153 / 167
ローグパラディズム・イン・ザ・ダークact6
しおりを挟む
店の明かり一つ無い旧都の往来で謎の遺体を前に対峙する。あの無駄にデカい声、やっぱりワイルドだ!
「いかにも。リーファはいったいこんな時間場所で何をしておるのだ?よもやそこなる男、不埒な考えで婦女子たちを暗がりに連れ込もうとしておるまいな?」
「言われてっぞ、ド変態ども」
「誰がド変態だ!シンディー、お前はこっち側の人間だろうが?」
・・・まあ、こんな時間に暗がりをうろついているのは妙だというのはわからなくもない。だが、いま気にすべきはそんなことじゃないだろう。もっと大きな問題が私たちの前に横たわっているんだが?
「ちょっと落ち着いてよマイク。シンディーの悪ふざけなんだから。」
「どうなんだ!返答次第では」
「待ってよワイルド。それは誤解だ。」
「そうか。ならば聞く。この惨劇は貴殿らの仕業ではなかろうな?」
そりゃあこっちのセリフだ。後から来た私たちからすれば遺体の傍にいたのがアンタたちだったんだから。
「私たちが来た時には既にこの有様だった。こちらからすれば物騒な出で立ちのアンタたちこそこの惨劇を引き起こした張本人に見えるが?」
「しかと見よリーファ、返り血など無かろう?」
「それを言うなら私たちも同じさ。」
「はっはっはっ、然り然り。これは一本取られてしまった。」
いや、笑いごとじゃないんよ。結構な惨劇だ、何でワイルドはこの状況で笑ってんだ?
笑い飛ばしているあたり、この惨劇を引き起こしたのがリーファたちではないと見抜いていたのだろう。どうやらリーファたちを勘ぐる部下たちを納得させるためにうった芝居にすぎないようだ。
その芝居が功を奏したか、相変わらず大きな声で笑うワイルドに部下の一人が近づく。こちらも事件だが、彼らが負っている任務からすれば些事にすぎない。
「十騎長殿、何にせよ急がねば。」
「そうであったな。悪いがリーファ、私は先を急がねばならぬ。貴殿らは即刻宿に戻るがよいぞ。」
「ワイルド、ひとつ聞かせてよ」
相互に疑いが晴れたとばかりに先を急ごうとするワイルドを呼び止めると、律儀にもワイルドが私の声に振り向いて見せた。
「何かな?」
「あのホテルにいたエルフと亜人の子を傷つけてないだろうな?」
「抜剣っ!」
ワイルドの部下の男が戦闘態勢を取るよう全体指示を出す。するとワイルドを除く全員が即座に背中の大剣を引き抜いて構えている。リーファたちを見逃すためにワイルドが敢えて芝居をうったにも関わらず、当のリーファ自身がそれを台無しにする発言をしたのだ。部下たちが聞き咎めないわけがない。
ただ襲い掛かって来ないのは最終的に攻撃の指示を下すことができるのはワイルドだということなのだろう。ワイルドは振り向いた姿勢のまま無言でリーファを見つめている。
「・・・」
しばしの沈黙。ワイルドはリーファに向き直るとようやく言葉を発した。と言うよりも部下たちの手前、ワイルドは追及の言葉を発せざるを得なかった。
「リーファ、どうして貴殿がそれを知っている?」
「先に質問したのはこちらなんだ。答えてよワイルド」
「やれやれ気が滅入るものだ。」
リアンを付け狙う軍が本日の会合で精鋭を仕向けると決議したというのはテオから聞いている。商業ギルドマスターのテオは懇意にしている貴族から状況について忠告を受けたそうなんだ。
しかし驚きだよね?それがまさかワイルドだったとは思わなかったよ。私が考えるよりも世間は狭いってことなのかな?どう思う?
でもワイルドが私に恩を感じているなら自ら退いてほしいところだけど、あの様子は一体どっちなんだ?
