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第2章
26.海洋都市国家アルデバラン①
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その日の朝、海洋都市国家アルデバランの国王、ミシェル・シャピオンは地鳴りのような音で目を覚ました。
「……?」
ベッドから身体を起こした次の瞬間、強烈な縦揺れが襲ってきた。
地震だった。
寝室の壁に掛けられていた肖像画は落下し、マントルピースに飾られていた花瓶やクリスタルの彫刻も床の上で砕け散る。
ようやく揺れが収まった時、慌てふためく家臣たちが部屋に飛び込んできた。
「国王陛下、ご無事ですか!?」
「私は大丈夫だ。街の様子は?」
バルコニーから城下を見渡すと、見るも無残な光景が広がっていた。
エメラルドグリーンの海と険しい崖に囲まれた海岸沿いの小国であるアルデバランは、急な斜面に家屋が建てられている。
地震による地滑りによって多くの家屋は損壊し、所々で火の手も上がっていた。
アルデバラン城が無事だったのは、運がよかっただけかもしれない。
「騎士団を救助に向かわせろ! 一人でも多くの命を救うのだ!!」
ミシェル・シャピオンは叫んだ。
***
騎士団による救助作業は難航した。
地すべりで崩壊した斜面が広範囲に及び、高く積もった土砂と倒壊した建物の瓦礫が小山になっている。
騎士団の数だけではどうすることもできなかったのだ。
隣接する国はアンジャル王国だが、2国の間には深い渓谷が横たわっている。
行き来するには長い吊り橋を通るしかないのだが、地震により崩落しているとの報告をミシェル・シャピオンは受けていた。
アルデバランは、文字通り《陸の孤島》と化していた。
救援を願い出る手立てもない。
いや、仮に呼べたとしても、救援が到着するまでの間に、生き埋めになった民の多くは死ぬだろう。
神よ、お救い下さい!
ミシェル・シャピオンは城内の礼拝堂で祈る。
「……っ!?」
余震によって地面が激しく揺れる。
「ガシャーン!!!」
ステンドグラスが割れて、粉々になった。
ミシェル・シャピオンは図書室に向かって走る。
本棚は倒れ、貴重な蔵書の数々が床に散乱していた。
目当ての本は、すぐに見つかった。
まるで、城の主が探しに来ることを知っていたかのように、筆記机の上に載っていたのだ。
ミシェル・シャピオンは目当てのページを開くと、机の引き出しから手紙の封を切るためのナイフを取り出し、躊躇うことなく自分の指先を切った。
溢れ出る血液で魔法陣を描く。
この際、悪魔でも構わない……。
我が国を、我が民を助けてください!
「承知の上で呼び出したのだとは思うが、改めて問おう。対価は支払ってもらうぞ。……いいんだな?」
「……っ!?」
ミシェル・シャピオンが振り返ると、魔王サタンがリリス、ロキア、緋魅狐、アモンを付き従えて立っていた。
「……?」
ベッドから身体を起こした次の瞬間、強烈な縦揺れが襲ってきた。
地震だった。
寝室の壁に掛けられていた肖像画は落下し、マントルピースに飾られていた花瓶やクリスタルの彫刻も床の上で砕け散る。
ようやく揺れが収まった時、慌てふためく家臣たちが部屋に飛び込んできた。
「国王陛下、ご無事ですか!?」
「私は大丈夫だ。街の様子は?」
バルコニーから城下を見渡すと、見るも無残な光景が広がっていた。
エメラルドグリーンの海と険しい崖に囲まれた海岸沿いの小国であるアルデバランは、急な斜面に家屋が建てられている。
地震による地滑りによって多くの家屋は損壊し、所々で火の手も上がっていた。
アルデバラン城が無事だったのは、運がよかっただけかもしれない。
「騎士団を救助に向かわせろ! 一人でも多くの命を救うのだ!!」
ミシェル・シャピオンは叫んだ。
***
騎士団による救助作業は難航した。
地すべりで崩壊した斜面が広範囲に及び、高く積もった土砂と倒壊した建物の瓦礫が小山になっている。
騎士団の数だけではどうすることもできなかったのだ。
隣接する国はアンジャル王国だが、2国の間には深い渓谷が横たわっている。
行き来するには長い吊り橋を通るしかないのだが、地震により崩落しているとの報告をミシェル・シャピオンは受けていた。
アルデバランは、文字通り《陸の孤島》と化していた。
救援を願い出る手立てもない。
いや、仮に呼べたとしても、救援が到着するまでの間に、生き埋めになった民の多くは死ぬだろう。
神よ、お救い下さい!
ミシェル・シャピオンは城内の礼拝堂で祈る。
「……っ!?」
余震によって地面が激しく揺れる。
「ガシャーン!!!」
ステンドグラスが割れて、粉々になった。
ミシェル・シャピオンは図書室に向かって走る。
本棚は倒れ、貴重な蔵書の数々が床に散乱していた。
目当ての本は、すぐに見つかった。
まるで、城の主が探しに来ることを知っていたかのように、筆記机の上に載っていたのだ。
ミシェル・シャピオンは目当てのページを開くと、机の引き出しから手紙の封を切るためのナイフを取り出し、躊躇うことなく自分の指先を切った。
溢れ出る血液で魔法陣を描く。
この際、悪魔でも構わない……。
我が国を、我が民を助けてください!
「承知の上で呼び出したのだとは思うが、改めて問おう。対価は支払ってもらうぞ。……いいんだな?」
「……っ!?」
ミシェル・シャピオンが振り返ると、魔王サタンがリリス、ロキア、緋魅狐、アモンを付き従えて立っていた。
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