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第1章
12,クラスチェンジ
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必要そうなスキルは大体取得した。
503あった残りポイントは今や6。
ステータスウィンドウの所持スキルの賑わいも、かなり増している。
そもそもポイントを全部使う必要性は普通なら、ない。
だが、ステータス還元やスキルリセットがあるオレは別だ。簡単にポイントを戻せる。これは大きい。
残しておく必要性は皆無なのだ。
故に、残りの6ポイントで取得できそうなスキルを探すことにした。
もしなかったらステータス割り振りをすることに決めている。
草の海に開いている空き地のような場所――今いるところに歩いてくるまでに、開いていたスキルウィンドウは閉じてしまったので、再度メニューからスキルを選択してウィンドウを開く。
上からゆっくりと見ていくことにする。
Lv5で止めている増加系スキルは、必要ポイントが7必要だ。1足りない。この辺は却下っと。
残っている初級魔法の風と土は必要ポイントが10だから、当然却下。
強化系スキルも必要ポイントが軒並み7だ。
これは何かの嫌がらせか? 1ポイント足りないスキルが多すぎる。ちょっと悲しくなってきたぞ。
あぁ、レベルアップしてもポイントが足りない気分ってのは……こういう気分なのか。よくわかったよ。これは我慢できないわ。
あとはざっと流し見して取れそうなスキルがなかったので、ステータス割り振りすることにした。
問題はどのステータスに割り振るか。必要なのはMPか回復力。
転移するにも連発すると、すぐにMPが枯渇してしまう。
だが、MPに6振ったところで焼け石に水だ。ならば回復力か。
そういえば最初は1ずつ回復してた気がする。だが、増加スキルを取得してからは3ずつ回復している。
初期値が10。スキル取得後は35。単純に考えて10の位の数だけ回復している?
そんな単純でいいのかわからないが、とりあえず40にしたら4回復するかもしれない。
増えなかったらステータス還元で戻して、MPに全部振ってしまおう。
回復力の表示を1回タッチしてみる。
数値が35から36に増加し、表示上では " 回復力:36#(+1) " となっていた。
割り振った分がわかりやすいように表示されている。
これは便利だ。どの能力に割り振りしたのか一目でわかる。
オレはステータス還元を持っているからわかりやすくていいが、他の人はこんな表示あまり意味がないんじゃないだろうか?
まぁ他の人のことなんて、知ったところでどうにもならないか。
表示もわかりやすいし、予定通りに40までポイントを割り振る。
MPが自然回復するまで待っていると、10秒しないうちにMPが4回復した。
やはり10の位が回復量であっているようだ。1の位はなんなんだろうと思ったので聞いてみることにした。
……というか、最初からアルに聞けば早かったんじゃないだろうか。
半眼になって頭を振って、不意に気づいてしまった悲しい事実を掻き消してアルに向き直る。
「アル、質問だ。回復力の10の位が回復する実際の量ってのはわかったんだが、1の位はどういう意味なんだ?」
「回復力の数値は、HPとMPでは見方が異なります。
HPでは回復力を5で割った数が、回復量になります。
MPでは回復力を10で割った数が、回復量になります。
どちらも端数切り捨てにございます。
従って、1の位を考える場合は5で割り切れる数値にすることをお奨めします」
「MPに関しては1の位は意味がないってことか」
「答えは是。その通りにございます」
じゃぁ回復力は40で止めるべきだな。残り1はMPに振っておこう。
MPを1回タッチして振り終わると、再度ステータスウィンドウを見てみることにした。
■□■□■□■□■□■□■□■□■□
BaseLv:1 職業:町民Lv1
HP:200/200
MP:9/131#(+1)
筋力:35
器用:35
敏捷:35
魔力:35
回復力:40#(+5)
運:5
状態:健康
所有:アル#(従者)
所持職業:町民Lv1 戦士Lv1
残りポイント:0
所持スキル
成長率増加Lv10 スキルリセット ステータス還元
ウイユベール共通語翻訳#(自動筆記翻訳付き) 鑑定 クラスチェンジ
筋力増加Lv5 敏捷増加Lv5 器用増加Lv5
魔力増加Lv5 回復力増加Lv5 HP増加Lv5 MP増加Lv10
初級魔法:体力回復 毒回復 麻痺回復 石化回復
初級魔法:火 初級魔法:水
物理防御盾Lv2 魔法防御盾Lv1
単独転移Lv1 複数転移Lv1 詠唱省略Lv3
気配察知Lv1 アイテムボックス拡張Lv5
■□■□■□■□■□■□■□■□■□
そういえば職業をすっかり忘れていた。
クラスチェンジは当然、職業を変更するためにあるんだろう。これも最初から持ってたから特殊スキルなんだろう。
クラスチェンジという特殊スキルがある以上、職業を変更する際に普通の人は別の手段を用いるんだろうな。
一体どうやるんだろう? その職業の仕事をある程度こなすとか? それじゃ魔物を殺しまくったら、勝手に戦士になってしまうのではないだろうか。
さぁ出番だよアル君!
