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第一
ギルドマスター
しおりを挟むギルドにつくと、なぜかガランっとしてた。カウンターにハスミスさんがいるだけで他は誰もいなかった
「おはようございます。カーティル君」
「あ、おはようございます...?」
「あぁ...他の方はまだ宿や自宅ですよ。殆どの人はお昼頃に来ますので」
へぇ~
じゃ、今ならゆっくり依頼が張り出されている掲示板が見られるな
なんて、思いながら掲示板を見ていったけど...
薬草探しが意外と多い。難易度ごとに纏められてるから分かりやすい。で、その初級の依頼で一番多いのがミズガミソウって草を探すのだが...
「...すみません」
「どうしました?」
「...この依頼のミズガミソウって...」
「ミズガミソウは回復用の薬草で近くの森に自生している草です。森の入り口付近に生えていることが多いんですが森の近くにはスライムやゴブリンなどの低級魔物がよくいるので、新人さん用の依頼になっています」
なるほど...
ちなみに、依頼には依頼品の絵がある。ミズガミソウはフキの葉っぱみたいな丸い形をしていた。初めてだし、これぐらいから始めるか...
ハスミスさんにミズガミソウ採取の受託をお願いした
「ミズガミソウ十五本採取の依頼...で大丈夫ですか?」
「はい」
「わかりました...あ、おはようございます」
受託した直後、誰かが入ってきたみたいでハスミスさんが挨拶をした。俺も挨拶しようと振り返ってみたが...
「......副騎士長?」
そこにいたのは、前の世界で共に騎士団を歩んでいた副騎士長と似ている。でも違うところがいくつもある
......なんで、背中に翼があるんだ?鳥みたいな羽毛の毛じゃなくて、硬いウロコのような翼がある...
髪の色も赤く目の色も赤い。体つきも立派...
....誰かわけてくれないかなぁ...身長と筋肉
「おはよう、ハスミス...この子は?新人?」
「はい。昨日入ったカーティル君です。カーティル君、こちら、このギルドのギルドマスターです」
..........お...
マジか....
「始めまして、俺はシュッツヘルギルドのマスターをやっているムンゲルト・スミニア・フェルナンド・ヒミヤだ」
.....長い....
とりあえず、鑑定してみるか...
名前:ムンゲルト・スミニア・フェルナルド・ヒミヤ
種族:竜人族
LV:212
魔力:火・水
職業:戦士
好きなタイプ:可愛くおしとやかな子
補足:シュッツヘルギルドのマスターをしているが本人は戦いをメインにしているためマスターの自覚がほぼない。子供の頃、鱗目当ての人間族に追い回されたことがトラウマになり、誰かに追われることが苦手
......まぁ...確かに綺麗な鱗だ
黒く光沢のある鱗は入り口から漏れている光を受けて輝いているように見える。そもそもこの世界の人間族はいろいろやらかしすぎじゃないか?俺の国にいた国王みたいな奴しかいなかったのか?
「あ、長い名前だから皆からはムクゲって呼ばれてるよ」
「....ムクゲ...さん?」
「ギルドの窓際の鉢で育ててる花なんだけど、弱々しいのに生命力強いから...それがヒミヤさんのイメージにピッタリって事で、うちのギルドじゃマスターのあだ名になったのよ」
「へぇ....あ、カーティルです...昨日ギルドに入った新人です」
「うん。よろしく」
うっかり挨拶を忘れてしまった...
でも...感じがいい人だなぁ
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