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本編
結婚式と親友
しおりを挟む同棲を始めてから約2年…僕たちは結婚した。
小さな教会で親しい人たちだけ招いての簡素な式だったが僕はとても幸せだった。本当は白翼の騎士団長であるルークの結婚式ならば盛大にしなくてはいけないらしくて、その話を聞いた僕はそのつもりで準備していたのだがルーク本人が「騎士団長だからと言ってそんな盛大にしなくていい…ノアと愛を誓い合えさえればそれでいいんだ。」と…
騎士団長の結婚式となるとそれ相応の人数と立場ある方々が参列するはずだ…貴族でもない平民の僕が萎縮しないようにそう言ってくれたのだろう。
僕を第一に考え気遣ってくれることが嬉しくて僕はルークに抱きつき押し倒した。驚きながらもしっかりと僕を支えるルークに顔を真っ赤にしながら僕はキスをした。何度も何度もお互いの唇がヒリヒリと赤く腫れるまで求め合った。
そして結婚式当日、僕はルーク色のドレスを身に纏っていた。本来ならばそれ用の礼服があってその服を着るつもりだったのだがルークが「ノアのドレス姿が見たい。絶対に似合う」と言って礼服をドレスに変更してしまった。
最初は人前でドレスを着ることが恥ずかしくて反対していたが、夜…ベットの中でルークに愛されている最中に「ドレスを着てくれるまでイかせない」と言われ散々焦らされて限界を迎えた僕は着ると言ってしまった…
だってしょうがないだろう!着ると言うまでイかせて貰えなかったんだから!寸止めを何度も繰り返されて、限界でもれそうになっても根元をぎゅっと握られてせき止められる。もどかしくもどかしくて…おかしくなりそうだった
僕がどれだけ反対したとしても初めからドレスを着る運命だったのだろう
それともう一つ、僕に初めての親友ができた。その相手は僕たちの結婚式に参列してくれたナギサという可愛らしい人だ。
ナギサはルークの同僚である黒翼の騎士団団長アレン様と、副団長クリス様の恋人だ。お互いパートナーが騎士、同性同士ということで意気投合し、共通の話の話題なども相待ってすぐに仲良くなった。
そんなキャッキャとはしゃぐ僕たちを見てるルークたちが嫉妬するくらいに
「ノア、僕たちきっといい友人になれます…ううん、もう親友だね」
そう言って僕の手をぎゅっと握ってキラキラした笑顔を向けてくるナギサは僕より年上とは思えないほど可愛かった。そんなナギサの笑顔に僕もつられて笑顔で頷く。
「はい、僕たちは親友です。これからも仲良くしてくだい」
「もちろんだよ!」
そうして僕とルークの結婚式は特にトラブルも起きることなく終始穏やかな雰囲気で無事に終わった。
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