16 / 44
第2章
16.蒼の鉱山
しおりを挟む
――翌日。
俺は《蒼の鉱山》に向かった。
(伯爵から高価そうな時計を貰っているしな……無視するわけにはいかないよな……)
乗合馬車の駅に行くと、麓の村までの便があった。
「兄ちゃんがアイアンゴーレムの討伐をするってか? よせよせ、命あっての物種だ」
小馬鹿にした口調の車夫に懐中時計を見せる。
「失礼しました! すぐに向かわせていただきます!!」
180度、態度が変わった。
《蒼の鉱山》は、ウオータールーから20kmほど離れた場所にある。
採掘しているのは、マナ鉱石。
「魔力を凝縮したような希少な石で、様々な魔道具に使われているんですよ」
と、道すがら車夫が教えてくれた。
村から採掘場までは、徒歩で向かった。
経済拠点として重要なのだろう。
門の前に、2人の兵士が立っている。
伯爵家の紋章が、ここでも絶大な力を発揮した。
懐中時計を見せると、すんなり中へ通された。
「ズーーーン!」
くぐもった音。
地面が揺れた。
「あ゙ぁあ゙あ゙あ゙ああああああああ!」
「無理ぃいいいいいいいいいい!!」
「誰だよ!? こんなクエスト、やろうって言いだした馬鹿は!」
「あなたでしょ!」
坑道から、次々に人が駆け出してくる。
声の順に、戦士①(男)、アーチャー(女)、戦士②(男)、魔法使い(女)……。
記憶に新しい顔ぶれだった。
「ドォオオオーーーン!!」
轟音と共に、坑道の入り口の形が変わる。
身の丈5メートルはありそうなアイアンゴーレムが姿を現す。
「大丈夫か!?」
「早く! 門の外に避難しろ!!」
兵士たちの叫ぶ声を無視して、魔法使いが足を止めた。
「ギルモア、クレメンス、パメラ! 3人で時間を稼いで! ここなら雷属性の魔法が撃てます!」
「確かに、金属の化け物には有効な攻撃だな」
イケメンの戦士が言う。
「ここで引き下がったら、S級冒険者パーティー《銀の翼》の名折れだしな」
強面の戦士が槍斧を構える。
「ジルちゃあああああん! 命は預けたよぉおおおおおおお!!」
弓使いが矢を放った。
(赤い矢尻……魔法石か?)
アイアンゴーレムの胸に当たった矢が爆破する。
詠唱に入った魔法使いから注意を逸らすべく、2人の戦士は一撃離脱戦法で戦っていた。
「悠久の時の中で煌めく閃光……我が魂に宿る無限なる力よ、今こそ解き放て! 雷鳴轟く空に、雷神の加護を託して敵を打ち砕け! 【サンダーブレイク・インパクト】!!」
稲妻がアイアンゴーレムの脳天に直撃する。
「「「「やったか!?」」」」
アイアンゴーレムが動きを止めたのは、ほんの数秒だった。
すぐに息を吹き返し、《銀の翼》のメンバーに襲い掛かった。
「「「「やってないぃいいいい!!!!」」」」
四人が門に向かって駆け出す。
アイアンゴーレムのそばに、誰もいなくなった。
「【雷】」
漆黒の霆がアイアンゴーレムを呑み込む。
「ドズゴォーーーーーーン!!!」
爆音と共に、金属の巨体が砕け散った。
訪れる静寂――。
「た、助かったぁあああああ! ありがとぉううううううう!」
駆け寄ってきた弓使いが、俺に抱きつく。
「アタイはパメラ。スリーサイズは上から88・57・93だよ! よろしくね♡」
「窮地を救っていただき感謝する」
イケメンの戦士が、パメラの頭を叩いた。
「俺は、このパーティーのリーダーをやっている者で、名前はギルモア」
「スゲー魔法だったな、黒い稲妻なんて初めて見たぜ!」
強面の戦士が、パメラを俺から引き剥がす。
「クレメンスだ。オレからも礼を言わせてくれ。ありがとな!」
「わ、私はジルベスタと申します。ハーフエルフです」
魔法使いは土下座をした。
「お願いします。私を弟子にしてください!」
俺は《蒼の鉱山》に向かった。
(伯爵から高価そうな時計を貰っているしな……無視するわけにはいかないよな……)
乗合馬車の駅に行くと、麓の村までの便があった。
「兄ちゃんがアイアンゴーレムの討伐をするってか? よせよせ、命あっての物種だ」
小馬鹿にした口調の車夫に懐中時計を見せる。
