生きるのが下手すぎる僕と電柱

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若者の喫煙者

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近年、僕のような若手の喫煙者が減ってきている。
世間の喫煙者へのバッシングが強くなる一方だからだ。
それはまぁ悪い事だとは思わない。
副流煙などの非、喫煙者への害は認めざるを得ない。
だが、僕のようにルールとマナーを守っている喫煙者からすれば、偏見の目で見られているという思想を持ってしまっても仕方がない。

「フゥ...」

などと考えながらタバコをふかし、少なくなった喫煙所で年上の喫煙者と肩を並べる。

「はい、はい、その件につきましては以前説明したように...」

やや小太りの中年の彼は、こんな場所でまで取引先との電話の対応に勤しんでいる。
ハンカチを片手におでこの汗を拭き取りながら電話をする姿を見ていると、こっちまで胸がきゅっと締め付けられる気がするが、だからこそタバコが美味いのだ。
タバコはストレスを昇華してくれる。
何もストレスがない日にはさほどタバコを吸いたいと思う気持ちにはならない。
イライラすることや心がどん底に落ち込む時にこそ、タバコは真の力を発揮する。
なんて、タバコを吸わない人に力説しても伝わらないのであろう。

ジリジリジリ。
ぷはぁ、
トントントン

タバコ吸い、吐く、肺を汚し灰を落とす。

喫煙所では、黙ってこの行動を皆が繰り返す。
そのまま2本目にはいる人、いそいそと吸いきり、喫煙所を出る人。
歩んできた人生は違えど、ここにいる人は皆その人生の中でタバコを吸うという決意をした同士だ。
言葉を交わすわけでもなく、ただ空間を共にしただけで、なんとなしに仲間意識を持つ。
話しかけるのも野暮だ、喫煙所で空間を共にするだけでいい、1人でタバコを吸ってる時、ふとこの空間を思い出すだけでいい。
それだけで、何故か心が軽くなる。

ジュ。

灰を落とし外に出る。

あぁ~、歳の近いタバコ仲間がほしぃなぁ、いいもんなんだけどなぁ、タバコ。
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