「どうなのさワイルド?それじゃあサッパリわかんないよ。」
「我々は任務中なのだ、リーファ。答えるべくもなかろう。私から言えるのはただただ残念ということだけだ。」
「さっきから聞いてりゃ気が滅入るだの残念だの、何なんだよ?」
「残念だとも、我らが恩人たる貴殿に力を行使せねばならぬのだからな。」
「言ってくれるじゃん」
どうやらワイルドは退く気など毛頭ないようだ。だがアンタたちがやる気なら叩き潰すまでだよ。バトラー、準備はできてる?
「もちろんです、リーファさま。今回は隠し玉も準備いたしました。これまでとは比べ物になりませんよ。」
さすがバトラーだね、本当頼りにしてるよ。さて、リアンには手を出させないからアンタたちは覚悟してもらうかんね。
「投降し、今すぐ旧都から立ち去ると言うのであれば一切を不問に付す。もちろん先の謝礼つきでだ。」
「十騎長殿、それはいくらなんでも」
お尋ね者の一味と思しき人間を野に放つと言うのだ。ワイルドの言葉と言えども聞き流すわけにはいかないとばかりに部下が食い下がる。
十騎長殿には甘いところがある、それが彼の人間的魅力の一つとはいえそれを正すのも部下の務めだ。
しかし部下の思いとは裏腹にワイルドも簡単には折れないようで・・・
「良いのだ。もとより私は主からエルフ捕縛以外の命令は受けておらぬ。私の指示が気に入らぬのならば上に報告すればよかろう。」
「いえ、そんなつもりなど」
「ワイルド!」
呼び声とともにリーファが何かを投げて寄越した。それをキャッチしたワイルドがその目で確認する。
「む!これは・・・」
「それのおかげで入城できたよ。もう用は済んだから返す。」
リーファの感謝の声にワイルドが安堵する。板ばさみのワイルドにとってはリーファから色よい返事を聞けるに十分な手ごたえだ。疑心暗鬼な部下の手前、自信をもってワイルドがリーファに問う。
「そうか。先の返答は如何」
「あんたの短剣で貸し借り無しってことさ。力づくで排除するから覚悟してねワイルド。」
皮肉にも自らの心遣いが絶縁の契機になろうとは思いもしなかったワイルドが心底残念な調子でうめく。
「良き旅路、良き再開とはいかなかったな。・・・何とも気の滅入る話だ。」
話合いは不調に終わった。目の前のワイルドはため息なんてついてるよ。不本意なら退いてほしいよね、まったく。
「戦う以上は容赦せぬ。覚悟してもらうぞリーファ!」
「そりゃあお互い様だ。やっちゃえシンディー!」
ワイルドとやりとりしている間、シンディーが私の背後で詠唱していたんだ。先手はこちらが取らせてもらうよ。
「準備できてるぜ、リーファ。フォックスファイア!」
暗闇の中、シンディーの目が蒼く輝く。すると次の瞬間、青炎の連弾が重騎士たちに襲いかかった。
「いかにも。リーファはいったいこんな時間場所で何をしておるのだ?よもやそこなる男、不埒な考えで婦女子たちを暗がりに連れ込もうとしておるまいな?」
「言われてっぞ、ド変態ども」
「誰がド変態だ!シンディー、お前はこっち側の人間だろうが?」
・・・まあ、こんな時間に暗がりをうろついているのは妙だというのはわからなくもない。だが、いま気にすべきはそんなことじゃないだろう。もっと大きな問題が私たちの前に横たわっているんだが?
「ちょっと落ち着いてよマイク。シンディーの悪ふざけなんだから。」
「どうなんだ!返答次第では」
「待ってよワイルド。それは誤解だ。」
「そうか。ならば聞く。この惨劇は貴殿らの仕業ではなかろうな?」
そりゃあこっちのセリフだ。後から来た私たちからすれば遺体の傍にいたのがアンタたちだったんだから。
「私たちが来た時には既にこの有様だった。こちらからすれば物騒な出で立ちのアンタたちこそこの惨劇を引き起こした張本人に見えるが?」
「しかと見よリーファ、返り血など無かろう?」
「それを言うなら私たちも同じさ。」
「はっはっはっ、然り然り。これは一本取られてしまった。」
いや、笑いごとじゃないんよ。結構な惨劇だ、何でワイルドはこの状況で笑ってんだ?
