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最終章
170,勇者レーネ
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魔道具ではない装備で魔結晶を仕込んで実用性が高くなっている物を手当たり次第に選んで屋敷に戻ってきた。
「待たせたのじゃ! さっそくじゃが勇者の装備に触れてみるのじゃ!」
本来ならそんな場合ではないのだろうが、他にやることもないのでいつものバルコニーでお茶をしているとドリルさんばりの突撃力でエリア姫達――従者? エリア姫の気性を考えると家来の方がぴったりだが……もついてきた――が扉を蹴り破らんばかりにはいってきた。
「エリア姫。急いでるのはわかりますが、もう少しこう……慎み? みたいなものを持った方がいいですよ?」
「緊急事態は継続中なのじゃぞ! 何を悠長な事を言っておるのじゃ!」
「はぁ、でもあっちがその気ならもうとっくにどこかの街なり村なり滅ぼしてるんじゃないですか?」
「む……。そう、かもしれないのぅ」
「そもそも迷宮の最下層に行ったっていうのにトレーゼ迷宮は生きてるんでしょう?
じゃあ核の魔力が目当てというわけでもなさそうですし」
「むむぅ……。わたりんはすごいのぅ」
「まぁ最愛のグレーさんをフルボッコされて怒ってるのはわかりますが、冷静になりましょうね」
「ななななな! 何を言っておるのじゃ! わ、わ、っわわわ妾はべべっべ別に!」
「グレーさんは隣の部屋でまだ寝てると思いますからそっち行ってあげたらどうですか?
勇者の装備の試着はこっちで済ませておきますから」
「むむむむ! わ、わたりん! これは1つ借りておくのじゃ!」
「はいはい、いってらっしゃい」
さてこれで体よくエリア姫は追っ払えた。
しかしあそこまで慌てふためくとは……案外ピュアなのか。どうでもいいけど。
ばたばたと部屋を出て行くエリア姫達を見送ってから従者か家来か知らないが、とにかくお付きの人が敷いた敷物の上にエリア姫が置いていった勇者の装備を見やる。
というか、勇者の装備ってどれも壊れ性能で凄まじいし、例え選ばれなくても相当なもののはずだ。それをこんな見張りもなしに置いていくのはどうなんだ?
それだけ信頼されているということなのか、もしくは魔道具か何かで防犯はばっちりなのか。
まぁそれより勇者の装備だ。
おいていかれた装備は兜、鎧、篭手、靴の4種類。
鎧は腰部も覆う一体型だ。篭手は手首から肘まで。靴は膝まで覆うグリーヴタイプ。
兜は面も完全に覆えるフルフェイスタイプだな。
「これ全部つけたら誰だかわからなくなりますね」
「……素晴らしいですね」
ボソッと呟いたレーネさんの言葉は実に彼女の性格を表している。
レーネさんは兜系は被らないがその代わり真っ白のマントに備え付けのフードを被っていることが多い。
マントの下に着ている鎧も全身を隠す事が出来るフルプレートタイプの鎧だ。
恥ずかしがり屋だが一流の戦士でもある彼女の要望に応えられる逸品。
……やっぱり全部着てもらうか。きっとレーネさんなら選ばれる。
「じゃあレーネさん、どうぞ」
「ほ、ほんとに……やるんですか……?」
「レーネさんなら大丈夫ですよ。私は信じてます。むしろレーネさんが選ばれなかったらぶっ壊してあげますよ」
「だだだだだめですよ……ワタリさん……」
あたふたと慌てるレーネさんは実に可愛い。
でもレーネさんをいじめるのは不本意なのでそろそろ本題に入るか。
しかし選ばれるってどうやればいいんだろうな? そのくらいは聞いてからエリア姫を送り出せばよかった。
……いやなんか言ってたような……。
「勇者の装備に触れればいいんですよ」
「うぉっ!?」
「そんなにびっくりしないでくださいよ」
「いやいや、どなたですか」
突然かけられた声に驚いたが、すでにアルとレーネさんが声をかけた相手とオレの間に入っている。2人の動きはさすがすぎる。
……まぁオレも腰に装備してある紫電の大槌の柄に密かに手を伸ばしていつでも使えるようにしていたけど。
「ひどいなぁ……。エステリア様と一緒に来た者ですよ。
アイトといいます。一応『転生者』です」
がっくりと肩を落としたのは赤いツンツン頭の青年。
装備も全体的に赤く、これだけ目立つ姿なのに全然気づかなかった。隠密系のスキル所持者だろうか。
それに転生者か。つまりは相応の戦力を持つ者ということだ。それに気づかなかったとは……。
いや、オレ以外はきっと気づいてた。
特に何も言わなかったのは彼に敵意がなかったからだろう。
恐らく彼もオークロード討伐に参加するだろうし、これから一緒に戦う事になる相手に敵意を向けるのもどうかと思うしね。
「それはなんというか、すみません。私はワタリ・キリサキです。こちらはレーネさん。こっちがアルです」
「はい、エステリア様から聞いています。凄腕の治癒魔術師だとか。
死ななければどんな怪我でも治せるレベルの」
「まぁ、そうですね」
「……そうですか。それは心強い。よろしくお願いしますね」
「はい、こちらこそ」
死ななければ、の件で一瞬目が鋭くなったがそれだけだ。
まぁエリア姫と同じ程度に警戒しておけばいいだろう。何かしてくるならアルが対応してくれる。
「それで触れればいいんですか?」
「えぇ、勇者の装備は触れると認められた者のみそのまま触れ続ける事が出来ます。
それ以外は弾かれますから」
そういえばエリア姫がアイテムボックスから取り出した時も直接は触れてなかったな。
なんか変な手袋のような篭手のようなものをわざわざつけていたっけ。アレはきっと専用のアイテムなんだろうな。
「だそうです、レーネさん」
「は、はぃ……」
レーネさんがどんどん緊張してしまっている。
知らない人がいるから声はどんどん小さくなっていくし、口数も減っている。
エリア姫と一緒にグレーさんのところに行ってくれればよかったのに、この転生者。
今更この赤い男を部屋から追い出すわけにもいかない。
こいつが残ったと言うことは監視役なのだろうし、追い出す理由もなかなか難しい。
物腰は柔らかだが、それは転生者だからだろう。彼にも生前の記憶があるのだ。
オレと同じ世界、同じ国で育ったのならそれも納得がいく。
それに加え、転生者としてユニークスキルを所持している。物腰は柔からだが隙がない。十分に経験を積んでいることがよくわかる。BaseLvも相応に高いのだろう。
何度か深呼吸をしたレーネさんが皆が注目する中、恐る恐る――特にアイトの視線にびくつきながら――勇者の装備に手を伸ばす。
まずは兜。
最初に兜に手が伸びる辺り、よっぽど赤い野郎の視線が気になるみたいだ。
……やっぱり追い出そうかな……。
「ぁ……」
「どうですか?」
どうですかも何も、オレはレーネさんが手に取った時点で兜を鑑定していたのでわかっていたんだけどね。
おめでとう、さすがレーネさんだ。
「認められたみたいです。……不思議な感じです」
「はぁ……さすがですね。ウィシュラウさまは一発で弾かれたのに。これが噂に名高き白狼……」
感嘆の息を漏らす赤い男に視線をチラッと向けると何やら非常に好戦的な獰猛な笑みが現れかけている。
……あぁこいつ戦闘狂だ。間違いねーわ。やっぱり追い出すべきかなぁ。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
兜に引き続き鎧、篭手、靴と全ての勇者の装備はレーネさんを選んだ。
その結果にグレーさんを連れて戻ってきたエリア姫も驚いていた。
まさか残り全ての勇者の装備がレーネさんを選ぶとは思っていなかったらしい。
どれか1つでもオレかレーネさんを選んでくれれば御の字といった程度の気持ちで持ってきたらしかった。
ちなみに勇者の装備は全て装飾過多という表現が適切なくらいにゴテゴテしている。
なので目立つのが無理な性格のレーネさんは装備しても早々にマントで隠してしまった。
エリア姫がなんとかフル装備のレーネさんを見ようとマントを引っぺがそうとしていたが、勇者の装備を纏ったレーネさんは並ではなかった。元々並じゃなかったけど。
敏捷特化のアクセサリー類はドリルさんを選んだとはいえ、残っていた装備も尋常ではない。
HP、MP、筋力、器用、魔力、回復力。全てが高水準で増加する完全な壊れ性能。
元もとの高い技量と相まってレーネさんはエリア姫の執拗な魔の手を悉くかわすかわす。
最後は本気になったエリア姫をグレーさんがなんとか取り押さえて事なきを得た。
ちなみに取り押さえられたエリア姫は顔を真っ赤にして乙女になってしまっていた。はいはい、ご馳走様ご馳走様。
ちなみに勇者の装備にもデフォルトでサイズ調整機能がついているので大柄なレーネさんでもぴったりフィットしている。
「ところで勇者の装備は無事レーネさんが認められましたけど、魔道具を無効化するスキルに対抗できそうなスキルは勇者の装備にありました?」
鑑定で一応見てはいるが固有スキルの名称から効果を推測するのは難しい。
特に勇者の装備は~~の祈り系が全ての装備についているし、その他にも聞いたこともないスキルがついている。
「恐らく女神の祈りで対抗できると思います。
発動している間は害する効果を無効化するスキルみたいですから」
また随分とぶっ壊れた性能のスキルだ。
害する効果ってダメージとかも含まれるんだろうか。だとすると無敵すぎるんだけど。
しかも効果ってところがミソだな。
スキルは対象とするものがある程度区別されている。自身や他者、PTメンバー個人または全員まで、敵対者から物質、そのPTメンバー個人または全員まで。
そうやってある程度区別されているので対象が効果の場合はかなりの範囲をカバー可能になり、対象が凄まじく広くなる。やっぱりぶっ壊れ性能だな。
「うむ。これで一応の対策にはなるか。だが油断は禁物じゃ。
出来れば十分に準備を整えてから挑みたいところじゃが、まずは最下層まで行かねばならぬ。
時間はいくらあっても足りんのじゃ」
確かにトレーゼの迷宮の最下層に行くのにも時間がかかるだろう。
その間に移動されたら目も当てられない。急がなければいけないのだ。
明日からさっそくトレーゼの迷宮の最下層へ向かうための探索が始まる。
「待たせたのじゃ! さっそくじゃが勇者の装備に触れてみるのじゃ!」
本来ならそんな場合ではないのだろうが、他にやることもないのでいつものバルコニーでお茶をしているとドリルさんばりの突撃力でエリア姫達――従者? エリア姫の気性を考えると家来の方がぴったりだが……もついてきた――が扉を蹴り破らんばかりにはいってきた。
「エリア姫。急いでるのはわかりますが、もう少しこう……慎み? みたいなものを持った方がいいですよ?」
「緊急事態は継続中なのじゃぞ! 何を悠長な事を言っておるのじゃ!」
「はぁ、でもあっちがその気ならもうとっくにどこかの街なり村なり滅ぼしてるんじゃないですか?」
「む……。そう、かもしれないのぅ」
「そもそも迷宮の最下層に行ったっていうのにトレーゼ迷宮は生きてるんでしょう?
じゃあ核の魔力が目当てというわけでもなさそうですし」
「むむぅ……。わたりんはすごいのぅ」
「まぁ最愛のグレーさんをフルボッコされて怒ってるのはわかりますが、冷静になりましょうね」
「ななななな! 何を言っておるのじゃ! わ、わ、っわわわ妾はべべっべ別に!」
「グレーさんは隣の部屋でまだ寝てると思いますからそっち行ってあげたらどうですか?
勇者の装備の試着はこっちで済ませておきますから」
「むむむむ! わ、わたりん! これは1つ借りておくのじゃ!」
「はいはい、いってらっしゃい」
さてこれで体よくエリア姫は追っ払えた。
しかしあそこまで慌てふためくとは……案外ピュアなのか。どうでもいいけど。
ばたばたと部屋を出て行くエリア姫達を見送ってから従者か家来か知らないが、とにかくお付きの人が敷いた敷物の上にエリア姫が置いていった勇者の装備を見やる。
というか、勇者の装備ってどれも壊れ性能で凄まじいし、例え選ばれなくても相当なもののはずだ。それをこんな見張りもなしに置いていくのはどうなんだ?
それだけ信頼されているということなのか、もしくは魔道具か何かで防犯はばっちりなのか。
まぁそれより勇者の装備だ。
おいていかれた装備は兜、鎧、篭手、靴の4種類。
鎧は腰部も覆う一体型だ。篭手は手首から肘まで。靴は膝まで覆うグリーヴタイプ。
兜は面も完全に覆えるフルフェイスタイプだな。
「これ全部つけたら誰だかわからなくなりますね」
「……素晴らしいですね」
ボソッと呟いたレーネさんの言葉は実に彼女の性格を表している。
レーネさんは兜系は被らないがその代わり真っ白のマントに備え付けのフードを被っていることが多い。
マントの下に着ている鎧も全身を隠す事が出来るフルプレートタイプの鎧だ。
恥ずかしがり屋だが一流の戦士でもある彼女の要望に応えられる逸品。
……やっぱり全部着てもらうか。きっとレーネさんなら選ばれる。
「じゃあレーネさん、どうぞ」
「ほ、ほんとに……やるんですか……?」
「レーネさんなら大丈夫ですよ。私は信じてます。むしろレーネさんが選ばれなかったらぶっ壊してあげますよ」
「だだだだだめですよ……ワタリさん……」
あたふたと慌てるレーネさんは実に可愛い。
でもレーネさんをいじめるのは不本意なのでそろそろ本題に入るか。
しかし選ばれるってどうやればいいんだろうな? そのくらいは聞いてからエリア姫を送り出せばよかった。
……いやなんか言ってたような……。
「勇者の装備に触れればいいんですよ」
「うぉっ!?」
「そんなにびっくりしないでくださいよ」
「いやいや、どなたですか」
突然かけられた声に驚いたが、すでにアルとレーネさんが声をかけた相手とオレの間に入っている。2人の動きはさすがすぎる。
……まぁオレも腰に装備してある紫電の大槌の柄に密かに手を伸ばしていつでも使えるようにしていたけど。
「ひどいなぁ……。エステリア様と一緒に来た者ですよ。
アイトといいます。一応『転生者』です」
がっくりと肩を落としたのは赤いツンツン頭の青年。
装備も全体的に赤く、これだけ目立つ姿なのに全然気づかなかった。隠密系のスキル所持者だろうか。
それに転生者か。つまりは相応の戦力を持つ者ということだ。それに気づかなかったとは……。
いや、オレ以外はきっと気づいてた。
特に何も言わなかったのは彼に敵意がなかったからだろう。
恐らく彼もオークロード討伐に参加するだろうし、これから一緒に戦う事になる相手に敵意を向けるのもどうかと思うしね。
「それはなんというか、すみません。私はワタリ・キリサキです。こちらはレーネさん。こっちがアルです」
「はい、エステリア様から聞いています。凄腕の治癒魔術師だとか。
死ななければどんな怪我でも治せるレベルの」
「まぁ、そうですね」
「……そうですか。それは心強い。よろしくお願いしますね」
「はい、こちらこそ」
死ななければ、の件で一瞬目が鋭くなったがそれだけだ。
まぁエリア姫と同じ程度に警戒しておけばいいだろう。何かしてくるならアルが対応してくれる。
「それで触れればいいんですか?」
「えぇ、勇者の装備は触れると認められた者のみそのまま触れ続ける事が出来ます。
それ以外は弾かれますから」
そういえばエリア姫がアイテムボックスから取り出した時も直接は触れてなかったな。
なんか変な手袋のような篭手のようなものをわざわざつけていたっけ。アレはきっと専用のアイテムなんだろうな。
「だそうです、レーネさん」
「は、はぃ……」
レーネさんがどんどん緊張してしまっている。
知らない人がいるから声はどんどん小さくなっていくし、口数も減っている。
エリア姫と一緒にグレーさんのところに行ってくれればよかったのに、この転生者。
今更この赤い男を部屋から追い出すわけにもいかない。
こいつが残ったと言うことは監視役なのだろうし、追い出す理由もなかなか難しい。
物腰は柔らかだが、それは転生者だからだろう。彼にも生前の記憶があるのだ。
オレと同じ世界、同じ国で育ったのならそれも納得がいく。
それに加え、転生者としてユニークスキルを所持している。物腰は柔からだが隙がない。十分に経験を積んでいることがよくわかる。BaseLvも相応に高いのだろう。
何度か深呼吸をしたレーネさんが皆が注目する中、恐る恐る――特にアイトの視線にびくつきながら――勇者の装備に手を伸ばす。
まずは兜。
最初に兜に手が伸びる辺り、よっぽど赤い野郎の視線が気になるみたいだ。
……やっぱり追い出そうかな……。
「ぁ……」
「どうですか?」
どうですかも何も、オレはレーネさんが手に取った時点で兜を鑑定していたのでわかっていたんだけどね。
おめでとう、さすがレーネさんだ。
「認められたみたいです。……不思議な感じです」
「はぁ……さすがですね。ウィシュラウさまは一発で弾かれたのに。これが噂に名高き白狼……」
感嘆の息を漏らす赤い男に視線をチラッと向けると何やら非常に好戦的な獰猛な笑みが現れかけている。
……あぁこいつ戦闘狂だ。間違いねーわ。やっぱり追い出すべきかなぁ。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
兜に引き続き鎧、篭手、靴と全ての勇者の装備はレーネさんを選んだ。
その結果にグレーさんを連れて戻ってきたエリア姫も驚いていた。
まさか残り全ての勇者の装備がレーネさんを選ぶとは思っていなかったらしい。
どれか1つでもオレかレーネさんを選んでくれれば御の字といった程度の気持ちで持ってきたらしかった。
ちなみに勇者の装備は全て装飾過多という表現が適切なくらいにゴテゴテしている。
なので目立つのが無理な性格のレーネさんは装備しても早々にマントで隠してしまった。
エリア姫がなんとかフル装備のレーネさんを見ようとマントを引っぺがそうとしていたが、勇者の装備を纏ったレーネさんは並ではなかった。元々並じゃなかったけど。
敏捷特化のアクセサリー類はドリルさんを選んだとはいえ、残っていた装備も尋常ではない。
HP、MP、筋力、器用、魔力、回復力。全てが高水準で増加する完全な壊れ性能。
元もとの高い技量と相まってレーネさんはエリア姫の執拗な魔の手を悉くかわすかわす。
最後は本気になったエリア姫をグレーさんがなんとか取り押さえて事なきを得た。
ちなみに取り押さえられたエリア姫は顔を真っ赤にして乙女になってしまっていた。はいはい、ご馳走様ご馳走様。
ちなみに勇者の装備にもデフォルトでサイズ調整機能がついているので大柄なレーネさんでもぴったりフィットしている。
「ところで勇者の装備は無事レーネさんが認められましたけど、魔道具を無効化するスキルに対抗できそうなスキルは勇者の装備にありました?」
鑑定で一応見てはいるが固有スキルの名称から効果を推測するのは難しい。
特に勇者の装備は~~の祈り系が全ての装備についているし、その他にも聞いたこともないスキルがついている。
「恐らく女神の祈りで対抗できると思います。
発動している間は害する効果を無効化するスキルみたいですから」
また随分とぶっ壊れた性能のスキルだ。
害する効果ってダメージとかも含まれるんだろうか。だとすると無敵すぎるんだけど。
しかも効果ってところがミソだな。
スキルは対象とするものがある程度区別されている。自身や他者、PTメンバー個人または全員まで、敵対者から物質、そのPTメンバー個人または全員まで。
そうやってある程度区別されているので対象が効果の場合はかなりの範囲をカバー可能になり、対象が凄まじく広くなる。やっぱりぶっ壊れ性能だな。
「うむ。これで一応の対策にはなるか。だが油断は禁物じゃ。
出来れば十分に準備を整えてから挑みたいところじゃが、まずは最下層まで行かねばならぬ。
時間はいくらあっても足りんのじゃ」
確かにトレーゼの迷宮の最下層に行くのにも時間がかかるだろう。
その間に移動されたら目も当てられない。急がなければいけないのだ。
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