痛覚研究所の記録

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まち針で刺しまくる

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「ふむ、久しぶりに裁縫をしてみたが、案外楽しいものだな」
「おお!裁縫とは博士、もしや彼氏でもできましたねぇ?」
「いや、これはお前のためのマフラーだが、何だ?付き合って欲しいのか?」
「ぼ、僕の!?ええ!?いやぁ、照れますなぁ」
「いつも頑張ってくれてるからな、これはささやかなお礼だ」
博士は優しく助手にマフラーを巻いた。
「ほら、良く似合う」
「わぁ!、僕にぴったりの水色のマフラーですね!大事に使います!ありがとうございます!」
「ふふ、人に手作りのプレゼントを上げるというのは、こんなにもいい気分なのだな」
「それはさておき、今日の実験について説明しよう」
「わぁ、さすが博士、切り替えがはやーい」
「今回使用するのはこのまち針だ」
「あぁ、よく裁縫の授業とかで指に指したものですよ。これが地味に痛いし布にも血がついちゃうんですよねー」
「まぁ私は刺したことはないんだがな」
「急な自慢ですね」 
「それで、今回はこのまち針で全身を滅多刺しにしようと思う」
「うわぁ、前回の紙と一緒で死にたくても死ねないパターンのやつじゃないですか」
「あぁ、そして今回の実験体は紙のときの実験体だ」
「うわぁ、可哀想ー」
「実験体に情けは無用だ、さっ、早速取り掛かろう」


ガチャ
「な、何ですか?またあなた達ですか...。またあの地獄を味わわせるのですか?あなた達に人間の心という物はないんですか?」
「実験のためだ、仕方がない。君も実験のために死ねて名誉だと思たまえ」
「悪魔だ...あなた達は悪魔だ!」
「うるさっ」
「どうとでも言え、始めるぞ」
「了解でーす」
「くそっ、なんなんだよ!なんなんだよお前らは!僕は...僕は必死に生きてきた!治らないと言われた病気を克服し、やっと普通に生活できると思ったのに...。どうしてこんなことをするんだ!楽しいか!?人をいたぶって楽しいのか!?気が狂ってる!あんた達は頭がおかしいんだよ!」
「うわ、すごい喋る。博士、どうしますか?」
「どうもこうもない、続けるぞ」
「くそっ、くそぉぉぉぉ!!!」
ガリッ
男子高校生は自分の舌を噛みきった、どうせいたぶられて殺されるなら、自分で死んだ方がいい、そう思ったのだろう。
かつては生にしがみつき、必死に生きようとしていた。
手術も何度も受け、毎日リハビリに励んだ。
努力が実り、彼の病状は回復していった、もう病気だった頃の面影もないほどに。
「もう病気で悩むことも無い、これからは楽しく生きていこう、友達を沢山作って彼女も作ろう。あぁ、楽しみだなぁ」

「うわぁぁ、こいつ舌を噛み切りましたよ!!」
「これはまずい!!このままだと出血死してしまう!急いで医者を呼べ!」
医者の努力も虚しく、男子高校生は死んだ。
その顔は目が引き攣り、強く恨みを孕んだ顔をしていた。

「あーあ、死んじゃった、実験体を用意するのも楽じゃないのになぁ」
「これは不覚だった、まさか舌を噛み切るとは、おそらく短期間でストレスを与えすぎたのだろう。申し訳ない、私のミスだ...」
「ちょっと!そんなに落ち込まないで下さいよ!そうなることを予測しなかった僕のミスでもあります。僕こそ謝らないと。それに、舌を噛み切るときの痛みのデータも取れました、元気だしてください」
「ふふ、優しいんだな...」
博士は助手を抱きしめた
「は、博士!な、何をするんですか!?」
「可愛い反応をするな、ほんとにお前はいい助手だ」
「博士...」
「さてと、こうなると新しい実験体が必要だな、調達をお願いしてもいいか?」
「わぁーお、切り替えはやーい」
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