「アル、質問だ。職業変更は普通はどうするんだ? オレはクラスチェンジで変更できるんだろ?」
「通常の職業変更は、各町に最低1つはある神殿にて行います。
一定の料金を支払い、司祭以上の職業についている者の固有スキル " 職業変更 " を用いてもらい変更します。
クラスチェンジに関しては、答えは是。ワタリ様は特殊スキルクラスチェンジで、いつでもどこでも変更が可能です」
「へー普通は金がかかるのか。節約になっていいな」
やはりお馴染みのチートスキルのようだ。今回は軽めのチートだな。
だが、便利なことには変わりない。さっそく職業を変更しておこう。
魔物を倒すなら戦士の職業の方が有利ってアルも言ってたしな!
(クラスチェンジ!)
念じて見るとウィンドウが出現し、現在就いている職業とLv、所持している職業とLvと職業の恩恵――効果と固有スキルが表示されていた。
そう、効果と固有スキルが表示されているのだ。
ステータスウィンドウには表示されていなかった、効果と固有スキルが表示されている。
これは便利だ! 取得さえしてしまえば、職業の持つ効果と固有スキルがわかってしまう。いちいち調べなくていいし、変更する際にも比べやすい。
軽めのチートかと思ったら意外にやるじゃないか、クラスチェンジ。
■□■□■□■□■□■□■□■□■□
職業:町民Lv1
所持職業
町民Lv1:-
戦士Lv1:筋力小上昇 回復力小上昇 固有スキル:タフネス
■□■□■□■□■□■□■□■□■□
だが、効果も固有スキルもない町民には、ハイフン表示なのが寂しいな。何かあってもいいだろうに町民。悲しいかな町民。
まぁもしかしたら、某玉状のネギの剣士のようにLv99で全職中最強なるのかもしれない……ないと思うけど。
恩恵としての能力値強化も筋力小上昇という、曖昧な感じでしか書かれていない。
固有スキルに至っては名前だけだ。実際にどんな効果があるのかまったくわからなかった。ないよりマシだが、痒いところに手が届かない感じがもどかしい。
さて、いつも通りアル君にご教授願いますかね。
「アル、質問だ! 戦士の固有スキルのタフネスの効果はなんだ?」
「申し訳ありません、ワタリ様。チュートリアルブックには固有スキルの詳細情報は記載されておりません」
「な、なんだってー!」
「申し訳ありません」
深々と頭を下げながら再度謝る執事君。
まさか固有スキルの1つも載っていないとは……。
所詮はチュートリアルブックということか。……いや自分でそのくらい調べろよってことだろう。
なんだか、すぐにアルに聞く癖がついてしまった気がする。これは改善しなければいけない。
便利だからついつい聞いてしまっていたが、万能ではないのだ。ないのならすぐに気持ちを切り替えるべきだ。
あればいいな、程度の気持ちで聞くことにしよう。
「アル。チュートリアルブックに記載されてないからって、いちいち頭を下げなくてもいいから。
ラッシュの街だっけ? についたら調べればいいさ」
「寛大なお心遣いありがとうございます。
そして、答えは是。ここから北東に約30kmの位置にございますのは、ラッシュの街にございます。
到着しましたら、この不肖アル。誠心誠意知識の収集に努める所存にございます」
「うん? あぁ、チュートリアルブックの化身でも、今は人間だもんな。勉強すれば知識は増えていくか」
「答えは是。その通りにございます。
ですが、私はチュートリアルブック。一度収集した知識は、脳が忘却するような消失はありませんが、本が損傷すると知識を失います」
「へー……。損傷する時って怪我したりしたときとか?」
「答えは是。大きな傷やダメージを負った場合のみですが、知識を損傷します。
ですが、名前を頂いた時に所持していた知識に関しては損傷しません。損傷するのはそれ以降に得た知識、となります」
「大きな傷でも魔法や自然回復で治ったりしても、知識は戻らないのか?」
「答えは是。失われた知識は再度知識を収集する以外には、元に戻すことはできません」
「ふーむ……。まぁアルは非戦闘員だしな。早々そういうこともあるまい」