笑い飛ばしているあたり、この惨劇を引き起こしたのがリーファたちではないと見抜いていたのだろう。どうやらリーファたちを勘ぐる部下たちを納得させるためにうった芝居にすぎないようだ。
その芝居が功を奏したか、相変わらず大きな声で笑うワイルドに部下の一人が近づく。こちらも事件だが、彼らが負っている任務からすれば些事にすぎない。
「十騎長殿、何にせよ急がねば。」
「そうであったな。悪いがリーファ、私は先を急がねばならぬ。貴殿らは即刻宿に戻るがよいぞ。」
「ワイルド、ひとつ聞かせてよ」
相互に疑いが晴れたとばかりに先を急ごうとするワイルドを呼び止めると、律儀にもワイルドが私の声に振り向いて見せた。
「何かな?」
「あのホテルにいたエルフと亜人の子を傷つけてないだろうな?」
「抜剣っ!」
ワイルドの部下の男が戦闘態勢を取るよう全体指示を出す。するとワイルドを除く全員が即座に背中の大剣を引き抜いて構えている。リーファたちを見逃すためにワイルドが敢えて芝居をうったにも関わらず、当のリーファ自身がそれを台無しにする発言をしたのだ。部下たちが聞き咎めないわけがない。
ただ襲い掛かって来ないのは最終的に攻撃の指示を下すことができるのはワイルドだということなのだろう。ワイルドは振り向いた姿勢のまま無言でリーファを見つめている。
「・・・」
しばしの沈黙。ワイルドはリーファに向き直るとようやく言葉を発した。と言うよりも部下たちの手前、ワイルドは追及の言葉を発せざるを得なかった。
「リーファ、どうして貴殿がそれを知っている?」
「先に質問したのはこちらなんだ。答えてよワイルド」
「やれやれ気が滅入るものだ。」
リアンを付け狙う軍が本日の会合で精鋭を仕向けると決議したというのはテオから聞いている。商業ギルドマスターのテオは懇意にしている貴族から状況について忠告を受けたそうなんだ。
しかし驚きだよね?それがまさかワイルドだったとは思わなかったよ。私が考えるよりも世間は狭いってことなのかな?どう思う?
でもワイルドが私に恩を感じているなら自ら退いてほしいところだけど、あの様子は一体どっちなんだ?
「どうなのさワイルド?それじゃあサッパリわかんないよ。」
「我々は任務中なのだ、リーファ。答えるべくもなかろう。私から言えるのはただただ残念ということだけだ。」
「さっきから聞いてりゃ気が滅入るだの残念だの、何なんだよ?」
「残念だとも、我らが恩人たる貴殿に力を行使せねばならぬのだからな。」
「言ってくれるじゃん」
どうやらワイルドは退く気など毛頭ないようだ。だがアンタたちがやる気なら叩き潰すまでだよ。バトラー、準備はできてる?
「もちろんです、リーファさま。今回は隠し玉も準備いたしました。これまでとは比べ物になりませんよ。」
さすがバトラーだね、本当頼りにしてるよ。さて、リアンには手を出させないからアンタたちは覚悟してもらうかんね。
「投降し、今すぐ旧都から立ち去ると言うのであれば一切を不問に付す。もちろん先の謝礼つきでだ。」
「十騎長殿、それはいくらなんでも」
お尋ね者の一味と思しき人間を野に放つと言うのだ。ワイルドの言葉と言えども聞き流すわけにはいかないとばかりに部下が食い下がる。
十騎長殿には甘いところがある、それが彼の人間的魅力の一つとはいえそれを正すのも部下の務めだ。
しかし部下の思いとは裏腹にワイルドも簡単には折れないようで・・・
「良いのだ。もとより私は主からエルフ捕縛以外の命令は受けておらぬ。私の指示が気に入らぬのならば上に報告すればよかろう。」
「いえ、そんなつもりなど」
「ワイルド!」
呼び声とともにリーファが何かを投げて寄越した。それをキャッチしたワイルドがその目で確認する。
「む!これは・・・」
「それのおかげで入城できたよ。もう用は済んだから返す。」