「失礼しました! すぐに向かわせていただきます!!」
180度、態度が変わった。
《蒼の鉱山》は、ウオータールーから20kmほど離れた場所にある。
採掘しているのは、マナ鉱石。
「魔力を凝縮したような希少な石で、様々な魔道具に使われているんですよ」
と、道すがら車夫が教えてくれた。
村から採掘場までは、徒歩で向かった。
経済拠点として重要なのだろう。
門の前に、2人の兵士が立っている。
伯爵家の紋章が、ここでも絶大な力を発揮した。
懐中時計を見せると、すんなり中へ通された。
「ズーーーン!」
くぐもった音。
地面が揺れた。
「あ゙ぁあ゙あ゙あ゙ああああああああ!」
「無理ぃいいいいいいいいいい!!」
「誰だよ!? こんなクエスト、やろうって言いだした馬鹿は!」
「あなたでしょ!」
坑道から、次々に人が駆け出してくる。
声の順に、戦士①(男)、アーチャー(女)、戦士②(男)、魔法使い(女)……。
記憶に新しい顔ぶれだった。
「ドォオオオーーーン!!」
轟音と共に、坑道の入り口の形が変わる。
身の丈5メートルはありそうなアイアンゴーレムが姿を現す。
「大丈夫か!?」
「早く! 門の外に避難しろ!!」
兵士たちの叫ぶ声を無視して、魔法使いが足を止めた。
「ギルモア、クレメンス、パメラ! 3人で時間を稼いで! ここなら雷属性の魔法が撃てます!」
「確かに、金属の化け物には有効な攻撃だな」
イケメンの戦士が言う。
「ここで引き下がったら、S級冒険者パーティー《銀の翼》の名折れだしな」
強面の戦士が槍斧を構える。
「ジルちゃあああああん! 命は預けたよぉおおおおおおお!!」
弓使いが矢を放った。
(赤い矢尻……魔法石か?)
アイアンゴーレムの胸に当たった矢が爆破する。
詠唱に入った魔法使いから注意を逸らすべく、2人の戦士は一撃離脱戦法で戦っていた。
「悠久の時の中で煌めく閃光……我が魂に宿る無限なる力よ、今こそ解き放て! 雷鳴轟く空に、雷神の加護を託して敵を打ち砕け! 【サンダーブレイク・インパクト】!!」
稲妻がアイアンゴーレムの脳天に直撃する。
「「「「やったか!?」」」」
アイアンゴーレムが動きを止めたのは、ほんの数秒だった。
すぐに息を吹き返し、《銀の翼》のメンバーに襲い掛かった。
「「「「やってないぃいいいい!!!!」」」」
四人が門に向かって駆け出す。
アイアンゴーレムのそばに、誰もいなくなった。
「【雷】」
漆黒の霆がアイアンゴーレムを呑み込む。
「ドズゴォーーーーーーン!!!」
爆音と共に、金属の巨体が砕け散った。
訪れる静寂――。
「た、助かったぁあああああ! ありがとぉううううううう!」
駆け寄ってきた弓使いが、俺に抱きつく。
「アタイはパメラ。スリーサイズは上から88・57・93だよ! よろしくね♡」
「窮地を救っていただき感謝する」
イケメンの戦士が、パメラの頭を叩いた。
「俺は、このパーティーのリーダーをやっている者で、名前はギルモア」
「スゲー魔法だったな、黒い稲妻なんて初めて見たぜ!」
強面の戦士が、パメラを俺から引き剥がす。
「クレメンスだ。オレからも礼を言わせてくれ。ありがとな!」
「わ、私はジルベスタと申します。ハーフエルフです」
魔法使いは土下座をした。
「お願いします。私を弟子にしてください!」
0
あなたにおすすめの小説
『スローライフどこ行った?!』追放された最強凡人は望まぬハーレムに困惑する?!
たらふくごん
ファンタジー
最強の凡人――追放され、転生した蘇我頼人。
新たな世界で、彼は『ライト・ガルデス』として再び生を受ける。
※※※※※
1億年の試練。
そして、神をもしのぐ力。
それでも俺の望みは――ただのスローライフだった。
すべての試練を終え、創世神にすら認められた俺。
だが、もはや生きることに飽きていた。
『違う選択肢もあるぞ?』
創世神の言葉に乗り気でなかった俺は、
その“策略”にまんまと引っかかる。
――『神しか飲めぬ最高級のお茶』。
確かに神は嘘をついていない。
けれど、あの流れは勘違いするだろうがっ!!
