだが、マチルダとエドガーが、マルデル達に拒否されないか不安だった。
しかし二人はあっさりと受け入れられて拍子抜けした。
それにヒルデがマチルダをこの街に勧誘していたし、気に入られたのだろう。
ただ、兄エドガーはイケメンにも関わらず、あまり皆に相手をされずにマチルダのおまけ扱いだった。
そんな可哀想なエドガーを、俺が構ってやった。
「はああ、エドガーって魔術師だったの!」
「そうだ。だからお前には負けてないからな。勘違いすんなよ」
「いやいや。俺だって魔法使えるし、本気をだしたらエドガーなんか瞬殺だよ、瞬殺」
「なにっ、悠太てめえ、勝負すっかコラッ!」
俺たちは額を合わせる位に近づいて互いのプライドを賭け、口喧嘩を繰り広げた。
「ユータ、楽しそうだね。これは初めての男友達が誕生するかもね」
「そうだね、クロ。とっても良いことね」
うちの女神様と大妖精様がとんでもない爆弾発言をした。
「失礼なことを言うな、ノア。俺にも男友達は、……いるぞ」
「見栄をはらなくてもいいよ。うんうん、ユータにもやっと男友達ができるのか。良かった良かった」
ダメだ、相変わらず空気を読めない。
なんでクロノアは俺の事を辱めるかなぁ、ほんとに。
大抵は悪気がないから余計にタチが悪い。
「しかし悠太は魔法使えるのか。今度、見せてくれよ」
「お、いいぞ。どんなのがいい」
「そうだなあ、派手なやつがいいな。ドーンと一発で殲滅できるやつ、イテッ!」
「バカですか貴方は。そんな魔法を気軽に使って良い訳がないでしょう。悠太様もです。そんな魔法で大地を焼き尽くすつもりですか」
うっ、スクルドに怒られた。
目が赤くなってるし本気で怒ってるよ。
「お前のメイド怖いな。女にビビったの妹以来だぜ」
「エドガー。最後格好いいこと言ったつもりだろうけど、妹にビビってる時点で情けないな、おまえ」
「あん、おまえだって怒ったマチルダにはションベンちびるぞ。あれはもう人じゃねぇ、鬼だ鬼」
刹那、エドガーの首筋に剣が突きつけられた。
「兄さん、嘘はいけないよ」
おお、黒い瞳に威圧の光。
「そ、そうだな。ちょっと盛りすぎたな」
「……ちょっと?」
「い、いや、盛りすぎた、かなり盛りすぎたな。悠太、マチルダは優しいやつだからな」
兄の威厳をまったく感じさせない。なんか親近感が湧くな。
「俺は知ってたぞ、エドガー。マチルダがとても優しいきれいな人だってな」
「おう、俺の妹は世界一だ」
「兄さん、そういうのはいらない。君もね」
くわっ! 飛び火したじゃねぇか、エドガー!
「わたし、ここでマルデル様に仕えることにしたから。兄さんはどっか行ってもいいよ」
ホッ。どうやら飛び火はしていなかった様だ。
「いやいや、おまえ一人にしておけないだろ! 悠太、お前俺を雇え、な」
「わたしはもう十六歳、兄さんは要らないよ」
「おお! マチルダ、俺と同い年かぁ。親近感わくなぁ」
「おい、悠太! 親近感とかいいから、お前は俺を雇えよな!」
うん、同性と話すのは良いものだ。
こうして楽しく、騒がしく夜が更けていく。
マルデル達の水着姿といい、今日は本当に良い日だ。
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