ジャングリラ~悪魔に屠られ魔王転生。死の森を楽園に変える物語~

とんがり頭のカモノハシ

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第1章

02.ファーストコンタクト

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 俺が再び目を覚ました時、辺りには誰もいなかった。

 真っ白な広々とした空間……四方にはパルテノン神殿のような柱……ルシファー様の巨大な彫像……。

 厳かにして、静謐な空気が漂っている。

 俺が横たわっていたのは円形の祭壇のような場所だった。
 召喚の儀式(?)が行われたのは、きっとここだろう。

(いつまでも、ここにいたって仕方ない。これから生きていくこの世界が、どんなところなのか確認しなくては……)
  
 出口に向かって歩き始めた。

 床には幾つもの魔法陣らしき文様が描かれている。
 
(ところで俺は死んだんだよな? でも、からだは普通に動いている。ということは“死者蘇生の秘術”的なことが行われたのか?)

 そんなことを考えながら歩いていると突然、頭の中に声が響いた。

 <メッセージ>『残念ながら、あなたの肉体をこの世界に移すことは出来ませんでした。したがって現在、依り代に、あなたのマナを宿しているという状態です』

(うわっ! おまえは誰だ? ……この肉体は俺のものじゃないって? 誰か知らない人の死体に憑依させられているってことか!? キモッ!!)

『不敬な! あなたが新たに得た身体は、ルシファー様が自らの血液を使って生み出した、いわば分体とでもいうべき尊きもの。そして私は、あなたをサポートする存在。ルシファー様からのギフトの一つとお考えください』

 アフターフォローが手厚い! 
 ルシファー様、ありがとう!!

(君に助力を求めたい時、どうすればいい?)

『ベルゼブブとお呼びください。呼びかけに応じ、24時間いつでも対応が可能です』

 ベルゼブブさん素敵!
 右も左も分からない異世界で生きるにあたって、願ってもない頼もしいスキルだ。

『一つ忠告。私に頼りすぎることは危険です。もしかしたら、あなたを滅ぼすことになるやもしれません。あなたが真に頼るべきは、これから出会うであろう多くの仲間たちです』

 確かに……。
 どれだけ大きな力や便利なスキルを与えられていたとしても、一人でやれることには限界がある。
 まずは魔族の方々と仲良くならなければ。
 ちょっと怖いけど……。

(肝に銘じておくよ。忠告ありがとう、ベルゼブブさん)

『呼び捨てで構いません、我がマイマスター

 建物を出ると開けた空間があった。
 
 まばゆい陽光に、少し目を細める。
 建物と同様、白一色で造られた石の絨毯が光に照らされ、キラキラしていた。
 
 階段を下って数歩進む。

 不意に、薄い膜を突き破るような感覚があった。

『ルシファー様が張った結界を出ました。先ほどまでいた神殿には、マスター以外の立ち入りが許可されていません』

 神殿前の広場の先には、アマゾンのジャングルを彷彿とさせる深い森があった。

 <緊急メッセージ>『注意! 強い魔力を感知しました。何者かが近づいてきます』

(おいおい、マジかよ。こっちは自分の能力も把握していないんだぞ。いきなり襲い掛かられたりしたら転生初日で俺、死ぬのでは?)

『ご心配なく。戦闘になれば私がサポートします』

(武器とかは無いの?)

『ございますとも。業物の剣をお渡しできます』

(戦いになったら頼む。話し合いができる相手だったらいいんだけど……)

 森から現れたのは2人の女性だった。

 一人は、童顔の小柄な女性――ゴスロリっぽい黒のドレスを着ている。 
 絵画で描かれる天使のような、ウエーブのかかった金色のショートヘア。 
 こめかみの辺りから丸まった小さな角が生えていた。

 もう一人は、褐色の肌をした尖った耳のお姉さん。
 黒を基調とした戦闘服に、グリーンのロングヘア。
 腹筋が見事に割れている。
 クールビューティという言葉を具現化したような存在だった。

「貴殿は何者じゃ?」
 悪魔(?)が言った。

「魔族の聖地で何をしている!」
 ダークエルフ(?)はロングソードのグリップに手をかけた。

めよ!」
 悪魔がダークエルフを制する。
「聖域を血で穢すことは妾が許さん」

 どうやら戦いは回避できそうだ。

「俺は、あなた達と敵対する者ではありません。信じられないかもしれませんが――」

 俺は、なぜ自分がこの場所にいるのかという経緯いきさつを語った。
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