元魔王が勇者を育てるそうです

ユリカ

文字の大きさ
2 / 16

2話

しおりを挟む
一ヶ月、魔王はセバーヌにバレないように継承式の準備を一人でコソコソとしていた。そして遂に継承式を行えるようにまで準備を終わらせることが出来た。後は後継者を呼んできて魔王の座を渡すだけだ。やっとやっとこの時が来た!これで俺は自由に慣れる!
と一人で浮かれていると扉がノックされているのに気づき入れと答えた。
「魔王様本日の予定ですが会議が二つと魔王候補のターメリ様とのお食事です。後この書類にサインをお願いします…」
と書類を置きながらセバーヌは言って出ていった。
チャンスだ!魔王候補と話が出来る!今日決行しよう…と魔王は笑みを浮かべていた。


~~~~~会議
「魔王様、戦争の状況の報告をさせていただきます…西の人間の国に進行中の闇の部隊はダークサイドによって着々と人間どもを制圧しています…しかし東側、南側は人間どもに押されています。北は変わりありません」
と軍隊の総隊長並びに幹部の一人のガラージュがそう言った。
「西側、北側はそのまま進行を進めよ、東側と南側は後3000人ほど兵士を送れ、物資も一緒に送れ」
と指示を魔王はだす。
「次は私です…戦争の影響で税金があまり集まらず、食糧不足も問題です。」
と国の経済担当の幹部の一人リリィが言った。
「税金を少し下げて、飢えている国民に城にある食料を少し分けてあげろ」
とまたも魔王は的確に指示を出す。
「最後に魔王候補についてです…ターメリ様は非常に優秀な人材です。まだ子供であるのに経済、政治に興味を持たれ家庭教師にそれも教わっています。この碌でもない魔王様とは大違いです…まったく…」
とセバーヌは最後に愚痴を零しながら言った。
「セバーヌ酷いぞ!碌でも無くないだろう!」
と俺は少しイラッとしたので反発した。
「どこがです?碌でもないじゃないですか、何回会議ほっぽり出したり、仕事放棄していますか?」
と笑ってセバーヌは言った。しかし目が笑っていないものすごく怖い…
「そうですね…碌でもないですね魔王様は」
とリリィもセバーヌに同意らしい。
「俺もセバーヌに一票!」
とガラージュもセバーヌに同意のようだ。
「お前ら嫌いだー!俺の味方は居ないのか!?」
と全員がセバーヌに同意なので魔王は涙目でそう言った。
だってねぇ~事実だしといった顔をみんなしている。みんな酷い!俺一応魔王なんだよ…
まぁ良い…どうせもう辞めるし
「これで会議は終わりだな?セバーヌ」
「はい、終わりです…この後はターメリ様とお食事です。」
と言ってセバーヌはどこかに消えた。







~~~~~お食事
「初めまして魔王様…この度はお食事を共に出来て光栄です。」
と魔王候補のターメリが大人びた雰囲気を醸しながら礼をしてそう言った。
「よろしくな…」
と魔王もそれに応える。
食事が始まると食器がなる音だけが聞こえる。気まず!なんか喋れよ!ターメリ!と俺は心の中でそう思った。仕方ない…俺から話を振るうか…
「ターメリ、お前は魔王に早くなりたいか?」
「はい、しかしまだまだ未熟者です。魔王になるなんて…」
とターメリは俺の質問に答える。
「そうか…」
と俺も返す。食事も終わり、帰ろうとしているターメリに俺は耳元で明日俺の部屋に夜9時に来いとだけ言って去った。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。

カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。 だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、 ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。 国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。 そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

後日譚追加【完結】冤罪で追放された俺、真実の魔法で無実を証明したら手のひら返しの嵐!! でももう遅い、王都ごと見捨てて自由に生きます

なみゆき
ファンタジー
魔王を討ったはずの俺は、冤罪で追放された。 功績は奪われ、婚約は破棄され、裏切り者の烙印を押された。 信じてくれる者は、誰一人いない——そう思っていた。 だが、辺境で出会った古代魔導と、ただ一人俺を信じてくれた彼女が、すべてを変えた。 婚礼と処刑が重なるその日、真実をつきつけ、俺は、王都に“ざまぁ”を叩きつける。 ……でも、もう復讐には興味がない。 俺が欲しかったのは、名誉でも地位でもなく、信じてくれる人だった。 これは、ざまぁの果てに静かな勝利を選んだ、元英雄の物語。

魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな

七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」 「そうそう」  茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。  無理だと思うけど。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

ゲームの悪役パパに転生したけど、勇者になる息子が親離れしないので完全に詰んでる

街風
ファンタジー
「お前を追放する!」 ゲームの悪役貴族に転生したルドルフは、シナリオ通りに息子のハイネ(後に世界を救う勇者)を追放した。 しかし、前世では子煩悩な父親だったルドルフのこれまでの人生は、ゲームのシナリオに大きく影響を与えていた。旅にでるはずだった勇者は旅に出ず、悪人になる人は善人になっていた。勇者でもないただの中年ルドルフは魔人から世界を救えるのか。

処理中です...