人間になったといっても、やはり特殊な存在のようだ。
得た知識ということは、オレに関する改善系の知識も当てはまるのだろう。
まぁ戦闘するのはオレだ。アルには徹底的に回避か、逃げに回ってもらえばいいだろう。盾持ってもらって防御に専念させるのもいいかもしれない。
「じゃぁ、アルは怪我して知識を損傷させないように、しっかり回避するか逃げろな」
「畏まりました。ですが、ワタリ様の命に関わるようなモノに関しては、許可の有無を問わず盾としてこの身を捧げる所存にございます」
「あーうん、まぁ……そういうことにならないように頑張るよ」
盾云々のところで、剣呑とした輝きと決意を漲らせた瞳には何をいっても無駄そうだったので、適当にお茶を濁しておくことにした。
そんな状況になる前に逃げるつもりだしな。転移スキルはそのためのモノだ。
おっと、話が大きく逸れたな。町民は意味がないから戦士に職業を変更しておこう。
そういえば、どうやって変更するんだコレ?
アルに聞くのは簡単だが、先ほど改善すると決めたばかりだ。とりあえず、ウィンドウ上の戦士をフォーカスしてみる。
何も起きない。
次はタッチしてみる。
すると職業が戦士Lv1に切り替わった。
クラスチェンジはタッチで選択するようだ。
変更も済んだのでクラスチェンジウィンドウを閉じて消すと、ステータスウィンドウの職業の表示も戦士Lv1に変更されている。
そして戦士の職業恩恵通りに、能力値が加算されていた。
■□■□■□■□■□■□■□■□■□
BaseLv:1 職業:戦士Lv1
HP:200/200
MP:49/131#(+1)
筋力:37#[+2]
器用:35
敏捷:35
魔力:35
回復力:41#(+5)#[+1]
運:5
状態:健康
所有:アル#(従者)
所持職業:町民Lv1 戦士Lv1
残りポイント:0
所持スキル
成長率増加Lv10 スキルリセット ステータス還元
ウイユベール共通語翻訳#(自動筆記翻訳付き) 鑑定 クラスチェンジ
筋力増加Lv5 敏捷増加Lv5 器用増加Lv5
魔力増加Lv5 回復力増加Lv5 HP増加Lv5 MP増加Lv10
初級魔法:体力回復 毒回復 麻痺回復 石化回復
初級魔法:火 初級魔法:水
物理防御盾Lv2 魔法防御盾Lv1
単独転移Lv1 複数転移Lv1 詠唱省略Lv3
気配察知Lv1 アイテムボックス拡張Lv5
■□■□■□■□■□■□■□■□■□
職業恩恵での加算値の表示と、ステータス割り振りでの加算値の表示は、違う項目としてきちんと表示してくれるようだ。
実にわかりやすい。変なところで親切設計だな。
だが、恩恵は筋力、回復力、どちらも小上昇だったのだが、実際に上昇している数値は違っている。
小上昇でも幅があるということだろう。
上昇している値は2と1。大した数値ではないが、ポイント3分……BaseLv1分と考えると大きいかもしれない。
職業Lvを上げていけば効果も上がっていくらしいし、これから十分に期待できる。
固有スキルのタフネスは、所持スキルにも表示されていない。
念話のように特定条件下でのスキルという枠内なのだろう。実際 " 固有 " スキルだしな。
タフネスに関してはラッシュの街で情報収集しようと、再度心のメモ帳に刻んでおいた。
503あった残りポイントは今や6。
ステータスウィンドウの所持スキルの賑わいも、かなり増している。
そもそもポイントを全部使う必要性は普通なら、ない。
だが、ステータス還元やスキルリセットがあるオレは別だ。簡単にポイントを戻せる。これは大きい。
残しておく必要性は皆無なのだ。
故に、残りの6ポイントで取得できそうなスキルを探すことにした。
もしなかったらステータス割り振りをすることに決めている。
草の海に開いている空き地のような場所――今いるところに歩いてくるまでに、開いていたスキルウィンドウは閉じてしまったので、再度メニューからスキルを選択してウィンドウを開く。
上からゆっくりと見ていくことにする。
Lv5で止めている増加系スキルは、必要ポイントが7必要だ。1足りない。この辺は却下っと。
残っている初級魔法の風と土は必要ポイントが10だから、当然却下。
強化系スキルも必要ポイントが軒並み7だ。
これは何かの嫌がらせか? 1ポイント足りないスキルが多すぎる。ちょっと悲しくなってきたぞ。
あぁ、レベルアップしてもポイントが足りない気分ってのは……こういう気分なのか。よくわかったよ。これは我慢できないわ。
あとはざっと流し見して取れそうなスキルがなかったので、ステータス割り振りすることにした。
問題はどのステータスに割り振るか。必要なのはMPか回復力。
転移するにも連発すると、すぐにMPが枯渇してしまう。
だが、MPに6振ったところで焼け石に水だ。ならば回復力か。
そういえば最初は1ずつ回復してた気がする。だが、増加スキルを取得してからは3ずつ回復している。
初期値が10。スキル取得後は35。単純に考えて10の位の数だけ回復している?
そんな単純でいいのかわからないが、とりあえず40にしたら4回復するかもしれない。
増えなかったらステータス還元で戻して、MPに全部振ってしまおう。
回復力の表示を1回タッチしてみる。
数値が35から36に増加し、表示上では " 回復力:36#(+1) " となっていた。
割り振った分がわかりやすいように表示されている。
これは便利だ。どの能力に割り振りしたのか一目でわかる。
オレはステータス還元を持っているからわかりやすくていいが、他の人はこんな表示あまり意味がないんじゃないだろうか?
まぁ他の人のことなんて、知ったところでどうにもならないか。
表示もわかりやすいし、予定通りに40までポイントを割り振る。
MPが自然回復するまで待っていると、10秒しないうちにMPが4回復した。
やはり10の位が回復量であっているようだ。1の位はなんなんだろうと思ったので聞いてみることにした。
……というか、最初からアルに聞けば早かったんじゃないだろうか。
半眼になって頭を振って、不意に気づいてしまった悲しい事実を掻き消してアルに向き直る。
「アル、質問だ。回復力の10の位が回復する実際の量ってのはわかったんだが、1の位はどういう意味なんだ?」
「回復力の数値は、HPとMPでは見方が異なります。
HPでは回復力を5で割った数が、回復量になります。
MPでは回復力を10で割った数が、回復量になります。
どちらも端数切り捨てにございます。
従って、1の位を考える場合は5で割り切れる数値にすることをお奨めします」
「MPに関しては1の位は意味がないってことか」
「答えは是。その通りにございます」
じゃぁ回復力は40で止めるべきだな。残り1はMPに振っておこう。
MPを1回タッチして振り終わると、再度ステータスウィンドウを見てみることにした。
■□■□■□■□■□■□■□■□■□
BaseLv:1 職業:町民Lv1
HP:200/200
MP:9/131#(+1)
筋力:35
器用:35
敏捷:35
魔力:35
回復力:40#(+5)
運:5
状態:健康
所有:アル#(従者)
所持職業:町民Lv1 戦士Lv1
残りポイント:0
所持スキル
成長率増加Lv10 スキルリセット ステータス還元
ウイユベール共通語翻訳#(自動筆記翻訳付き) 鑑定 クラスチェンジ
筋力増加Lv5 敏捷増加Lv5 器用増加Lv5
魔力増加Lv5 回復力増加Lv5 HP増加Lv5 MP増加Lv10
初級魔法:体力回復 毒回復 麻痺回復 石化回復
初級魔法:火 初級魔法:水
物理防御盾Lv2 魔法防御盾Lv1
単独転移Lv1 複数転移Lv1 詠唱省略Lv3
気配察知Lv1 アイテムボックス拡張Lv5
■□■□■□■□■□■□■□■□■□
そういえば職業をすっかり忘れていた。
クラスチェンジは当然、職業を変更するためにあるんだろう。これも最初から持ってたから特殊スキルなんだろう。
クラスチェンジという特殊スキルがある以上、職業を変更する際に普通の人は別の手段を用いるんだろうな。
一体どうやるんだろう? その職業の仕事をある程度こなすとか? それじゃ魔物を殺しまくったら、勝手に戦士になってしまうのではないだろうか。
さぁ出番だよアル君!
「アル、質問だ。職業変更は普通はどうするんだ? オレはクラスチェンジで変更できるんだろ?」
「通常の職業変更は、各町に最低1つはある神殿にて行います。
一定の料金を支払い、司祭以上の職業についている者の固有スキル " 職業変更 " を用いてもらい変更します。
クラスチェンジに関しては、答えは是。ワタリ様は特殊スキルクラスチェンジで、いつでもどこでも変更が可能です」
「へー普通は金がかかるのか。節約になっていいな」
やはりお馴染みのチートスキルのようだ。今回は軽めのチートだな。
だが、便利なことには変わりない。さっそく職業を変更しておこう。
魔物を倒すなら戦士の職業の方が有利ってアルも言ってたしな!
(クラスチェンジ!)
念じて見るとウィンドウが出現し、現在就いている職業とLv、所持している職業とLvと職業の恩恵――効果と固有スキルが表示されていた。
そう、効果と固有スキルが表示されているのだ。
ステータスウィンドウには表示されていなかった、効果と固有スキルが表示されている。
これは便利だ! 取得さえしてしまえば、職業の持つ効果と固有スキルがわかってしまう。いちいち調べなくていいし、変更する際にも比べやすい。
軽めのチートかと思ったら意外にやるじゃないか、クラスチェンジ。
■□■□■□■□■□■□■□■□■□
職業:町民Lv1
所持職業
町民Lv1:-
戦士Lv1:筋力小上昇 回復力小上昇 固有スキル:タフネス
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だが、効果も固有スキルもない町民には、ハイフン表示なのが寂しいな。何かあってもいいだろうに町民。悲しいかな町民。
まぁもしかしたら、某玉状のネギの剣士のようにLv99で全職中最強なるのかもしれない……ないと思うけど。
恩恵としての能力値強化も筋力小上昇という、曖昧な感じでしか書かれていない。
固有スキルに至っては名前だけだ。実際にどんな効果があるのかまったくわからなかった。ないよりマシだが、痒いところに手が届かない感じがもどかしい。
さて、いつも通りアル君にご教授願いますかね。
「アル、質問だ! 戦士の固有スキルのタフネスの効果はなんだ?」
「申し訳ありません、ワタリ様。チュートリアルブックには固有スキルの詳細情報は記載されておりません」
「な、なんだってー!」
「申し訳ありません」
深々と頭を下げながら再度謝る執事君。
まさか固有スキルの1つも載っていないとは……。
所詮はチュートリアルブックということか。……いや自分でそのくらい調べろよってことだろう。
なんだか、すぐにアルに聞く癖がついてしまった気がする。これは改善しなければいけない。
便利だからついつい聞いてしまっていたが、万能ではないのだ。ないのならすぐに気持ちを切り替えるべきだ。
あればいいな、程度の気持ちで聞くことにしよう。
「アル。チュートリアルブックに記載されてないからって、いちいち頭を下げなくてもいいから。
ラッシュの街だっけ? についたら調べればいいさ」
「寛大なお心遣いありがとうございます。
そして、答えは是。ここから北東に約30kmの位置にございますのは、ラッシュの街にございます。
到着しましたら、この不肖アル。誠心誠意知識の収集に努める所存にございます」
「うん? あぁ、チュートリアルブックの化身でも、今は人間だもんな。勉強すれば知識は増えていくか」
「答えは是。その通りにございます。
ですが、私はチュートリアルブック。一度収集した知識は、脳が忘却するような消失はありませんが、本が損傷すると知識を失います」
「へー……。損傷する時って怪我したりしたときとか?」
「答えは是。大きな傷やダメージを負った場合のみですが、知識を損傷します。
ですが、名前を頂いた時に所持していた知識に関しては損傷しません。損傷するのはそれ以降に得た知識、となります」
「大きな傷でも魔法や自然回復で治ったりしても、知識は戻らないのか?」
「答えは是。失われた知識は再度知識を収集する以外には、元に戻すことはできません」
「ふーむ……。まぁアルは非戦闘員だしな。早々そういうこともあるまい」
人間になったといっても、やはり特殊な存在のようだ。
得た知識ということは、オレに関する改善系の知識も当てはまるのだろう。
まぁ戦闘するのはオレだ。アルには徹底的に回避か、逃げに回ってもらえばいいだろう。盾持ってもらって防御に専念させるのもいいかもしれない。
「じゃぁ、アルは怪我して知識を損傷させないように、しっかり回避するか逃げろな」
「畏まりました。ですが、ワタリ様の命に関わるようなモノに関しては、許可の有無を問わず盾としてこの身を捧げる所存にございます」
「あーうん、まぁ……そういうことにならないように頑張るよ」
盾云々のところで、剣呑とした輝きと決意を漲らせた瞳には何をいっても無駄そうだったので、適当にお茶を濁しておくことにした。
そんな状況になる前に逃げるつもりだしな。転移スキルはそのためのモノだ。
おっと、話が大きく逸れたな。町民は意味がないから戦士に職業を変更しておこう。
そういえば、どうやって変更するんだコレ?
アルに聞くのは簡単だが、先ほど改善すると決めたばかりだ。とりあえず、ウィンドウ上の戦士をフォーカスしてみる。
何も起きない。
次はタッチしてみる。
すると職業が戦士Lv1に切り替わった。
クラスチェンジはタッチで選択するようだ。
変更も済んだのでクラスチェンジウィンドウを閉じて消すと、ステータスウィンドウの職業の表示も戦士Lv1に変更されている。
そして戦士の職業恩恵通りに、能力値が加算されていた。
■□■□■□■□■□■□■□■□■□
BaseLv:1 職業:戦士Lv1
HP:200/200
MP:49/131#(+1)
筋力:37#[+2]
器用:35
敏捷:35
魔力:35
回復力:41#(+5)#[+1]
運:5
状態:健康
所有:アル#(従者)
所持職業:町民Lv1 戦士Lv1
残りポイント:0
所持スキル
成長率増加Lv10 スキルリセット ステータス還元
ウイユベール共通語翻訳#(自動筆記翻訳付き) 鑑定 クラスチェンジ
筋力増加Lv5 敏捷増加Lv5 器用増加Lv5
魔力増加Lv5 回復力増加Lv5 HP増加Lv5 MP増加Lv10
初級魔法:体力回復 毒回復 麻痺回復 石化回復
初級魔法:火 初級魔法:水
物理防御盾Lv2 魔法防御盾Lv1
単独転移Lv1 複数転移Lv1 詠唱省略Lv3
気配察知Lv1 アイテムボックス拡張Lv5
■□■□■□■□■□■□■□■□■□
職業恩恵での加算値の表示と、ステータス割り振りでの加算値の表示は、違う項目としてきちんと表示してくれるようだ。
実にわかりやすい。変なところで親切設計だな。
だが、恩恵は筋力、回復力、どちらも小上昇だったのだが、実際に上昇している数値は違っている。
小上昇でも幅があるということだろう。
上昇している値は2と1。大した数値ではないが、ポイント3分……BaseLv1分と考えると大きいかもしれない。
職業Lvを上げていけば効果も上がっていくらしいし、これから十分に期待できる。
固有スキルのタフネスは、所持スキルにも表示されていない。
念話のように特定条件下でのスキルという枠内なのだろう。実際 " 固有 " スキルだしな。
タフネスに関してはラッシュの街で情報収集しようと、再度心のメモ帳に刻んでおいた。
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