リーファの感謝の声にワイルドが安堵する。板ばさみのワイルドにとってはリーファから色よい返事を聞けるに十分な手ごたえだ。疑心暗鬼な部下の手前、自信をもってワイルドがリーファに問う。
「そうか。先の返答は如何」
「あんたの短剣で貸し借り無しってことさ。力づくで排除するから覚悟してねワイルド。」
皮肉にも自らの心遣いが絶縁の契機になろうとは思いもしなかったワイルドが心底残念な調子でうめく。
「良き旅路、良き再開とはいかなかったな。・・・何とも気の滅入る話だ。」
話合いは不調に終わった。目の前のワイルドはため息なんてついてるよ。不本意なら退いてほしいよね、まったく。
「戦う以上は容赦せぬ。覚悟してもらうぞリーファ!」
「そりゃあお互い様だ。やっちゃえシンディー!」
ワイルドとやりとりしている間、シンディーが私の背後で詠唱していたんだ。先手はこちらが取らせてもらうよ。
「準備できてるぜ、リーファ。フォックスファイア!」
暗闇の中、シンディーの目が蒼く輝く。すると次の瞬間、青炎の連弾が重騎士たちに襲いかかった。
0
あなたにおすすめの小説
転生貴族の移動領地~家族から見捨てられた三子の俺、万能な【スライド】スキルで最強領地とともに旅をする~
名無し
ファンタジー
とある男爵の三子として転生した主人公スラン。美しい海辺の辺境で暮らしていたが、海賊やモンスターを寄せ付けなかった頼りの父が倒れ、意識不明に陥ってしまう。兄姉もまた、スランの得たスキル【スライド】が外れと見るや、彼を見捨ててライバル貴族に寝返る。だが、そこから【スライド】スキルの真価を知ったスランの逆襲が始まるのであった。
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
【一時完結】スキル調味料は最強⁉︎ 外れスキルと笑われた少年は、スキル調味料で無双します‼︎
アノマロカリス
ファンタジー
調味料…それは、料理の味付けに使う為のスパイスである。
この世界では、10歳の子供達には神殿に行き…神託の儀を受ける義務がある。
ただし、特別な理由があれば、断る事も出来る。
少年テッドが神託の儀を受けると、神から与えられたスキルは【調味料】だった。
更にどんなに料理の練習をしても上達しないという追加の神託も授かったのだ。
そんな話を聞いた周りの子供達からは大爆笑され…一緒に付き添っていた大人達も一緒に笑っていた。
少年テッドには、両親を亡くしていて妹達の面倒を見なければならない。
どんな仕事に着きたくて、頭を下げて頼んでいるのに「調味料には必要ない!」と言って断られる始末。
少年テッドの最後に取った行動は、冒険者になる事だった。
冒険者になってから、薬草採取の仕事をこなしていってったある時、魔物に襲われて咄嗟に調味料を魔物に放った。
すると、意外な効果があり…その後テッドはスキル調味料の可能性に気付く…
果たして、その可能性とは⁉
HOTランキングは、最高は2位でした。
皆様、ありがとうございます.°(ಗдಗ。)°.
でも、欲を言えば、1位になりたかった(⌒-⌒; )
無能と追放された俺の【システム解析】スキル、実は神々すら知らない世界のバグを修正できる唯一のチートでした
夏見ナイ
ファンタジー
ブラック企業SEの相馬海斗は、勇者として異世界に召喚された。だが、授かったのは地味な【システム解析】スキル。役立たずと罵られ、無一文でパーティーから追放されてしまう。
死の淵で覚醒したその能力は、世界の法則(システム)の欠陥(バグ)を読み解き、修正(デバッグ)できる唯一無二の神技だった!
呪われたエルフを救い、不遇な獣人剣士の才能を開花させ、心強い仲間と成り上がるカイト。そんな彼の元に、今さら「戻ってこい」と元パーティーが現れるが――。
「もう手遅れだ」
これは、理不尽に追放された男が、神の領域の力で全てを覆す、痛快無双の逆転譚!
『辺境伯一家の領地繁栄記』序章:【動物スキル?】を持った辺境伯長男の場合
鈴白理人
ファンタジー
北の辺境で雨漏りと格闘中のアーサーは、貧乏領主の長男にして未来の次期辺境伯。
国民には【スキルツリー】という加護があるけれど、鑑定料は銀貨五枚。そんな贅沢、うちには無理。
でも最近──猫が雨漏りポイントを教えてくれたり、鳥やミミズとも会話が成立してる気がする。
これってもしかして【動物スキル?】
笑って働く貧乏大家族と一緒に、雨漏り屋敷から始まる、のんびりほのぼの領地改革物語!
異世界転生、防御特化能力で彼女たちを英雄にしようと思ったが、そんな彼女たちには俺が英雄のようだ。
Mです。
ファンタジー
異世界学園バトル。
現世で惨めなサラリーマンをしていた……
そんな会社からの帰り道、「転生屋」という見慣れない怪しげな店を見つける。
その転生屋で新たな世界で生きる為の能力を受け取る。
それを自由イメージして良いと言われた為、せめて、新しい世界では苦しまないようにと防御に突出した能力をイメージする。
目を覚ますと見知らぬ世界に居て……学生くらいの年齢に若返っていて……
現実か夢かわからなくて……そんな世界で出会うヒロイン達に……
特殊な能力が当然のように存在するその世界で……
自分の存在も、手に入れた能力も……異世界に来たって俺の人生はそんなもん。
俺は俺の出来ること……
彼女たちを守り……そして俺はその能力を駆使して彼女たちを英雄にする。
だけど、そんな彼女たちにとっては俺が英雄のようだ……。
※※多少意識はしていますが、主人公最強で無双はなく、普通に苦戦します……流行ではないのは承知ですが、登場人物の個性を持たせるためそのキャラの物語(エピソード)や回想のような場面が多いです……後一応理由はありますが、主人公の年上に対する態度がなってません……、後、私(さくしゃ)の変な癖で「……」が凄く多いです。その変ご了承の上で楽しんで頂けると……Mです。の本望です(どうでもいいですよね…)※※
※※楽しかった……続きが気になると思って頂けた場合、お気に入り登録……このエピソード好みだなとか思ったらコメントを貰えたりすると軽い絶頂を覚えるくらいには喜びます……メンタル弱めなので、誹謗中傷てきなものには怯えていますが、気軽に頂けると嬉しいです。※※
田舎農家の俺、拾ったトカゲが『始祖竜』だった件〜女神がくれたスキル【絶対飼育】で育てたら、魔王がコスメ欲しさに竜王が胃薬借りに通い詰めだした
月神世一
ファンタジー
「くそっ、魔王はまたトカゲの抜け殻を美容液にしようとしてるし、女神は酒のつまみばかり要求してくる! 俺はただ静かに農業がしたいだけなのに!」
ブラック企業で過労死した日本人、カイト。
彼の願いはただ一つ、「誰にも邪魔されない静かな場所で農業をすること」。
女神ルチアナからチートスキル【絶対飼育】を貰い、異世界マンルシア大陸の辺境で念願の農場を開いたカイトだったが、ある日、庭から虹色の卵を発掘してしまう。
孵化したのは、可愛らしいトカゲ……ではなく、神話の時代に世界を滅亡させた『始祖竜』の幼体だった!
しかし、カイトはスキル【絶対飼育】のおかげで、その破壊神を「ポチ」と名付けたペットとして完璧に飼い慣らしてしまう。
ポチのくしゃみ一発で、敵の軍勢は老衰で塵に!?
ポチの抜け殻は、魔王が喉から手が出るほど欲しがる究極の美容成分に!?
世界を滅ぼすほどの力を持つポチと、その魔素を浴びて育った規格外の農作物を求め、理知的で美人の魔王、疲労困憊の竜王、いい加減な女神が次々にカイトの家に押しかけてくる!
「世界の管理者」すら手が出せない最強の農場主、カイト。
これは、世界の運命と、美味しい野菜と、ペットの散歩に追われる、史上最も騒がしいスローライフ物語である!
ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜
KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞
ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。
諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。
そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。
捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。
腕には、守るべきメイドの少女。
眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。
―――それは、ただの不運な落下のはずだった。
崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。
その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。
死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。
だが、その力の代償は、あまりにも大きい。
彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”――
つまり平和で自堕落な生活そのものだった。
これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、
守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、
いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。
―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる