アピス⁈誰それ。私はラティス。≪≪新帝国建国伝承≫≫

稲之音

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ⅬⅣ 潮汐固定編 後編(1)

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第1章。追加試験日当日(1)


 コウニン王国のシレトは、対外工作(暗殺)部南局の運び方で、暗殺者の
移動・逃亡の手助けの職責を担っている。
無論彼も、以前は暗殺を職責としていたのだが、風の中級妖精契約者の暗殺時に
相討ちとなり、瀕死の相手の最期の一撃(緑電)を頭部に受け、
暗殺者としての能力が削り取られた。だがしかし同時に、オリカルクム並みに
頑丈がんじょうと言われる催眠魔法も解除されている。
催眠魔法が切れたのがばれたら、南局の内部部署により処刑されるのだが、
そこはうまく誤魔化し続けている。

 今日はデナン公国領の初等学校の講師で、アバウト学院の追加試験の
受験の付き添いで来ているという身分(隠れ蓑)を纏っている。

数多くの暗殺に携わってきた彼でさえ、今回の作戦は胸糞悪いものだった。
暗殺者として使えないと判断した者で、見栄えのしないものに、全身に燃爆石を
まとわせ、まとに零距離で自爆させるというものだったからだ。

まとが、ノープル学院の入試とアバウト学院の決闘で、白光の球体が現れた後、
魔力や物理力による攻撃が効かなくなった事は、調べでわかっている。

ならばと、ふところに入り込めば、うまく殺害できると上層部は目算を建てたのであり、
それでも、何らかの障壁や結界が、まとに張り巡らされていて無効化された時には、
の効果として、次々に自爆させ、まとに対し、自爆者達の体液や内臓や肉片を
ぶちまけ続ける事により、アマトの心を殺してしまおうという狙いだった。

アバウト学院の門の前で、シレトは、自分の隠れみのの引率者として、

「今まで学んだ事を十分に発揮すれば、決して悪い結果にはならないから。」

と色のない瞳の少年・少女の前で最後の演技をしてみせたとき、
自分では何の救いもできない力の無さを嘆きながら、このような作戦を
平然と実行する、コウニン王国上層部の破滅を心の底から願った。

シレトは、アバウト学院の門を去る時、もう一度校舎のほうをにらむ。

『おれも暗殺を請け負う者として、人を殺しすぎた。
ここいらで帳尻をあわせてもよかろう。
頼むぜ、おれの死を無駄にせんでくれよ。』

と、心の中でつぶやいた。


第2章。追加試験当日(2)


 いつもの時期ではない試験のためであろうか、初等学園の制服で来た受験生は
見当たらない。それどころか、服のほころびがある者も多かった。
恐らくは、帝国外から来た、いわゆる平民という階級の出身者達だろう。

彼らの多くは、【門地・出身地を問わない】という、アバウト学院の宣言に
新しい時代の風を感じて、集まってきている。
ここには、時期王帝候補もいる。
次世代のアバウト学院生になる、孤児たちを庇護ひごしている。
何よりも、1000年の間、この世界に影すら見せなかった、
禁忌中の禁忌、暗黒の妖精が、現存しているのだ。
この世界の道徳たる、双月教の教義に反抗してこの場を選んだ覚悟は、
なみ半端なものではない。

・・・・・・・・

 追加学生試験は、講師・事務員だけではとても人手が足らないので、
実技試験の剣ではルリとフレイアが、槍・矛ではキョウショウ・アストリアが、
ジンバラ老の補助にはいっている。
ちなみに、ユウイ・エルナは受付でキノリの補助に、
イルムは面接官として、ハイヤーン老・バレン老と同席する予定だ。

 魔力試験の担当のラティスとラファイアは、筆記試験の終了待ちで、
名誉学長室で、まったりしている。

「ラティスさん。暗殺者から誘惑者、斥候せっこう者・潜入者から寄生者まで、
らしき人が、いっぱい来ていますね。」

ラファイアは、アマトとセプティの警護役として、早朝から学院にめていて、
ひまつぶしに、校門前に分身を飛ばし、ほぼ受験者全員の確認を終了している。

「そうでしょうね。アマトにしてもセプティにしても、いろんな意味で
時代的な価値が高いからね。」

ラティスは、ボーッと外をながめながら、ラファイアの相手をする。

「こんな試験なんてさあ、あんたが、一度に全員を相手にして、
あんたに傷のひとつでもいれた奴は、合格にすればいいと思わない?
だったらすぐに終わるし。」

ラティスは、近頃ミーちゃんハーちゃんら子供達の興味が他の方に向かい
お付き合いが減ったので、機嫌がよく、かつ怠惰たいだになっている。

「また、そういうことを言う。ラティスさんが自分自身で、
『私が魔力試験者のすべてを相手する、これは神々の意思よ。』
なんて言い出して、試験官になったんでしょう。
いつの間にか、私も試験官に勝手にして、・・・」

「きのうも、受験生の魔力攻撃を受けるのみで、私達がかぶった帽子を
吹き飛ばす事ができたら、即合格とか、言っていましたよね?」

ラファイアは香茶を飲みながら、まったりとした雰囲気に身をまかせながら、
質問する。

「一対一で、私達とやりあえるのは、あのツーリアとかいうゆがみねくらの
もどきぐらいでしょう。だったら、そのくらい有利な条件を与えて
試験をやればいいでしょう。」

「そのくらいでは、全く有利な条件になるとは思いませんが?」

「それにラティスさんの姿でなんて・・・。」

ブツブツ文句をいう、ラファイア。

「あんたこの頃、私の姿でいろいろいるんじゃない
借りは返しなさいよ。」

自分の姿を、勝手に使われたことには怒らない、ラティスさんである。

「わかりましたよ、私が先にいきますけど、どのくらいで交代するんですか?」

「何を言っているの。私はずっと、大きな日傘の下で、背もたれ椅子に
身をゆだねて、冷えた果実水飲みながら、あんたを見守っているから。」

「え!?」

ラファイアは、さすがにラティスを凝視ぎょうしする。

「こんな日差しのなか、泥だらけになるなんて、
私のように、妖精には、
似合わないと思わない。」

「ここは、あんたのような、火焼け寸胴樽ずんどうだる体形で二の腕ぷよぷよの妖精こそ、
その出番ではなくて。」

「!!!!!!」

ふたりの妖精の間の緊張感が、半端ないものになる前に、
学長室の扉が叩かれる。

「ラティス、お客さん。いや、イルムとルリが来ているわ。」

ふたりの妖精の、いつものやり取りを予想して、あえて空気と化していた、
エリースが声を上げる。

学長室を護る、ラティスの結界もラファイアの障壁もエリースの探知能力を
さまたげていないのに、ふたりの妖精もエリースも気付いていない。


第3章。追加試験当日(3)


 「ゆっくり休んでいるところすまない。これを見て欲しいの。」

ルリが差し出した紙には、コウニン王国の今日の暗殺作戦と暗殺者の名が
列記されたものが書いてある。シレトという差出人名まで記入してあり、
宛先人はルリを指定してある。

「つまりは今日、暗殺計画があるという事ね。まとは、アマトということ。」

イルムは、何故か歯切れが悪い。

「初日から来るとわね。」

「けど、名前までわかっているんだったら、私とラファイア・・・・」

急に、淡い緑色の光を伴ってリーエが現れ、⦅私も!私も!⦆のポーズをしてみせる。

「・・・・とリーエで、全員消去すれば済む話じゃない。」

リーエは、⦅だからラティスさん好き。⦆のポーズをきめる。

「イルムさん、どうしたんですか。これはわなだと?」

ラファイアが、顔色のえないイルムとルリに気付き、ふたりを気遣う。

「いや違うと思う。ただ、コウニン王国式の秘匿ひとく文字変換をすると、
《奴らを助けてくれ頼む》の文字が浮かぶのよ。」

ルリが、言いにくそうに、言葉を投げる。

「それが本当だったとしても、義兄ィの命と引き換えにはできないわ。
わかってるでしょう、ルリ!」

エリースが、極めて強い言葉で打ち返す。

「まあまあ、エリースさん。ラティスさんと私の魔力があれば
何とかできるかもです。」

ラファイアが仲裁にはいる。エリースも言い過ぎたと口をつぐむ。

「あんた、なに仕切ってるのよ、私はそんな面倒な話には乗らないわよ。」

ラティスは、ぶっきらぼうに話に割り込んでくる。

「ラティスさん、もし手立てがあるのなら、お願いできないだろうか。」

「私からもお願いする。」

ルリとイルムが立ち上がり、ラティスに頭を下げる。
ラファイアはラティスの目が、ほんのわずだが泳いだのに、気付いた。

「確か、御自身のことを、高潔と救済の妖精とか、のたまわって
いましたよね。」

ラファイアが含み笑いをしながら、ラティスをあおる。
しばし黙り込むラティス、けれど暴発したように、言葉を破裂させる。

「わかったわよ、協力するわよ。イルム、対抗策を考えるわよ。」

『『すなおじゃないんだから。』』

ラファイアとエリースの心の声である。

・・・・・・・・

今回の試験は、筆記⇒剣・槍⇒魔力⇒面接の順番で行われる。
コウニン王国の暗殺者の一群が、初級妖精契約者のみで、
魔力の実技試験はないので、面接への待ち時間を利用する。

面接の待合室に入る瞬間、ラティスの精神支配を浴びせ、別室に誘導
ラファイアの瞬間睡眠魔力で、試験終了時まで眠らせる事にした。
合せて、アマトが、補助面接官であるという偽りの案内も
行われることになった。


第4章。追加試験当日(4)


 剣や槍に自信の若者、特に帝国本領以外の出身者にとって、ジンバラ老と
剣や槍を交えることができるのは、試験とはいえ、望外の幸せだったろう。
生きた伝説と立ち会えたのだから。

だが悲惨ひさんだったのは、ルリ・フレイア・キョウショウ・アストリアが試験官に
なった受験生だった。全くの素人には、彼女たちもキバをむく事は
なかったが、半端に剣や槍をかじった事のあるもの、彼女たちの見た目で
軽んじた態度をとったものは、即ヒール送りに叩きのめされた。

ルリの剣は、いかなる剣使いの打撃をもかわし、急所に一撃をいれる
暗殺者のそれであり、
キョウショウの槍は、創派の部下たちを有無も言わせず力で従わせたものであり、
フレイアの剣・アストリアの槍はジンバラ老直伝とはいえ、どんな腕の相手でも
自由に寸止めできる程の階梯かいていでは、なかったからだ。

それ以上にこくだったのは、魔力試験の方だろう。事前に説明がなかったため、
闘技場に入った、だれもが、目を見開き、つばを飲み込んだ。
そこには1000年にわたって、強大無比の魔力をもつ人外として語られてきた
恐怖と破滅の禁忌である、暗黒の妖精が己が相手として、たたずんでいたのだから。

大気は凍てつき、高山の頂きから見下ろされるような、大海の深淵から
のぞかれるような感覚のなか、共鳴の振動が彼方の空間から迫り、
自分が有象無象のひとりにも満たない、塵芥ちりあくたに過ぎない事を納得させられる。

そしてこの妖精ラティスは冷たくうたう。

「わたしの魔力は、暗黒の妖精アピスのそれを遥かに凌駕する・・・。」と。

なおも続ける。

「10人でも20人でもまとめていらっしゃい。それでいいわよ。」

と穏やかに。それは挑発ですらない。

受験生たちは覚悟を決めた。
周りを見渡す、皆と協力して、自分の最大の魔力を放つしかない、
受験生たちは呼応したように、同時に、魔法円や魔法陣を己が前面に
展開していった。

・・・・・・・

 ラティスとラティスの姿を借りたラファイアは、嬉々ききとして魔力試験官の
役割をこなしていく。
日頃は、契約者であるアマトをおもんぱかって、自分達の魔力を駄々洩だだもれ状態に
しておくことはないが、これはふたりの妖精にとって結構めんどくさく、
あまり気持ちのいい事ではない。

この前の日に、アバウト学院の三賢老のみならず、他の講師達からも、
『ぜひ、そのお力の一片でも、拝見させていただきたい。』
と言われているため試験の当初から、ラティス様・ラファイア様、
全開状態なのである。

『いくら、{こちらから一切攻撃はしない。自分を足元の円の中から片足でも
外に出せれば、無条件に合格させてやるわ。}と言っても、
これじゃ試験にならないよなと。』

魔力試験の補助試験官としてその場にいるアマトは、心の中でなげいている。
同じく補助試験官のセプティは畏怖の、エリースはあきれた眼差しで、
交互にふたりの妖精を凝視していた。

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