そして俺は、あまりにも非道な仕打ちの末、
神の娘ティアリーナが治める世界へと“追放転生”させられた。
記憶を失い、『ライト・ガルデス』として迎えた新しい日々。
それは、久しく感じたことのない“安心”と“愛”に満ちていた。
だが――5歳の洗礼の儀式を境に、運命は動き出す。
くどいようだが、俺の望みはスローライフ。
……のはずだったのに。
呪いのような“女難の相”が炸裂し、
気づけば婚約者たちに囲まれる毎日。
どうしてこうなった!?
世界一簡単にレベルアップ ~魔物を倒すだけでレベルが上がる能力を得た俺は、弱小の魔物を倒しまくって異世界でハーレム作る事にしました~
きよらかなこころ
ファンタジー
シンゴはある日、事故で死んだ。
どうやら、神の手違いで間違って死んでしまったシンゴは異世界に転生することになる。
転生する際にオマケに『魔物を倒すだけでレベルが上がる』能力を貰ったシンゴ。
弱小の魔物を倒してレベルを上げ、異世界でハーレムを作る事を企むのだった。
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
異世界翻訳者の想定外な日々 ~静かに読書生活を送る筈が何故か家がハーレム化し金持ちになったあげく黒覆面の最強怪傑となってしまった~
於田縫紀
ファンタジー
図書館の奥である本に出合った時、俺は思い出す。『そうだ、俺はかつて日本人だった』と。
その本をつい翻訳してしまった事がきっかけで俺の人生設計は狂い始める。気がつけば美少女3人に囲まれつつ仕事に追われる毎日。そして時々俺は悩む。本当に俺はこんな暮らしをしてていいのだろうかと。ハーレム状態なのだろうか。単に便利に使われているだけなのだろうかと。
『異世界ガチャでユニークスキル全部乗せ!? ポンコツ神と俺の無自覚最強スローライフ』
チャチャ
ファンタジー
> 仕事帰りにファンタジー小説を買った帰り道、不運にも事故死した38歳の男。
気がつくと、目の前には“ポンコツ”と噂される神様がいた——。
「君、うっかり死んじゃったから、異世界に転生させてあげるよ♪」
「スキル? ステータス? もちろんガチャで決めるから!」
最初はブチギレ寸前だったが、引いたスキルはなんと全部ユニーク!
本人は気づいていないが、【超幸運】の持ち主だった!
「冒険? 魔王? いや、俺は村でのんびり暮らしたいんだけど……」
そんな願いとは裏腹に、次々とトラブルに巻き込まれ、無自覚に“最強伝説”を打ち立てていく!
神様のミスで始まった異世界生活。目指すはスローライフ、されど周囲は大騒ぎ!
◆ガチャ転生×最強×スローライフ!
無自覚チートな元おっさんが、今日も異世界でのんびり無双中!
異世界転生おじさんは最強とハーレムを極める
自ら
ファンタジー
定年を半年後に控えた凡庸なサラリーマン、佐藤健一(50歳)は、不慮の交通事故で人生を終える。目覚めた先で出会ったのは、自分の魂をトラックの前に落としたというミスをした女神リナリア。
その「お詫び」として、健一は剣と魔法の異世界へと30代後半の肉体で転生することになる。チート能力の選択を迫られ、彼はあらゆる経験から無限に成長できる**【無限成長(アンリミテッド・グロース)】**を選び取る。
異世界で早速遭遇したゴブリンを一撃で倒し、チート能力を実感した健一は、くたびれた人生を捨て、最強のセカンドライフを謳歌することを決意する。
定年間際のおじさんが、女神の気まぐれチートで異世界最強への道を歩み始める、転生ファンタジーの開幕。
レベルアップは異世界がおすすめ!
まったりー
ファンタジー
レベルの上がらない世界にダンジョンが出現し、誰もが装備や技術を鍛えて攻略していました。
そんな中、異世界ではレベルが上がることを記憶で知っていた主人公は、手芸スキルと言う生産スキルで異世界に行ける手段を作り、自分たちだけレベルを上げてダンジョンに挑むお話です。
異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~
宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。
転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。
良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。
例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。
けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。
同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。
彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!?
※小説家になろう様にも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる